32.鍛錬、再開っ
世界はすでに動き始めた。
訓練しているうちに、師匠が村に来て「明日から鍛錬だっ」といったから、休みは終わった。
別に休んでいたわけでもないが。
師匠が「明日っ、しっかりと私のところに来れたら、お土産をやろうっ」と言っていた。
いや、行くぐらい普通にできるし、と思いながら家を出発した。
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半分を歩いたが、特になんの変哲もない。
いつも通りの森だ。
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四分の三まで来た。
少し前方がなぜか霧に覆われていて、はっきりとしないが、師匠の家があるには変わりがないので、歩き続けた。
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……八分の七まで来た。
前方に不審なものがあった。
『山』である。
………山である。
なぜか、山がそこにあった。
小山や丘ではない。
断崖絶壁という感じの山だ。
横を見ても、どこまでも山肌が見えている。
森の生態系が途切れている。
どう考えても、以前にはなかったものだ。
…………。
登れとおっしゃるのですか、師匠。
◇◇◇◇
断崖絶壁を登ること数時間、ようやく、俺は師匠の家にたどり着いた。
「ちゃんと来れたなっ」
…………。
「お土産をやろうっ。折れにくい木剣だっ」
コロンッ。コロンッ。コロンッ。コロンッ。コロンッ。
大量にあった。
プチン。
少し、俺の中で何かが切れた。
その中の一本を拾うと、おもむろに師匠に切り掛かった。
「フハハハハッ。どうしたっ。全く私に届いていないぞっ」
師匠は華麗に交わし続けた。
「うおおおおおおおお」
その後、俺は全力で師匠を追いつめる気で切り掛かったが、師匠にはかすりもしなかった。
くそぉ〜。
あっ、でも、師匠が褒めてくれた。
少し嬉しい。
けど、師匠の仕打ちは許さない。
サラ姉(・∀・)「レイくんが幸せそうで何より」
簡単に注意(''◇'')ゞ
人に急に切り掛かってはいけないんだよっ。
良い子のみんなはしっかりとルールに則って、武道をやるんだよ。
簡単に補足(''◇'')ゞ
折れにくい木。
州都ガランケラ近郊に自生している木。
州全体に生えている種類の木だが、近郊の木だけ特に水気がなく、引き締まった年輪をしているため、折れにくい。
一部の人は折れにくいことを知っている(老紳士や師匠は知っていた)。
地元の人にはその木が折れにくいことは知られていない。




