5. 試し合い
こんばんは!
宜しくお願いします(o_ _)o))
二足歩行の豚魔物ことオークはかなり大きな体格であり、背丈も成人男性の平均以上ある迅より大分高い。
片手にはその辺りに自生している大木を無骨に削り出したであろう人の子供サイズとも言える程大きな棍棒を肩に担ぎ、その体躯に似合わない小さな目でコボルトを睨んでいる。
「コォラ犬っころ! 平人族やらを見つけたらすぐに言えっつったよな! 何してやがる! 仲良くしやがって何だ、俺達オーク様を裏切るつもりか? あぁ!?」
「ヒィッ! ち、違うッスよ旦那! 裏切るなんてとんでもないッス!! ただ、この人達が急に話し掛けてきて…」
「ブァァアッカ野郎! 平人族のヒョロガリが、俺達と話せるワケが無ぇッだろうがあああ!!」
「チビ助が話せるっつってんだろ、デカブツ。 信用する事すら出来ねぇヘチマ頭の中にゃ、頭の大きさに反比例した小せぇ味噌が詰まってんのか?」
コボルトを叱責する様に大声で捲し立てるオークに対し、迅は普段通りの悪態を吐く。
その普段通りの悪態を聞いたリィナが目眩を覚えフラつくと、それを慣れた様子でバレットが支える。
「テメェ、このクソ平人族がぁっ! このオーク様に舐めた態度取った事を、後悔させてやんぞ!!」
オークはそう叫び、大きな棍棒を大きく振りかぶる。
迅はその様子を見遣ると、空手の上段構えに体制を整える。
が、その目の前に一人の影が滑り込んでくる。
「ご主人サァ、次はアタシにさせておくれよ! ヴェルティばっかズルいじゃないかよ!」
む、と迅は溢すが、ジャンヌの目が爛々と輝いている様であり、大人しく任せる事にした。
単純に止めると面倒な事にしかならない悪寒がした為引いたとは、誰にも言えない事実である。
「何か知んないけど、アンタ達の言葉が理解出来る様になったからさ、デカブツ。
取り敢えずかかってきな。 アタシのご主人に舐めた事言った後悔、魂にまで刻んでやるよ!」
ジャンヌの言葉に目の前のオークは更に激昂する。
小刻みに震え始めると脳天から湯気が上がり始めるまでに怒り心頭といった様子で、迅は思わずおぉ、などと感心した素振りで言葉を漏らす。
「こぉのクソメスが! 何者かは知らんが、このクソ平人族に肩入れした事を後悔させてやるぞォォォ!!」
オークはそう叫んで一気に間合いを詰めてくる。
その巨体に似合わない素早さで一気にジャンヌに近付いた時には、自慢の棍棒は振り下ろし始めていた。
「オークのクセに、中々やるじゃないか! アタシが見てきたオークの中じゃ、お前が一等だ!」
そう言って目の前のオークを褒めたジャンヌは、頭上数10センチの所まで振り下ろされた棍棒を剛拳一撃で文字通り粉砕する。
オークは唖然とするも、その隙だらけの身体にジャンヌの右拳がヒットし、5メートル程吹き飛ばされた。
「ッガアァァァ! な、何だクソッ!!」
と、オークは毒付くも、着陸した次の瞬間には左頬にジャンヌの回し蹴りがめり込み、更に数メートル吹っ飛ばされた。
土と砂埃に塗れたオークは、よろめきながらも何とか身体を起こす。
周囲を見回しジャンヌを探すが、背後から
「イイ感じのタフネスだな。」
と、声が聞こえた。
オークは溜息を吐くと、諦めた素振りで
「いや、俺様の負けだ。 殺せ。」
と言うと、胡座をかいて座り、頭を下げて首元を露わにした。
「その潔さ良し。 だが、判断は間違ってるな。 そう簡単に命を捨てるモンじゃねぇよ。 例え戦士の恥と感じても、生きてさえいりゃ挽回の機会はある。」
迅がそう言うと、ジャンヌはふぅと一息吐いて下がった。
と同時に目の前のオークが頭を上げ、迅に視線を遣る。
「一応聞きたいんだが、アンタもしかして、あの姐さんよりも強いのか?」
オークの迅に向けた質問にジャンヌが「当たり前だ」と答え、オークは迅に頭を下げた。
「舐めた態度を取っちまって、どうもすいやせんでした。 この犬っころの分も纏めて俺が責任とりやすんで、せめてこのバカチビだけでも命を助けてやってくんなせぇ。」
「ハッハ、イイ親分じゃねぇか。 そんな面倒な話はやめようぜ。 此方としても手打ちで終わるに越した事ぁ無ぇしな。 さてと、幾つか聞きてぇ事があんだが、構わんか?」
「勿論です。 オイ、チビ! お前も兄貴に頭下げろ!」
「…兄貴、だと?」
御覧頂き、ありがとう御座いました!
これにて、平成最後の投稿になります。
令和になりましても、宜しくお願いします(o_ _)o))




