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事件が解決したら憑依探偵令嬢と呼ばれてしまうのでしょうか  作者: モチダ


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アイザック様は、ロティの中身が、私ドロシーだと気付いていらっしゃる。


そう確信したものの、下手に推理を披露して、誤魔化しのために口づけをされては敵わないし、一度、頭を整理したくて、アイザック様には、気付いていることに気付いたことを(ややこしいですね)何も言わずに帰ることにしました。


我が家に帰り、ロティの部屋に戻った私は、ロティの日記を探しました。


「ごめんなさいね、ロティ」


最後の日付は私が殺される前日のものでした。

書く気力が起きなかったのか、書く内容がなかったのか。

例え書かれていたとして、私には読む勇気など出なかったと思います。


数日分だけ読ませてもらい日記を閉じました。

きっと、ロティが私の日記を読んだ時も同じように感じたのではないでしょうか。


「毎日聞いていた内容と同じだわ⋯」


ロティとアイザック様の仲を少し心配したのだけれど、杞憂に終わったようです。

ただ、ロティが気付いていないだけで、アイザック様がロティを裏切っていないとは限りません。



アイザック様が、ロティの中身がドロシーだと気付いて、それに気付かないフリをする理由があるとするならば、それは何でしょう。


ドロシーの魂に何かをしたい、もしくは、させたい。

ロティの魂に気付かれず、ロティに何かをしたい、もしくは、させたい。


前者だとすれば、私ドロシーにする、もしくは、ドロシーにさせるからこそ意味がある何か、なのでしょう。

私が出来る特別なことなどありませんから、私に何かをしたかったと言うことでしょうか?

なにを?なぜ??


ロティに気付かれず、ロティに何かをする、もしくは、させると言うのは、中身がドロシーである必要はないので、たまたまドロシーが乗り移ったからこそ起きたチャンスと言えます。


ただ、乗り移っておいてこんな事言うのも何ですが。

乗り移るって、かなり非常識で有り得ない事態だと思うのです。

あのアイザック様が、そんな、あるかないか分からないような、不確定なチャンスに頼るとは到底思えないのです。


と言うことは、狙いはロティではなく、やはり、私ドロシーなのでしょうか?


目的が何か分かりませんが、乗り移ったことに気付いてから計画を立てたのだとすれば、隣にいて何も気付かなかった私が余程抜けているのか、気付かせなかったアイザック様が余程優秀なのか。


はっ。

もしかして、アイザック様が乗り移らせた張本人なのでは!?


それならば、乗り移った時にアイザック様が隣にいた理由も頷けます。

⋯まあ、ロティとアイザック様はしょっちゅう一緒に過ごされていたので、これは単なるこじつけですね。



それでは、アイザック様はロティに乗り移った私ドロシーに何をするおつもりなのでしょう?


そして乗り移ってから丸二日、行動に移さないのは何故なのでしょう?


それとも密かに目的は達成されていて、あとは私の魂が天に召されるのを、待っているだけだったりするのでしょうか??


ああもう、考えれば考えるほど分からなくなってきました。

こんな事ならアイザック様に聞いてくれば良かったです。

どうして聞いてこなかったのでしょうか?


ああ、そうです。

アイザック様がロティを裏切っている可能性がありました。

何を隠しているか分からない以上、下手に話すわけにはいかないと思ったのです。

現に、私が何か利用される可能性が出てきたわけで…


⋯⋯⋯うーん?

ちょっと待ってくださいね⋯⋯



⋯⋯⋯別に、いいのではないでしょうか?



何か私を利用なさろうとしているのなら、利用されてあげれば良いのです。

むしろ、私から差し出せば、アイザック様に利用したなどという罪悪感を抱かせることもなくなります。


私は乗り移って、ロティの身体を借りている身ですし。

アイザック様には、犯人探しの協力をして頂いておりますし。

そもそも、私がロティのフリをしたのがいけないわけですからね。


もしかしたらアイザック様も、ちょっとした頼み事があるだけなのに、私が名乗り出ないことで言い出し辛くなっているだけなのかも知れません。


そうと決まれば、アイザック様にすぐにでも会いたいと伝達を出して、今日はさっさと寝るに限ります。

ロティの身体はすっかり体力が落ちて、疲れやすくなっているのは本当ですし、しっかり寝てしっかり食べてお外に出てしっかり太陽の光を浴びて、早く元気な身体を取り戻してあげますからね。


そう言えば、なぜ私はロティのフリをする事になったのでしたっけ?

⋯ああ、いけません。眠たくなってきてしまいました⋯⋯





「いつもの様にイジーって呼んで?」


⋯ああ、そうでした。

乗り移った直後の混乱の中、つい勢いに押されてアイザック様を愛称で呼んでしまった、恥ずかしさと後ろめたさから、ロティのフリをしてしまったのでした。


「ふふ、ロティは本当に可愛いなあ」


はい、ロティは我が妹ながら可愛いです。

素直で純粋で、本当に本当に可愛いのです。


「例え、ロティを裏切ることになっても」


え?何を言っているのですかアイザック様。

ロティを裏切るなんていけません。

私がロティの身体を借りている間に、そんな事は止めますからね。


⋯ところで、さっきのは?誰の記憶でしょうか?

私には覚えがないセリフなのですが。

ロティの、身体の記憶⋯?



『いやぁああああああ目を開けてお姉様、死んじゃいやぁあああ、お姉様ぁぁあああ』


ああ、またこの夢なのですね。

泣かないでロティ、お願いよ。


ああ、良かった。今日はアイザック様がいらっしゃいます。

アイザック様、ロティを慰めてあげてくださいな。


アイザック様?


「ロティを裏切ることになっても、僕は僕の想いを貫くよ」



⋯⋯⋯⋯⋯もしかしたら

私は何か、大切なことを忘れているのでしょうか?


この記憶は誰のものですか?

もしかして私達は、⋯私が、ロティを裏切っていたのでしょうか?


私は、このままアイザック様と一緒に犯人探しをやっていて、本当に、大丈夫なのでしょうか⋯⋯⋯⋯⋯



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