11. 一日の始まりは
こんにちは!
今回も宜しくお願いします!
「ふぅ…。 悪いな、待たせたか。 っつーか、二度寝しろよ。 眠いだろ?」
「…マダ寝テロト言ワレタガ、一度起キタラ二度寝デハ眠レン。」
「そうか。 二度寝は気持ちいいのに勿体無ぇな。 まぁ起きたんならアレだ。 お前も少し身体動かせよ。」
そう言うと迅は漸く白み出した空へ向けて腕を伸ばし、うーっと唸りながら背伸びする。
「フム…。 朝ハ大体ダラダラシテカラ動クノガ普段ナノダガ、コウイウ生活習慣ニモ慣レネバナランカ。」
頭領豹はそう言うとグーッと一伸びし、音もなく一っ跳びで木の上に乗る。
「…朝食ヲ獲ッテクル。 小娘ノトコデ良イナ?」
「あぁ、頼むわ。 俺ぁもう少し身体動かしてからリィナを起こしに行くとするよ。」
そう言葉を交わして頭領豹を見送った。
ウォーミングアップとも言うべき太極拳を終え少し時間が経ってはいるが、まだまだ身体を動かしておきたい。
そう考えた迅は先程と違う構えを見せる。
「ジジイになってからは全くやってなかったからなぁ…。 まぁまだまだ暖気運転状態の身体だしな、少しづつ慣れてくか。」
そう独り言を呟くと、空手・少林寺拳法・柔術といった動きの型を次々とこなしていく。
一時間程身体を動かし、一息吐く。
「若造時代って、こんなに動けたっけか? 何かアップグレードされてる気がすんな。」
記憶を辿ろうとも60年以上昔の話である。
身体の記憶ともなれば、勿論出てはこない。
「この身体なら昔通りでいいだろ。 無茶苦茶久方ぶりだが、八極も一手打っとくか。」
そう呟き、大きめのスタンスを取ると腰を低く落とす。
目を閉じて深呼吸を何度も繰り返す。
暫くそのままで動かなかったが、次の瞬間にカッと眼を開き拳を数センチ程度突き出した。
直後、迅が踏み締めていた地面にクレーターが出来る程の衝撃が走り、それと共に轟音が森を突き抜ける。
夜明け直ぐの森には刺激的だったか、鳥達が一斉に飛び立って行った。
「ふむ…。 ほぼ昔通りだな。 まぁ、こんなトコか。 腹減ったし、身体拭いてリィナんトコに戻るか。」
そう言って傍らの川へ入り、予め脱いでいたシャツをタオル代わりにして身体を拭く。
鼻歌混じりに身体を拭いていると、真っ青な顔をしたリィナが、真っ黒な豹を二頭連れて茂みから飛び出してきた。
「じ、ジン!? さっきの音は何!? 貴方は大丈夫なの!? その地面はどうしたのよ! 昨日の奴等の仲間が来たの!? って、何で服脱いで朝から川に入ってるんですか!?」
「おい、落ち着けリィナ。 朝顔を合わせたら挨拶する習慣は無ぇのか?」
「あ…、えっと…、おはよう?」
「おぅ、おはようさん。 今日もいい天気で絶好の冒険日和だな。 頭領が朝メシ獲りに行ってくれてるから、顔や歯でも洗って待ってろや。」
「あ、はい、そうしますね。 …じゃなくって! 何があったんですか!!」
「何怒ってんだよ。 そんなに顔をしかめてっと折角の別嬪さんが台無しだぞ?」
「ちょっ、な、何言ってるんで…」
「まぁいいや。 何か聞きてぇ事があったんだよな。 何だっけか?」
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」
声にならない抗議をするも、ジンには全く悪気も無い。
リィナに出来る事と言えば、一言毒付く事くらいであった。
「この、朴念仁!!」
御覧頂き、ありがとう御座いました(o_ _)o))




