弱点
スライムに3回殺された。
ここまで『惜しい!』という負けもない。
この世界の人間、本当にこのスライムと共存してるの?
無茶無茶強いじゃんか!
何か、この単細胞生物が僕を小馬鹿にしてるような気がしてきた。
何かムカつく。
この軟体生物がよー。
・・・殴ったら無茶苦茶硬いけどよ・・・
おそらくスライムは近付かなきゃ僕を把握しない。
目もないし。
核は目っぽいけど、アレはどっちかと言ったら『脳』でしょ?
だから、ちょっと離れた所からションベンひっかけたれ!
それで倒せるとは思わないけどムカつきはきっと多少緩和される。
スライムよ、喰らえ!
ションベンビームだ!(アホ)
僕は柔道着を膝まで下ろし小便をした。
柔道着ってチャックついてないし、前開きじゃないから小便する時いつも少し面倒臭いんだよな。
小便、これは柔道家が出来る2つしかない遠距離攻撃の一つ。
もう一つは投石。
ちなみに投石の方が圧倒的に強い。
僕はスライムに自前の短いホースで放水攻撃を行う。
小便はいくらでも出る。
つーか腹へってるのに、水以外口に入れるもんがない。
膀胱のタンクは満タンだ。
ションベンビームを食らったスライムは謎にプルプルと震えた。
お?ダメージを与えたか?
いや、ここにきてスライムが初めて攻めてきた。
怒ったのか?
そりゃ怒るか、小便かけられたんだから。
どうやらスライムにも感情があるらしい。
そして、小便をひっかけられると怒る、と。
しかし、どうやって小便と判別したんだ?
雨も降るだろうし、沼や池や川や湿地にいくらでも水分はある。
小便の中にある成分がスライムを怒らせたに違いない。
それは何だろうか?
それこそがスライム討伐のヒントになる!
今回はキレ散らかしたスライムに襲われて、なす術なく身体の中の酸で溶かされた。
目覚めたら多目的トイレだ。
全身がスライムの体内の酸で溶かされるのは理解した。
柔道着が溶けてないのがありがたい。
だって溶けてたら素っ裸じゃん。
裸はヤダよ。
死ぬ前のセーブポイントに戻ってるんだろうか?
それも徐々にわかっていくんだろうね。
さて、スライムについて考えよう。
スライムは小便の中に入っている『何か』をイヤがった。
でもそれはスライムに目立ったダメージを与えられなかった。
何でか?
説①『嫌いなだけで身体に悪くはない』
これは「ピーマンみたいなもん」と解釈しよう。
「だって苦いもん」と。
小便て苦いのか?
知らんよ、飲んだ事ないもん。
説②『ばっちいじゃん』
人間だったらこの説は有力だろう。
でも僕を丸のみするスライムが、小便だけを不潔に感じるモノだろうか?
説③『ダメージを与えるほどじゃない。
スライムの苦手な成分は少しだけだ』
小便の中の成分て何だ?
アンモニア?
僕の身体を丸呑みにしようってヤツが?
それに小便てほとんど水なんじゃなかったっけ?
糖分?
誰が糖尿やねん!
糖分じゃなければ、塩分?
小便に含まれてる微量の塩分にスライムが反応した、と?
いや、有り得ない話じゃない!
原始的でヌメヌメした生き物は塩分を嫌う!




