ポジティブシンキング
女子更衣室に連れていかれる。
僕から入った訳じゃないからね!
嶺花様は既に着替えている。
ちくしょう、着替えを見れるチャンスだったのに!
・・・ってそういう話じゃない。
つーかここには僕の着替えがないんだよ。
早くおもらし付きの柔道着を脱ぎたいのに。
ここまでは制服で来ているからバッグは武道館にある。
ただ男子の更衣部屋にある。
女子と比べて男子は倍以上の人数なんで、男子は更衣室は使っていても足りない。
だから、部屋全体を『更衣室扱い』にしている『更衣部屋』がある。
そこでも男子の更衣部屋は無茶苦茶混み合う。
だから「ここは自分等の高校の荷物を置く場所だ」なんて主張してくるヤツがいてトラブルになりがちなのだ。
朝、強豪校の一年生とトラブルになったのはそういう事だ。
それはともかく、女子柔道部員は男子部員と比べたら本当に少ないんで、武道館の女子更衣室を普通に使えている。
ちょっとうらやましい。
・・・が、そんな事考えてもしょうがない。
だって女子更衣室に僕の着替えはないんだから。
「ホラ、ライチも早く着替えなさい。
じゃないと正喜くんが先に着替えて帰っちゃう!」と嶺花様。
あれー?イメージ違うなー?
僕が思う『高梁嶺花像』はお嬢様って感じで、こんな「恋に恋する女の子」って感じじゃない。
わかった事は一つ。
嶺花様も正喜にキャーキャー言ってる女の子達とかわらない。
いや、そのものだ。
でもその事で誰に文句を言われる筋合いはない。
だって運動も勉強も高校でダントツのトップだ。
母親が外交官だというし、子供の頃から語学堪能らしい。
好きな男の子が出来て誰に何を文句を言わせるモノか。
そうだ、嶺花様が僕の親友を好きになったから、何だという話だ。
「それより早く着替えなさい!」と嶺花様。
僕は嶺花様から一般的なスクールバッグを投げ付けられた。
スクールバッグに『男用』も『女用』もない。
僕も持っている。
というか、このスクールバッグが僕のスクールバッグだ。
何でコレが女子更衣室にあるんだろう?
どこにあるかわからないよりは状況的に悪くない。
取り敢えずバッグを開ける。
バッグの中には着替えが入っている。
シャツとブラウスが入っている。
シャツを羽織る。
別にこの暑さだったらシャツは無しでも良かった。
でも嶺花様は僕が『シャツなし、ブラなし』な事を激しく咎めた。
「ありえない」と。
ブラなしなのはしょうがない。
ないものはないのだ。
しょうがなしにシャツを羽織る。
自分が「女になった」とまだ半分ぐらい認められてない。
しかし女神も言っていた。
『女神の眷族は女性だと』
僕は毒にうなされていた時、確かに「女神の眷族になります」と言ってしまった気がする。
女性になった時の矛盾はどうなるんだろうか?
そう思っていた。
『元々女性だった』
どうやらそういう認識になるらしい。
元々僕は女子柔道部に入ってたことになってて、嶺花様は部活の同級生。
いきなり女性になったんだ。
いきなり男性に戻る事もあるかも知れない。
というか、そうであることを信じよう。
ブラウスの上にジャージを羽織る。
下半身は・・・スカートだ。
おいこらふざけんな!
でも着替えは他にはない。
①スカート
➁柔道着(お漏らしつき)
③パンツ(男性モノ、ボクサーパンツ)
➃裸
さて、どれを選ぶか。




