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わずか100gの相撲部屋親方  作者: 眠れぬ夜の小鳥


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10/12

突っ張り10.食べ歩きパラダイス

「呉服屋が予想外に長くて腹が減っただろう。好きなだけ食べなさい」

「やったー!お茶だけじゃ腹にたまらなかったからしんどかったっす」

「俺達の時間が待ち遠しくて、よだれ垂らしてました」

「あそこに団子屋があるので親方の分も買ってきます」

「頼んだ。私達は端で待っていよう。人の邪魔になるからな」

「了解っす。向こうにベンチがあるので座っていいですか?肩が痛くて」

「100gでも肩が凝るのか。頑張ったな。戻って来たら交代しよう」

「ありがとうございます」


私達は、買い出し組3人と留守番組に別れた。


「冬吹雪にずっと親方を任せていたから、次誰がやる?」

「団子食ってからでいいか?何も考えられない」

「真剣勝負したいから、自分も食べてからがいいっす」

「そろそろ順番が来たみたいだ」

「いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ」

「みたらし5本、あんこ5本、よもぎ5本…」

「かしこまりました。少々お待ちください…先にお会計しますね」

「うまそう。早く食べたい」

「お待たせしました。まいどありがとうございました」

「ありがとうございます。」

「次、どこ行く?焼き鳥食べたいよね!」

「とりあえず、食べながら行こうぜ。クレープもいいな」

「うまっ!できたて最高だな」

「甘さ控えめだから止まらない」

「2人の分まで食べるなよ。待ってるから」

「分かってるよ」


3人が食べ歩きを存分に楽しんでいる頃、私達はというと…。


「あいつら遅いな。こっちを忘れて楽しんでるんじゃないか?」

「親方、私もう限界です…」

「電話してみたらどうだ?3人いれば誰かにつながるだろう」

「了解っす。かけてみます…もしもし?親方に代わるっす」

「…もしもし?お前達はいつ帰ってくるつもりだ。冬吹雪だって腹空かせて待ってんだぞ。ダッシュで来い!!」


スマホを持っていたのは夏葵だけで、後の2人は部屋に忘れて来たようだ。


「すみません!たくさん買ってきたので、食べてください」

「ありがとうございます。おいしそうな団子っすね!親方、先どうぞ」

「お前は優しいな。こんな時にも私を優先してくれるのか」

「そりゃそうですよ。私にとって親方であり、父親ですから」


実は冬吹雪は私の1人息子でかわいがってきたが、自分から相撲の門を叩いた。私は相撲の厳しさを知っているから、彼には1度も勧めなかった。父の背中をみて学び続け、小結まで上り詰めたのは、親として誇り高い。横綱を目指して頑張っては欲しいが、同時に無理をしないでくれとも思う。道はいくらでもあるのだから。


「おいしいな。私は団子と焼き鳥でお腹いっぱいだから、後は皆で食べなさい」

「ありがとうございます。クレープもおいしいっすね!ケバブも初めて食べました」

「冬吹雪、ごめんな。待たせちまって。次、親方を乗せるから休んでくれ」

「助かります。肩が痛くて親方にもんでもらってました」

「効いたのか?」

「ぺちぺちしかできなくて、くすぐったかったので止めましたw」

「ぺちぺちで悪かったな」

「俺がもんでやろう。親方よりは効くはずだから」

「…ああ、いいですね。凝りがほぐれます」


その後のじゃんけんで、帰りは秋茜が私を肩に乗せる事になった。疲れと満腹感で気づいたらそのまま寝てしまった。彼が気を遣ってゆっくり歩いてくれたので落ちる事はなく部屋にたどり着けた…。


突っ張り11へ続く…

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