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事件が解決したら憑依探偵令嬢と呼ばれてしまうのでしょうか  作者: モチダ


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「エリオットに会ってたんだろ。さっき出ていく所を見かけたぞ」


ああ確かに。あのタイミングならエリオット様をお見かけしたはずですね。と、思うのに、アイザック様は違ったようで⋯


「ふふ。()()()()、ですか。先輩らしい言い回しですね」


「アイザック、お前なー⋯」


「エリオットの奴、ひどくやつれましたね。余程ドロシー嬢の死が堪えたみたいだ」


何か言いたげなウォルター様を遮って、アイザック様は続けました。

ウォルター様もムッとしてみせたのは一瞬で、しんみり答えます。


「⋯まーな、⋯⋯愛する女性が死んだんだ。ああもなるだろ」


「なるほど?愛する女性が死んだらああなるのが当然だ、と」


どういうわけか、アイザック様はウォルター様に挑戦的な目を向けます。それをチラリと見て、面倒くさそうに頬杖をつくウォルター様。


「⋯乗らねーっつってんだろ。で?オスカーセンセイにも会ったんだろ、当然?」


「どうしてそう思いました?もしかして、()()()()んですか?」


なぜそんなに嬉しそうなお顔をなさっているのですか、アイザック様。

それはそうと、私、なぜか先程から寒いです。

なぜだか先程から、この場の温度がどんどん冷えてきているように感じるのです。

気のせいだと思いたいのですが、やはり、アイザック様のお膝から下りたせいでしょうか⋯


「毎日毎日そんな暇じゃねーよ。考えりゃわかることだ」


「わあ、聞きたいなあ!画期的な研究を次々成し遂げる第一線の先輩の考えなんて、なかなか拝聴できるものじゃありませんからねっ」


「ふん、本当に嫌味なやつだよお前は。…そんな状態のシャーロットを連れ出すなんて、気晴らしのデート以外に目的は1つしかねーだろ」


それを聞いたアイザック様は何を思ったのか、私(ロティの身体)の手を取り、握ります。

あ。温かい。


なぜだか寒くなっていたので嬉しいです。

思わずアイザック様のお顔を見ると、アイザック様もとても嬉しそう。

アイザック様は本当に本当にロティが大好きですね。


「ふふ。先輩に恋人を想う心の機微が分かるなんて!それでどうして婚約者も恋人もいないのか、不思議ですねえ」


「へーへー、そんで?センセイに会ってどーだった?」


「⋯⋯どう、とは?」


アイザック様が私(ロティの身体)の手をニギニギし始めました。

もしかしてアイザック様。先程、髪の毛で遊んでいたことと言い、⋯ちょっと、飽きてきていませんか?

早く帰ってロティとイチャイチャしたいとか考えてませんよね?

そんな事、私が乗り移っている間は許しませんよ。


「勿体ぶんなって、お前から見てシロかクロか聞ーてんの」


「ふふふ、やだなあ先輩、デート中にそんな物騒な話。僕の可愛いロティに聞かせないでくださいよ」


そう言って、耳を塞ぐように抱き寄せられます。

アイザック様、またウォルター様に怒られますよ。

ほらほら。ウォルター様のお顔が怖くなってきていますよ。


「じゃー。お前じゃなくて、彼女に直接聞くことにするよ」


そう言うやいなや、ウォルター様は私(ロティの身体)の手首を掴みました。

驚いてウォルター様の方を向くと、少し意地の悪い笑みを浮かべたウォルター様。


「なー、センセイのことどう思った?優しくて頼りになる?いいセンセイ?」


なぜでしょうか、そう言うウォルター様のお顔は少しお辛そうに見えます。

なぜだか分からないけど少し怖く感じてしまい、ただ頷くことしか出来ずにいると、また意地の悪い笑みを浮かべます。


「だったら、教えてやる。センセイのことは、もっと警戒した方がいーぜ」


何がなんだかよく分からず返答に困っていると、アイザック様が抱きしめる腕に少し力を込めてきました。


「先輩、ロティに触らないでください。あと見つめるのもダメです」


「おー怖ぇ怖ぇ。ま、俺に出来ることは何でも協力すっからさ。だから元気出せよ」


後のセリフは私(ロティの身体)に向かって言ってくださった様です。頭をポンポンされました。

そして、アイザック様に振り払われながらも私(ロティの身体)の顔をじっと見つめると、また、優しく笑って下さいました。


「あー⋯、でも。いつものお前より今日のお前の方が好ましい、と言ったら…。流石に不謹慎かな?」


⋯⋯⋯うーん?なるほど??

ウォルター様はしおらしい女性がお好みだと言うことでしょうか。

残念ながら魂となった私では、ウォルター様の婚約者候補を探してさしあげる事は難しいと思われます。

せめて、ロティの身体を借りている間にめぼしい令嬢をピックアップしてリストを作って差し上げましょう。


「先輩、ロティを狙わないんですよね?」


アイザック様が私(ロティの身体)を隠すように、抱きしめる腕に力を込めます。

温かいけど、やめて欲しいけど、話の流れ的に「やめて下さい」などと言うのは、多分よろしくない気が致します。

私はロティ(の身体)、私はロティ(の身体)⋯


「⋯⋯はぁー、めんどくせー」


そう言いながら薄く笑ったウォルター様は、突然、天を仰いだかと思えば、髪の毛をクシャクシャしたり、お顔を両手で覆ったり…


「あー⋯⋯、何なのこれ。本っ当、イライラするわー。⋯⋯どーせお前がやらせてんだろ、アイザック?」


そして忌々しそうにアイザック様を見て、言ったのです。


「シャーロットにドロシーを演じさせて、何を企んでる?」


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