松明
もう3回スライムに負けている。
遠い間合いじゃ何にも出来ない。
近い間合いじゃ取り込まれて負ける。
でも女神は「相性悪いから」と理由じゃ対戦相手のチェンジに応じてくれないらしい。
今回もスライムがいる湿地に到着する。
女神にもらった『ブラックライト』をつける。
すると、スライムが幻想的に光を放つ。
『ではスライムとの闘い方を考えて下さい』
実はブラックライトをあてると暗闇で光るんじゃなかろうか?
『何故そう思うんですか?』
いや、なんとなく。
あの手のグロテスクな生き物ってブラックライトで光るってあるあるじゃない?
『で、光らせてどうするつもりですか?
どうやって勝つつもりですか?』
どうするつもりなんだろね?
『何で私が貴方に「ブラックライト発生装置」を渡せるんでしょうか?、と考えていました。
渡しても何にも影響ないから渡せるんですね?
不干渉が女神の原則ですし』
女神が『ブラックライト発生装置』持ってたのが意外だった。
アンタもしかしてロマンチスト?
部屋の天井に手作りプラネタリウムとか書いちゃうタイプ?
やめといた方が良いと思うよ。
部屋に落書きすると引っ越しする時に取られる敷金・礼金とかエグいから。
『天界で引っ越し時、不動産屋で部屋探しするシステムもありません。
とにかく、ブラックライト発生装置は差し上げます。
スライム退治には役に立たないでしょうが、部屋のインテリア向上に役立つかも知れません』
部屋って言っても、トイレだけどね。
・・・という訳で幻想的に光るスライムに取り込まれて溶かされた。
スライムは振動を加えると、七色にブラックライトの光が変色する。
とってもファンタジーだ。
だが、あらゆる攻撃が効かない。
ファンタジーに無敵だ。
僕だって何回も負けて、何の策もなかった訳じゃない。
「火に弱いかも知れない。
そうだ!カセットコンロを使おう!」
と、スライムの前でカセットコンロを着火した。
でも知ってるか?
カセットコンロの火の射程って無茶苦茶短いんだ。
スライムは怪しいカセットコンロのそばには近付いてこない。
これじゃ、スライムが火が苦手かどうかさえわからない。
松明の先に火をつけて、カセットコンロで着火したら?
そんな事も考え付かないと思った?
心外だな!
松明が武器扱いで、僕が扱えないとは思わなかった・・・。




