12.読解③
地球と異世界には、共通点がたくさんあるが、異なる点もたくさんある。
異なる点の最たる例は魔法の有無だろう。
では、どうして魔法が生じるのだろうか?
「魔法初級大全」には、こう書かれている。
「この世界には『魔素』が大気中にあり、人間は体に存在する『魔穴』からその『魔素』を取り込み、魔法を行使しているのじゃ」
続いて、こうも書かれている。
「人間の『魔穴』は大抵は手のひら部分に集中していることが多いのじゃ。そしてその『魔穴』が大きければ大きいほどより強い魔法を行使することができる、のじゃ」
「じゃ」つけんのわすれかけてない?
「ゴホゴホ。……。それでじゃ。この本のこの部分を読んでいる諸君はこう心の中で思うはずじゃ。『どうやって魔穴の大きさを知ればいいの?教えて偉大な大賢者フリードリッヒ様』と。うん?そうじゃろう?そうじゃろう?」
なんか、本に書いているのに無性にイラつく。
「従来の方法では『魔穴測定器』という高額で、一つ買うのに国家予算の2年分相当ぐらいの装置が必要なのじゃが、この本を読んでる諸君はいくら金を持っているとはいえ、買えるわけがないじゃろう」
さぁ、サラ姉に相談だ!(現実逃避気味)
「待つのじゃ。はやまるでない。ちゃんと偉大なる大賢者フリードリヒ様は新しい測定方法を思いついたのじゃ。もちろん、諸君でも手が届く範囲の代物でできることじゃ」
なに?
「粉末状のミスリル銀を一つまみを用意するのじゃ。それを手のひらにおいて、あとは手のひらに向けて意識を向けるだけ。ミスリル銀は魔法金属で高濃度の魔素を内包しており、自然の中では温度が変化することはないのじゃが、大きい魔穴を持つものであれば、ほんのり暖かくなるのじゃ。もっとも、わしは適性がありすぎて、ミスリル銀が熱くなりすぎてやけどしかけたのじゃがな。なので諸君も水を用意して行うとよいのじゃ。この発見はわしが初めて(以下3ページに及ぶ自慢話)」
ミスリル、銀、だと?
◇◇◇◇
「母さん、ミスリル銀って家にある?」
「そんなものないわ」
◇◇◇◇
「村長さん、ミスリル銀ってこの村にありますか?」
「聞いたことすらないぞ」
◇◇◇◇
結論。ミスリル銀は、村にない。
う~ん。どうしたものか。
とりあえず「魔法初級大全」を読み進めた。
数ページ先に『魔素』に関するページを見つけた。
「先ほど述べた通り、大気中には『魔素』が存在しているのじゃが、この世界のほとんどのものに魔素が内包されている。じゃがミスリル銀などの魔法金属、魔物からとれる魔石には高濃度で含まれているのじゃ」
おおっ。ミスリル銀を我が家の魔石で代用できるのでは?
父さん、母さんに許可をとって、一つまみだけ魔石を削り取り、手のひらに乗せて、意識を向けた。
はああああああああああ。(意識を向けている)
まだまだ意識が足りないのか、熱を一切帯びているように感じない。再び意識を向ける。
はああああああああああ。(意識を向けている)
一向に変化が見られない……。
俺、魔穴、小さいのかなぁ。
簡単な解説(''◇'')ゞ
魔法金属→高濃度の『魔素』があり、『魔素』の状態は流動的(電子みたいなもん)。
魔石→『魔素』が結晶化したもの。『魔素』の状態は安定的(固体みたいなもん)。
偉大な大賢者フリードリッヒ様は魔法金属と魔石の状態の違いがしっかりと把握できていない。
『魔穴』でとりこめるのは流動的な魔素だけ。
つまり、レイの測定方法は失敗している。(レイは魔穴が小さいわけではない)
サラ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!「大賢者フリードリヒめぇ」
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