5話 第一アルファ人はヤバいやつばっかり。
5話 第一アルファ人はヤバいやつばっかり。
蝉原はボソっとそう言ってから、
タメ息交じりに、続けて、
「しかし、俺、彼女とはソリが合わないから、できれば別の『悪人』を使ってほしかったなぁ……『音文(第一アルファ人、センエースの元クラスメイトのサイコ野郎)』や『ゼンドウ(第一アルファ人、センエースから道徳と善心を抜いたコピー体)』……あと『バーチャ』の命も回収できているんだから、パーティを組むなら、そっちを軸にしたかったよ。……正直、女は苦手だ。愚かで脆弱で汚らわしいからね。あらゆる意味で鬱陶しい。生きる価値がない」
山火事ぐらい炎上しそうなことを口にしつつ、『狡猾蝉原』は小さくため息をついた。
センが『原初の世界』を攻略している裏で、
蝉原は、世界中の『高品質な巨悪』をかき集めてチームを結成していた。
すべてセンエースを殺すため。
蝉原にとっての生き甲斐はただ一つ。
――愛するセンエースを殺すこと。
それ以外はどうでもいい。
「ていうか、流石にそろそろ説明してほしいんだけど……君は誰かな? 破壊衝動ソル……なのは間違いないと思うのだけれど、俺が前にツルんでいたのとは違うよね? あっちは完全に死んだと認識しているのだけれど」
「あっちは『コスモゾーンの破壊衝動ソル』。……私は、『パーフェクトコスモゾーンの破壊衝動ソル』と表現するのが最も適切だが……それも、確実な正解ではない」
「……随分と曖昧な言い方をするね。ちなみにパーフェクトコスモゾーンって、実際のところなんなのかな?」
「それは誰にも分らない。だが、『命の答え』があるとしたら……おそらく、そこだろう」
「意味ありげなだけの言葉でお茶を濁すのはやめてほしいねぇ……」
「まだ私はパーフェクトコスモゾーンの破壊衝動ソルにはなり切れていない……が、間違いなくその『シード』ではある」
「俺がセンくんに殺される前まで契約していた破壊衝動ソルとは……明確に違う存在……と思っていいのかな?」
「店長とエリアマネージャーぐらい違うと思ってくれていい」
「ずいぶん違うね。給料で言えば3倍ぐらい違うんじゃないかな」
『狡猾蝉原』は小さく笑った。
だがその笑みには、警戒が残っていた。
「エリアマネージャーに聞きたいんだけど……わざわざ俺たちを蘇生させて、ユズの破壊衝動を回収させて……いったい何がしたいのかな? まだ、俺に、センくんの遊び相手をさせたいのかい? 正直、無駄だと思うよ。俺じゃあ、役者が不足している。どうあがいても、センくんには勝てない。彼は強すぎる」
「などと言っている割に、目は燃えているように見えるが?」
「諦めたくはないし、まだ挑戦させてもらえるなら一生懸命頑張るつもりではいるさ。けど、結果にコミットはできないと言っているんだよ。絶対に勝ちたいと願うなら、俺以外を使った方がいいと思う……と助言をさせていただいている。蘇生してくれたせめてものお返しとしてね」
「貴様以外で可能性がある者はいない。それは『店長(以前の破壊衝動ソル)』も言っていたはずだ」
「そう言ってくれるのはありがたいし光栄ではあるけれどねぇ……」




