18話 俺の死は世界の死と同義。
ご無礼(/ω\)
本日の3話目です!!
18話 俺の死は世界の死と同義。
まだ、ゴーバイの作業は続いている。
魔法端末上で幾何学的な術式が展開され、次々と重ねられていく。
多層構造の制御式。
失敗すれば、転移先ではなく『途中』に放り出される。
それに呼応するように、ゲートの内側に淡い光が灯り始めた。
輪の内側が、ゆっくりと『深く』なっていく。
底のない穴のように。
「魔力を込めれば、この第二アルファに転移することが可能です。何か問題があったら、躊躇せずに帰ってきて報告してください。これは、あなた方の命を心配して言っているのではなく、情報を重視してのことだとご理解ください」
淡々とした声。
そこに情はない。
そこで、ペンが指輪を手の中でコマのようにくるくると回しながら口を開く。
「おいおい、ずいぶんな言い草じゃないか。このバカ女どもはともかく、俺の命だけは全力で心配してくれよ。風のウワサによると、俺の死は世界の死と同義らしいぜ。そのぐらい価値がある俺様を心配するのは、人として最低限のエチケットだろ。常識的に考えて」
「……『絶命』が『世界の終わり』と同義になる存在は、この世でセンエース神帝陛下だけです。御方と比べれば、他の命は全て等しくチリ同然……というのが、天上の総意です」
「俺という天上の頂点がそれを認めてねぇから、総意にはなりえねぇ、とバッチャが言ってた」
「そうですか。よかったですね」
片手間に処理された返答。
視線すら向けない。
ペンは、わずかに肩をすくめる。
そこで、ゴーバイの指が最後の操作を終えた。
魔法端末が静かに収束し、ゲートの光が一段階強まる。
空間が、微かに軋む。
耳鳴りのような振動が、骨の内側を撫でた。
「それでは転移ゲートを起動します。心の準備はよろしいですか?」
ミカンはしっかりと頷き、
ユズは無言であくびを噛み殺し、
レンはソっと目を閉じて腕を組む。
ペンだけが、右手を掲げて堂々と、
「ないと言ったら嘘になる可能性が微粒子レベルで存在している……と言われた時のオフェンスマニュアルCの6番を発動しろ、磯野ォオオオ!」
「では、いってらっしゃい」
完全に無視された。
次の瞬間――
光が、弾けた。
視界が白に塗りつぶされる。
上下左右の感覚が一瞬で断ち切られ、足元の感触が消える。
引き剥がされるような感覚。
同時に、押し込まれるような圧。
身体が『どこにも属していない』時間が、わずかに発生する。
そして――
四人の姿は、この第二アルファから完全に消えた。
明日も3話とイラストを投稿します(*´▽`*)




