30. 面接-3
こんにちは!
宜しくお願いします!
短気は損気という言葉があるが、主人公こと真田迅は損をした記憶が無い。
自分が短気を起こす前に周囲が先に突っ走って損をしてくれたり、真っ先に短気が原因で飛び出してもそれなりに上手く事を運んだりしてきた。
所謂『要領が良い』のである。
要領の良さというのは人生経験もさる事ながら、先天的なモノも大いにある。
迅は両者である為、運もあるだろうが短気で損をした経験がほぼ無かった。
その為今回短気が原因で槍一本持って女性との一騎打ち(仮)にて飛び出してはいる物の、マイナス要因を一切考えていない。
それは時に良くもあるが、時に悪くも出る。
「ハッ! 威勢だけは一丁前だね! 返り討ちにしてやるよ!!」
「ほざけ、このアマ! 返り討ちに出来るモンなら…」
ジャンヌの挑発に迅は更に力を入れる。
右手で持ったハルバードを思い切り振りかぶり、割とな跳躍力で飛び掛かり一撃を放つ。
「やってみろコラァッ!!」
大声で怒声を上げ、斧刃を振り下ろす。
その時違和感に気付く。
気付いた瞬間、ハルバードから手を放し中空にて前方に動きながら浮いている自身を運動神経と体幹でもって無理矢理捻る。
捻り切ったかどうか、というタイミングでハルバードが豆腐の様に断ち切られ、自身の身体があった空間に大きな刃が走った。
「なっ…、マジ!?」
ジャンヌはあまりの出来事に驚くが、内心もっと驚いているのは迅である。
完全に虚を突かれた格好であり、頭に血が昇り過ぎていた事を自覚する。
「ちっと仕切り直すか…。 ガキじゃあるめぇし、カリカリと短気を起こしても仕方無ぇしな。」
ボソリと呟くと、真っ青な顔をしたサントスに向き直った。
「社長、鉄製の矢は無ぇか? このネェちゃんを黙らせるにゃ、俺も持ってる武器でやらにゃ厳しいわ。」
「鉄製の矢、で御座いますか? 当店には不良在庫として相当数ありますが…、普通の弓ですとまともに飛ばないかと…。」
サントスは心配して、そう申し出る。
やはり何処までいっても、この男は生真面目である。
「あぁ、俺の弓ぁ普通じゃ無ぇんだ。 ちょっと長めの鉄矢があるなら、30本程持ってきてくれや。」
「畏まりました。 暫しお待ち下さいませ。」
そう告げると、サントスは建屋に走っていく。
相手であるジャンヌも訝しげに迅を見やると、徐に質問する。
「なぁ。 もしかして、アタシと接近戦で弓矢使う気かい?」
「あぁ。 どっちかっつーと、弓が本職の前衛職だからな多分。」
「舐めてるワケじゃ…、無さそうだね。 イイじゃないか! これで最後にしてやるよ!」
「そうだな。 コレで最期にして、さっさと次の用事に移るとしようじゃあねぇか。」
そう宣言し、虚空の裂け目から飛び出してきた相棒の片翼を引き出した。
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