11.一休み(休みなどないっ)
ご存知かもしれませんが、漢字の「一」には「少し」と言う意味が含まれているのですよ。
だから、一休みは「ちょっと休む」と言う意味です。
一回休むって意味じゃないです。(筆者も小さい頃誤解していました)
「一」はかなり多義語なので、そこまで神経質にならない方がいいですがね……。
チクチクと腹を突かれているような感触がする。
すぐに目を覚まし、目を開けると、レイブン先輩が腹を突いていた。
ふと、師匠との組み手のことを思い出した。
アレは夢じゃないよな。
「レイブン先輩、俺、師匠の一撃を耐えていましたよね」
俺がそう問いかけると、レイブン先輩は器用に首をかしげ、ちょっと何を言っているのかわからいないといっているようだった。
そうして、思い出したかのように「かぁ〜」と一鳴きし、ドアの方をさした。
おそらく、つべこべ言わずに進めということだろう。
そうして俺が歩き始めると、レイブン先輩が俺の肩に乗った。
そう、最初の一カ月が経った頃からだろうか、レイブン先輩が俺の肩に乗るようになった。
最初の頃は、少しふらついてしまったが、だんだんと慣れ、今ではあまりブレることもなくなった。
レイブン先輩が誘導していき、ある部屋の前の来ると、この部屋を開けろというジェスチャをしてきた。
いまだにこの屋敷の全容は掴めていない。
まあ、言われた通り、ノックをして、扉を開けると、師匠が執務室的な感じのところにいた。
……師匠って、そう言う作業しているのか。
体育会系みたいな感じでそんなさぎょっ。
視点が急に変わる。
「おうっ。組み手の後から目が覚めたかっ。それでは話そうかっ」
いつのまにかふかふかの椅子に座らされていた。
師匠は笑顔で目の前にいた。
レイブン先輩はいつのまにかにいなくなっていた。
「それで、どうやって初撃を防いだか聞こうかっ」
師匠がそう言ったので、俺は始まる瞬間に瞼を閉じるタイミングで、師匠が攻撃を仕掛けていることに気づいたことを伝えた。
「それで、俺はそれに対処するために閉じた瞬間に師匠と俺との間に剣を置くように、剣を全力で振りました」
「なるほどっ、そうやって防いだのだなっ。まあ、大体の理解はあっている。だが、もう少し私の攻撃のタイミングを抽象化すると、先手をとるように攻撃を仕掛けている、だっ」
「といいますと?」
「お前の瞼を閉じるという隙が生じる瞬間は、瞼を閉じることで行動が一度止まっているから隙が生じているのだっ。そして、私は、先攻を取れるように、必ずその行動できない瞬間に攻撃していたのだっ。だからお前が見えるくらいで振っていてもお前が防げなかったのだっ」
「なるほど」
「そして、お前はその隙を埋めることで私と同じタイミングで行動できるようになったのだっ。だが、一人でそこまでしっかりと考えが至るのはすごいぞっ。さすが私の弟子だっ」
そう言って、師匠は褒めてくれた。
「そして、いま、世間ではなんと知っているか?」
農村では、特にやることもなく、少し狩りなどを行う時期であるが……。
「そう、長期休暇というらしい。私も少しバカンス(意味深)に行くのでしばらくこの屋敷のにいないのだっ。だから、しばらくは修行は休みだっ」
やったー。
「だが、自主練は怠るなよっ。『宝石亀は二日宝を食わぬと石亀になる』という諺があるくらいだからな。一日でも抜いたら実力は最初に戻るからなっ」
……。
「メニューは簡潔にしてやろうっ。優しいからなっ。一日あたりキリよく素振りは一万回、魔法は一千回。走り込みはお前の住む村の外回りを百周だっ」
なんか今より増えていないか?
「期間は大体ニカ月。それじゃ、明日から、頑張れっ」
それって休みじゃないですよね、師匠……。
あっ、はい。やります。(師匠の笑顔に屈する)
サラΣ(゜Д゜)「レイくん、休みになっていなくない?」
簡単に補足(''◇'')ゞ
本当に些細なニュアンスの違いですが、先行と先攻は違います。(気になれば調べてみてね)
そして8で出てきたのは先行です。レイ、惜しかったね。
異世界の諺
『宝石亀は二日宝を食わぬと石亀になる』
石亀
石亀は異世界で各地で見られる魔物の一種。ある学説では普通の魔物に分類されている。古代の状態と現在の状態は非常に似ているもので外皮には食した石の成分が反映され、一カ月に一回のペースで外皮は変わっていく。また、甲羅の部分には今までで食した一番硬い鉱石を溜め込む。昔、その性質から危険な地域(魔境)に放ち、鉱石を食べさせ、戻って来させる計画が立てられたが、溜め込んだ金属がそれ単体が天然で存在するよりもはるかに硬度が増しており、採取ができなかったことから計画は頓挫した。なお、硬度が増した理由は不明であったそうだ。
また、普通は討伐は行いづらいが、自らの食事を優先するため、基本的に人間に攻撃することはない。また、老衰した個体から取り出した甲羅を分解してみても、鉱物は見当たらなかった(強度も脆かった)。しかし、討伐した個体は甲羅を盾として使うことができる(百年ほどで石と同じ程度まで強度は落ちるそうだが)。故に、滅多なことがなければ討伐されない。(だが、一部地域では、生息が見られないそうだ。原因は不明)
諺自体は、神話の「ある石亀が、千年掛けて毎日宝石や鉱物を摂取することで、幻の金属・神鋼を体内に生み出すに至ったが、大頭領角兎と世界一周する勝負することとなり、二日だけ飲まず食わずで走り続けた結果、大頭領角兎には勝ったものの、鉱物を摂取しなかったため、神鋼を失ってしまった」と言うことによる。
意味は本来「勝負や決闘などの重要な局面であっても、決して日々の努力を怠ると今までの積み重ねが無に帰す」という意味であったが、転じて「何時も努力を怠ってはならない」という意味で使われる。




