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三倍段  作者: 海星
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9/40

弱点

 スライムに3回殺された。

 ここまで『惜しい!』という負けもない。

 この世界の人間、本当にこのスライムと共存してるの?

 無茶無茶強いじゃんか!


 何か、この単細胞生物が僕を小馬鹿にしてるような気がしてきた。

 何かムカつく。

 この軟体生物がよー。

 ・・・殴ったら無茶苦茶硬いけどよ・・・

 おそらくスライムは近付かなきゃ僕を把握しない。

 目もないし。

 核は目っぽいけど、アレはどっちかと言ったら『脳』でしょ?

 だから、ちょっと離れた所からションベンひっかけたれ!

 それで倒せるとは思わないけどムカつきはきっと多少緩和される。

 スライムよ、喰らえ!

 ションベンビームだ!(アホ)

 僕は柔道着を膝まで下ろし小便をした。

 柔道着ってチャックついてないし、前開きじゃないから小便する時いつも少し面倒臭いんだよな。

 小便、これは柔道家が出来る2つしかない遠距離攻撃の一つ。

 もう一つは投石。

 ちなみに投石の方が圧倒的に強い。

 僕はスライムに自前の短いホースで放水攻撃を行う。

 小便はいくらでも出る。

 つーか腹へってるのに、水以外口に入れるもんがない。

 膀胱のタンクは満タンだ。

 ションベンビームを食らったスライムは謎にプルプルと震えた。

 お?ダメージを与えたか?

 いや、ここにきてスライムが初めて攻めてきた。

 怒ったのか?

 そりゃ怒るか、小便かけられたんだから。

 どうやらスライムにも感情があるらしい。

 そして、小便をひっかけられると怒る、と。


 しかし、どうやって小便と判別したんだ?

 雨も降るだろうし、沼や池や川や湿地にいくらでも水分はある。


 小便の中にある成分がスライムを怒らせたに違いない。

 それは何だろうか?

 それこそがスライム討伐のヒントになる!

 今回はキレ散らかしたスライムに襲われて、なす術なく身体の中の酸で溶かされた。


 目覚めたら多目的トイレだ。

 全身がスライムの体内の酸で溶かされるのは理解した。

 柔道着が溶けてないのがありがたい。

 だって溶けてたら素っ裸じゃん。

 裸はヤダよ。

 死ぬ前のセーブポイントに戻ってるんだろうか?

 それも徐々にわかっていくんだろうね。


 さて、スライムについて考えよう。

 スライムは小便の中に入っている『何か』をイヤがった。

 でもそれはスライムに目立ったダメージを与えられなかった。

 何でか?

 説①『嫌いなだけで身体に悪くはない』

 これは「ピーマンみたいなもん」と解釈しよう。

 「だって苦いもん」と。

 小便て苦いのか?

 知らんよ、飲んだ事ないもん。


 説②『ばっちいじゃん』

 人間だったらこの説は有力だろう。

 でも僕を丸のみするスライムが、小便だけを不潔に感じるモノだろうか?


 説③『ダメージを与えるほどじゃない。

 スライムの苦手な成分は少しだけだ』

 小便の中の成分て何だ?

 アンモニア?

 僕の身体を丸呑みにしようってヤツが?

 それに小便てほとんど水なんじゃなかったっけ?

 糖分?

 誰が糖尿やねん!

 糖分じゃなければ、塩分?

 小便に含まれてる微量の塩分にスライムが反応した、と?

 いや、有り得ない話じゃない!

 原始的でヌメヌメした生き物は塩分を嫌う!

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