ウェイトレス
「へい、生一丁!」と僕。
「普通に言いなさい。『お待たせしました。生グレープフルーツジュース一つですね?』でしょ?」と山下さん。
言ってくれるな。
照れ隠しだってば。
女体化したばっかりで、こんなヒラヒラした格好なんて恥ずかしいんだよ。
慣れなきゃいけないのはわかってるんだよ?
金稼がないと異世界で必要な食料だって買えないし。
お、時間だ。
何だかんだと面倒臭い客も来たが、ちょっと話したら逆に仲良くなれた。
最初から意地悪しようとしてるヤツは僕の方から蹴り出した。
〜山下視点〜
『何をするにも勘が良い』
それが彼女のライチに対する感想だった。
こういうヒラヒラした格好の女の子は『男』にも『女』にも一定数敵が出来やすい。
だが、彼女にはそういった面倒臭い人種の人間に「やべーコイツと関わるのやめとこう!」と思わせる何かがあった。
そう、トラブルの方から逃げていく、のだ。
国の法律で夜の22時までしか高校生はアルバイト出来ない。
したいと言ってもそう決まっている。
だから多少は残業代が欲しくても僕は21時半には職場を後にしなくてはならない。
だから僕は『バイト代の前借り』として5000円をもらった。
しかしもらった茶封筒の中には千円札が四枚しか入っていない。
「ストッキング一足、こちらで準備したから。
それに千円かかってるのよ」と山下さん。
ストッキングは妹に借りて、準備出来たはず。
何で店でも準備してるんだよ!?
「準備出来るかどうかわからない」て電話で言ってたら「こりゃ店でも準備しなきゃいけないな」て、店でもストッキングの準備するのは当然だろう。
「無きゃ無しで良い」という話にはならないのだから。
結果として僕はストッキングを妹から調達できた。
・・・でもしょうがなくない?
ファミレスのバイト面接と、闇バイトのバイト面接がゴチャゴチャになってたんだから。
先ずファミレスで『バイト募集』の張り紙を見てファミレスに突撃するじゃん?
「すいません!『バイト募集』の話を聞いて応募に来たんですけど!」とファミレスの入り口近くで勝手に『闇バイト募集』してたのが『桜木』だった。
僕は半グレの話をここで聞いたんだよね。
ここでゴチャゴチャになっちゃったんだよね。
『バイト募集』の話がブッキングした、っていうの?
で、ファミレスから出た時点で、僕はいつの間にか『闇バイト面接合格』『ファミレスバイト面接合格』と2つの『面接合格』をしてたんだよね。
でも話がゴチャゴチャで意味がわからない。
「ここに来てくれ」って集合場所も全然違うし。
だったら『ストッキングを準備してくれ』て面倒臭い事を言ってる方を取り敢えず無視しよう、と。
で『闇バイト』の集合場所のマンションに行ってしまった。
よくもまー、不正解ばっかりできるもんだ。




