3. はじめての
こんにちは!
よろしくお願いします!
「…サナダ君、コボルトとオークの調査依頼は戻してきてくれないかしら?」
「何だよ、藪から棒に。 何か問題あんのかよ?」
朝一番の受付は、偶然にも昨日受け付けてくれたサラであり、彼女の口から出た呆れ混じりの言葉に、迅は口を尖らせて返す。
「ハァ…。 貴方達のパーティクラスが『おかしい』って事に気付いてる?」
「おかしいかどうかは知らんけどよ、まぁ納得いかねぇクラスではあるな。」
「そういう事よ。 コボルトとオークの依頼に関しては、貴方達のパーティでやるレベルじゃないの。 判ってくれるかしら?」
「そうは言うがよ、サラのネエちゃん。 俺達ゃリーダー以外は全くのド素人だぞ? そりゃ初心者がやる様な依頼から始めてぇじゃねぇか?」
迅の言葉にサラは腕を組み俯くと、悩んだ様な仕草を見せる。
確かに迅の言う通り、『楽団』パーティは所謂ド素人集団である。
だがそれはあくまで冒険者という括りでの話であり、一戦闘員という視点で見た時には当て嵌まるモノではない。
サラは少々の逡巡の後に、迅に向き直って答える。
「やっぱりダメよ。 話としては筋は通ってるけど、貴方達の実力では認めるワケにはいかないわ。 ただ…」
「ただ、何でぇ?」
「…道中の障害になるモノに関してまでは、ギルドの方でどうこう出来ないわ。 運が良ければ…本来なら悪ければ、なんだけど、コボルトの群れやオークの群れに遭えるかもね。」
「成る程な。 よーく判ったぜ。 よしリーダー、早く行こうぜ!」
そう言って迅はリィナに向き直ると、まるで子供の様にはしゃいだ様子で声を掛ける。
リィナは大きく溜息を吐いて額に手を遣り、
「判りましたから、はしゃいだり『リーダー』って呼んだりしないで下さいよぅ…。」
と言うのが限界であった。
ーーーーー
街の北側より出て歩く事30分弱、『吸魔の森』とは別の森に到着した。
あの森と違い、思ったより日の光が森の中に差し込んでおり、進むのには然程苦労はしない。
森を行くのは得意だと言う事で、森に入ってからは先頭はリィナとヴェルティが進み、殿はバレットが買って出てくれた。
そんな訳で現在2.2.1のフォーメーションにて森を進んでいる。
バレットやヴェルティの気配察知能力やリィナの魔法に任せて進む事、約一時間程度で前方30メートル程度の視認距離に開けた場所が見えてきた。
「少し休憩するか。 御天道様を見る限りじゃイイ時間にもなってるっぽいし、メシにしようや。」
広場に着いて早々に迅はそう言うと、次元鞄から大きな麻袋を取り出す。
口紐を緩め中に手を突っ込み、シートやら座布団を出し始める。
それを受け取ったヴェルティが素早くセッティングをする。
更に迅は次元鞄に手を突っ込み大きな包みを出すと、今度はジャンヌが受け取る。
包んでいる風呂敷状の大きな布を解き、五段もの重箱を置くと、各人が座る場所に配膳して回った。
「よし、あんがとな。 んじゃ食べるとするかねぇ。」
いただきますの号令の後、女将の弁当に皆が皆舌鼓を打つ。
迅も味に感心しつつ黙々と食べるが、何より『いただきます』の文化があった事に感謝をする。
迅は狩人として生活していた側面もあり、『命を頂く』事には特に過敏な面があったりする。
他者の命を頂き、自身の糧にし、未来に繋がる連鎖を重んじている。
異文化が蔓延って当然の異世界にて、自身の生まれ育った世界と似た文化が多い事は、迅にとって嬉しい事実であったりした。
美味しい弁当に満足し、迅はシートに横たわる。
空は自分の居た世界と変わらず青く、白く柔らかそうな綿雲も浮かんでいる。
本当に異世界なのか?という疑問を持ってそのまま右に首を回すと、一生懸命弁当を頬張っているトンガリ耳のエルフことリィナと、その光景を微笑ましそうに見守る頭に黒豹の耳を乗せた人化中の魔獣ことバレットが居る。
「あー、何処の世界も、空は綺麗なモンだなぁ。 このまま寝ちまうかねぇ…。」
「構いませんよ、御主人様。 ただ一点、伺いたい事が御座います。」
ヴェルティの許可が下りてしまい本当に眠くなってきた迅だが、何やら聞きたい事があるとの事で身体を起こす。
「あー…っと。 スマンスマン。 んで、何だよ聞きてぇ事ってなぁ?」
身体を座ったままグッと伸ばし、ヴェルティに問いかける。
「はい。 あの木の裏手にて先程から此方を伺っているコボルトですが、殲滅しておいた方が宜しいかどうかという事なのですが。」
コボルトがあらわれた!
御覧頂き、ありがとう御座いました!
活動報告にも書きましたが、20,000PV突破です!
皆様のおかげで此処まできました!
本当に感謝感謝です(o_ _)o))
あらためて、ありがとう御座いました!




