セキセイインコ
ガキの頃から正喜の股間の大きさは噂になっていた。
「おい、太一。
正喜のアソコの大きさはなんだよ!?」
僕はしょっちゅう聞かれた。
そんなモン知るか、と言う話だ。
大体僕は『正喜のアソコ担当報道官』じゃない。
正喜のアソコに対して、毎度どんなコメントを出せば良いのか?
『遺憾の意』を示せば良いのか?
だから僕は『正喜の股間』についてコメントを求められた時、ちょっと出鱈目に答えていた。
「正喜は股間でセキセイインコを飼っている」
勿論、嘘だ。
考えるまでもなくほとんどの人は「どうやってだよ?」と気付く。
しかし悲しいかな10人に1人くらい、信じるヤツがいる。
しかもそんなヤツに限って口が軽い。
『正喜は股間でセキセイインコを飼っている』このデマはクラスの女子全員が知る事となった。
小学生は異性に関する知識が皆無だ。
女子小学生は『男の子の股間には小鳥の飼育スペースがある』と思ったのかも知れない。
そして天性のモテ男子、正喜は女の子から「わ、私の家でもセキセイインコ飼ってるんだ」と見知らぬ女の子の逆ナンの切っ掛けを言われがちだった。
「何で俺、セキセイインコ飼ってる事になってるんだろ?
俺んち、猫飼ってるから小鳥なんか飼えないのに・・・」と首をかしげながら正喜は言った。
「そんなん僕が知るかよ」
僕は内心舌打ちをしながら『モテ自慢ウゼー』と正喜を呪っていた。
その頃、正喜の股間のセキセイインコは『ルリコンゴウインコ』ぐらいの大きさになっていた。
しかしそれは『僕が男だった場合』の話だ。
僕が女体化したこの日本じゃミニマムサイズかも知れない。
「おい、正喜、ズボンとパンツ脱いでこっちを向け」
男だった時でもそんな事言えない。
しかし、かつての度重なる屈辱が僕に『勇気』をあたえた。




