武神
3匹のスライムを倒した。
レベルが上がったはずなのに、いつもの『レベルが上がった!』て声が聞こえてこない。
そして変化がもう一つ。
いつの間にか僕の後ろにストーカーがいる。
「んで、誰ねーちゃん?
痴女?」
何か僕の後に薄着の姉ちゃんがついて来る。
『人聞きが悪い!
私はずっとここにいました!
貴方とだって何回も話してます!』
「もしかして、薄着の姉ちゃん、自称女神?」
『自称じゃなくても女神です!
私は言いましたよね?
「レベルが上がれば貴方は私の姿を見る事が出来る」と。
貴方はレベル24になり、レベル20を越えました。
ですので貴方は「第三種神格者」、つまり私を視認する事が出来ます』
「スライム数匹倒したぐらいで神が見えるようになって良いの?」
『貴方は経験値を3倍獲得出来ます。
普通の異世界の者が3匹スライムを倒したとて、神を見る事は出来ないでしょう。
それにレベルが上がった時に見る事が出来る神は"自分の担当の神"です。
私が貴方の"担当の神"だったから、貴方は偶然、私を見る事が出来たのです。
誰にも担当の神はついていません。
ついている事の方が珍しいのです』
「僕は『神はそこにいる』とか口走る痛い子になっちゃった訳ね。
で、これから女神はついて来るの?」
『いえ、これからは時々現れたり、時々遠くから頭の中に話しかけたりします。
私もそこまで暇じゃありません。
普段はどこかへ行っているんで、貴方のプライベートを侵害する事は滅多にありません』
「『滅多に』ってことは『たまに』侵害するんだね?」
『たまに口を挟ませてもらいます。
お節介かも知れませんが、ここまでだって邪魔一辺倒だった訳じゃないでしょう?』
「良く言うよ。
『基本不干渉』とか言ってほとんど役立たずなクセに!
・・・それより『担当の神』って何だよ?」
『神にも種類はいます。
「剣神」もいれば「槍神」もいれば「弓神」もいます。
そもそも「神」は「武神」ばかりではありません。
貴方は日本で「挙手空拳」の武術をやっていた。
だから、貴方を「挙手空拳」の神が担当する事となったのです』
「なるほど」
『しかし、柔道は他の世界では珍しい武術。
「挙手空拳」の「武神」などはほとんどいない。
だから、私、『美の女神』『豊穣の女神』『平和の女神』が貴方の担当に、緊急でなった、という話です』
「ちょっと待て!」




