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さあ、気を取り直して状況整理です。
相変わらず私はアイザック様のお膝に座らされておりますが。
不思議ですね。
私の死に心を痛めるロティを慰めるための過剰なスキンシップだと思えば、アイザック様の過度なイチャイチャも幾分か受け入れやすいです。
ただ、申し訳ない気持ちは変わりません。
早く犯人を見つけましょう。そうしましょう。
「お姉さんが亡くなったのは10日前の日曜日」
「10日前⋯」
「学園の裏手にあるガゼボから少し離れた花壇に寄りかかって倒れているのを、夕方に忘れ物を取りに来た用務員が発見した」
「日曜に学園⋯?」
それはそうと、先程からアイザック様が私の手を握っているのです、気になって仕方がありません。
とは言え、実際にはロティの手です。婚約者であるアイザック様が触っても何ら問題はないのてす。
例えアイザック様が指を触ろうが手の甲を触ろうが掌を触ろうが指を絡ませようが⋯、いや、ちょっともう、集中出来ないのでやめて頂きたいです。
「誰かと待ち合わせをしていたのだろうね。だけど相手が分からない」
「待ち合わせ⋯相手が分からない⋯⋯」
「そう。そして今現在に至るまで、誰も名乗り出てきていない」
「それって、つまり⋯」
「待ち合わせ相手が犯人である可能性が高い。例え犯人ではなくとも何らかの事情を知っていると思われる、かな」
ロティを過度に怖がらせないためでしょうか、アイザック様が指を絡ませていない方の手を回して、私(ロティの身体)の腕を優しくさすってくれます。
なるほど。
先程からイチャイチャスキンシップが止まらないと思っていたのは、ロティを気遣って下さってのことだったのですね。
私てっきり、アイザック様がロティに触りたいからだと思っていました。
私、アイザック様のことを少し誤解していた様です、大変失礼しました。
「それでね、先刻も言った通り相手が分からない。目撃情報もない。日曜の学園だ。元々、人目を避けての待ち合わせだったんだろうね」
「人目を避けた待ち合わせ⋯」
心当たりがない訳ではないのですが、それをロティの口から言うのは些か不自然かも知れません。
それに、アイザック様は待ち合わせ相手が犯人の可能性が高いと考えていらっしゃるご様子。
私が考えるあの方であれば、犯人だとは思えないのですが…、ちょっとアイザック様。
二の腕をプニプニしないでくださいませ。
それ、絶対アイザック様が触りたいだけですよね。
ええと、何でしたっけ?私いま何か大事なことを考えていた様に思うのですが。
ああもう、だから言っているじゃありませんか。
ベタベタされると考えに集中出来ないって!
実際に口には出しておりませんけれども!!
ロティの事が大好きならば雰囲気で感じ取って頂きたいです!!!
どうしましょう、このままでは色んな意味で犯人探しが進む気配がありません。
「それで、ロティはその前の日にお姉さんから「告白の返事をもらえる」と聞いていたんだよね」
「!!!!!!!」
一気に進みました。これがフロックハート家のお力なのですね。
それはそうと、ロティ。
あなたアイザック様に、私の何をどこまでお話ししているの???
「そそ、そうなのですか⋯?」
「きみがそう言っていたんだけど。違ったかな、ロティ?」
「違いません、言いました」
アイザック様、どうか犯人が見つかった暁には私に関する全ての記憶を消してくださいませ。
ロティの事だけにその素晴らしい記憶力をお使いください、何卒⋯。
「ふふ。ロティが覚えていなくても、お姉さんの日記に同じような内容が書いてあったから、間違いないと思う」
「よよよ読んだのですか??にに、日記を?!!」
「ふふふ、ロティ?きみも一緒に読んだよね。忘れちゃった?」
「忘れてません、読みました⋯⋯」
なるほど天におわす神様。
私がロティに乗り移った目的は1つではなかったということですね。
ロティの身体を借りている間に、色々と処分をしなければいけないアレやコレやがあるようです。一刻も早く!!早急に!!!




