33.打ち合いっ
主人公が唱えられるのは初級の風、水、土です。火魔法はできません。
「それじゃあ、今日の魔法の練習は私に当ててみろっ」
師匠は急にとち狂ってしまったのか?
山が人を変えたのか?
「大丈夫だっ。私も相殺する上、この服は対魔法用の強い服だっ。お前の魔法如きでは私に全く問題はないっ」
そういうのであれば、お言葉に甘えてっ。
風魔法を無詠唱で唱える。
師匠にかわされる。
……体術もありかよ。
「ちゃんと考えて、放つんだっ。そんな闇雲に放っても無駄だぞっ」
うーん。動きながら相手にタイミングを悟られないように、だな。
早速俺は間合いを詰めに行く。
水魔法を放つ。水球が師匠に向かっていく。
師匠も相殺する水魔法を放つ。
その隙に土魔法を唱え、土杭が師匠の後方から出る。
師匠は見ることもなく最小の動きでかわす。
その逸れた先に風魔法を置いておく。
師匠はそれを察知し、起こりを認識してから、退避する。
水魔法で師匠の退路を無理やり塞ぐと、師匠は風魔法をの方を相殺する風魔法を放つ。
あれ?風魔法って、軽い風の渦だが、左周りじゃなかったか?
いま、相殺はどうやった?
内側から起こしていたぞ。
異世界言語で少し強めの風を唱える。
師匠は単にかわしただけだ。
追い詰めないと相殺は使わないのか。
えーっと。土杭は相殺されていないから、土杭で退路を塞いで行くか。
土魔法を右にっ、後ろにっ、これで最後に異世界言語を威力を少し上げて唱える。
もちろん、上から水魔法を落とす。
水魔法は相殺しても、先ほど少し水飛沫が生じていたから。
師匠は、風魔法をやはり相殺した。
まあ、風魔法の相殺も気になるが、まず水魔法と土魔法の師匠の対処の仕方を考えよう。
土杭で師匠の四方を囲もうとするが、師匠は上手に立ち回り、囲ませてくれない。
仕方ない、二方を囲めた段階で真下から師匠を突き上げるように土杭を発生させる。
師匠は横に回避する。
それはそうだ。
だが、おそらく土魔法は師匠も相殺手段がないはずだ。これは確定と見ていいだろう。
ではお次は水魔法。
師匠の退路を土杭で二方向塞いだ後、水魔法で横と上を塞ぐ。
すると、師匠は横の方の水魔法を水魔法で相殺し、回避した。
おそらく、上の水魔法は相殺にリスクがあると判断しているのだろう。
ということは、今のところ師匠を抑えられる手段はこのようになるか。
・二方向は土杭
・上方は水、下方からは土杭
しかし、これだと必ず回避されてしまう。
残り一方を何かしらの方法で塞げないのか。
うーん。
あっ。俺がいるじゃないか。
そして、師匠は言っていたよな。私に魔法を当てればいい、と。
なら、方針は明確だっ。
早速、俺は自らの頭上にカタカナで水魔法をイメージし、小規模な水球で自分を濡らし切る。
「フハハハハッ。どうした、私を当てる訓練だぞっ」
「今から、当てに行きますよっ」
早速、距離を詰めながら、二方向に土杭を設置し終える。
そして、俺がかなり接近することで師匠の意識をこちらに警戒させて、かなり上方に水魔法をノールックで設置しておく。
そして、俺が到着するタイミングで、下から土杭を生じさせる。
よしっ、師匠が上に飛んで逃げようとした時に初めて上から水魔法が降っていることに気づいたっ。
そして、俺の方に向かってきた。
俺と師匠が触れるっ。
よしっ。
「ふう、今のはなかなか焦らやがったなっ」
「いえ、俺の勝ちです。師匠」
俺は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「師匠、俺が濡れているのは、何によるものですか?」
「あっ。あーーっ。水魔法じゃないかっ。しまったっ」
師匠が珍しく、悔しがっている。
ふははは。
俺の勝ちだ。
サラ姉٩( 'ω' )و「レイくん、初勝利!」




