22.一緒に修行
一緒の一は「ひとまとめにする、区別をなくす」という意味です。
サラ姉がいる間、一緒に修行をすることとなった。
もちろん、サラ姉は魔法が唱えられないので、俺が魔法を唱えている間は素振りをしていた。
サラ姉は俺と違い、型のようなものを反復練習していた。
すごく素早くキレがある動きだった。
サラ姉がこの村にいる時に、武器を振り回しているのを見たことがない。
一年の間であんなに動けるようになるのか?
ちなみに俺の素振りは全て木剣で、師匠からは「木剣が折れたら素振りができなくなるよなっ。10本ぐらい持っていっとけっ」と多めに渡された。
一度も折ったことはないが。
その時そんな感情が顔に出ていたのか、師匠が笑顔で「一応、見せといてやろうっ」と言って、俺の持っていた木剣を手に取り、片手で振ると、パンッという弾ける音とともに木剣が持ち手を残し、消え去っていた。
師匠は「だろっ」と笑顔で言っていたが、自分にはおそらくこの二ヶ月の間にはできないだろうと思いながら、一応10本を受け取っておいた。
そして、サラ姉は俺の渡されていた木剣より少し細めの剣を振っていた。
サラ姉曰く「太めの剣でもいいけれど、結局扱い易いのは細めの剣なんだよね」とのこと。
サラ姉に師匠が剣を消し去っていたことを話すと「学校でもそんな先生はいないと思うかなぁ」と苦笑いしていた。
また、一日の師匠から課されたノルマが終わるとサラ姉に方程式を教えていった。
二週間では一次方程式までしか教えられないと思ったがサラ姉がどんどん習得していくので、連立方程式や二次方程式についても教えることとなった。
俺もかなり昔にやったことであったので、しっかりと教える前に予習する必要があった。
でもその分かなり丁寧に教えられたと思う。
◇◇◇◇
sideサラ
レイくんすごい成長しているなぁ。
魔法ってあんなにバンバン打てるものなんだね。
詠唱しているところも見せてくれたけど、やっぱりかっこよかったな。
そして、走り込みのスピードは早かった。
私が走っているのに遅れずについてきていた。
少し前まで手を繋いで私の家まで送り迎えしていた頃が懐かしい。
そして、素振りだ。
数をこなすことを主眼に訓練が課されているようだけど、かなり重心が安定していて、剣に振り回されることなく動けていた。
学校の訓練では結構真剣に素振りを行なう人がいなくてしっかりと剣を振れている人は少なかった。
教官が口を酸っぱくして言っていたが、レイくんを見ているとそのことがはっきりとわかる。
そして、レイくんのノルマが終わると、レイくんは私に計算を教えてくれた。
私の時計のプレセントのお礼だそうだ。
文字を使ってわからない数字を置いてあげる。
意外と単純な考え方だが、なぜ便利なのか噛み砕いて説明してくれた。
一つに立式することで計算間違えを防ぐことができるということだそうだ。
確かに数字を割ったり掛けたり引いたりするのが四つほどになってくると、何を求めるためにどうすればいいのか少し分かりにくくなったりする。
その時に文字を使ってあげると、かなり簡単に答えが求められるようになる。
そしてもう一つに二つのわからないことについて答えが求められることだそうだ。
そんな学校でも教えてくれなかったことをわかりやすく説明してくれた。
でも、どうやってレイくんは知ったのかな?
まあ、レイくんは賢いから。きっと思いついたのだろう。
そうして、二週間を過ごしていくうちに私が村を出る前日となった。
◇◇◇◇
「ねえ、サラ姉。サラ姉明日また帰っちゃうんでしょ」
俺は素振りが終わり、少し休んでいる間に唐突に切り出した。
「そうだね。お姉ちゃんが恋しいの?」
近くにいた妹が俺を引っ張る。
おそらく早くおんぶ紐で結んで走り出せということだろう。
俺はおんぶ紐を持ってきて、妹を固定しながら続ける。
「そしたら、最後に一回だけ手合わせしてみたいんだ」
そう、どうやらサラ姉が世間一般の実力を持っているみたいなのだ。
師匠はちょっとおかしい気がしている。
だから一度だけでいいからサラ姉と手合わせをしてみたい。
「もちろんいいよ。レイくんの頼みだからね。でも、軽い組み手だけだよ。あと、変な癖がつくかもしれないから一度だけだよ」
「そしたら、今日の終わりにやろうよ!」
「もちろんだよ」
そうして、残りのノルマを終わらせるべく、走り込みを始めた。
ハイパー4歳児……
簡単に補足(''◇'')ゞ
一ヶ月の帰省は移動に一週間×2で村にいられるのは二週間です。
(久しぶりに本当に簡単な補足(^^))




