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Life is Reloded  作者: MC.Ht
第一章 『基盤固編』
19/77

6. 無神経

こんにちは!

前回短めでしたので、今回長めです!

宜しくお願いします(o_ _)o))

  異世界とは本当に凄い世界であった。

  魔法が使え、色んな種族が存在し、稀にモノに意思が宿る事があるらしい。

  迅の世界では『九十九神』と呼ばれ、大事にされたモノ達に魂が宿り神格化するという、言わば言い伝えみたいな物であった。

  だが今迅が居る世界は先述の異世界である。

  モノに意思が宿る事もあるし、その意思で動きもする事さえある。

  そう、理解をしようと努めていた。

  リィナは既に目を白黒させて、事態の把握という努力を投げ捨てている様子である。

  単純に理解と現実が追い付いてないのであろうが。

  迅は驚きながらも地面に突き刺さった相棒を引き抜き、感銘に打ち拉がれていた。


「俺の恥を掻き消してくれるとは…、本当に出来た相棒だぜ。」


  その言葉にブリューナクも少し震えて応えた気がする。

  だが、この神槍ならあり得ない事では無い。

  そう思い、元の相棒同様に愛着が湧き始める。

  そうこうしている内にリィナが現実に戻ってきた。


「じ、ジン!? その槍?は何ですか!? 召喚式とか、そういった類の術ですよね!?」


  まぁそういう質問をしたくなるだろうなぁ、と迅は目を閉じてうんうんと頷く。

  その様子を肯定と受け止めていないリィナは更に詰め寄る。


「真面目に答えて下さい! その手にあるモノは何ですか!?」


  現実に戻った途端に煩いリィナを一瞥すると、明後日の方向を向いて迅は答えた。


「た、ただの普通の槍じゃねぇか…。」


  ただの、でも無ければ、普通でも無い。

  意思を持つ神槍です、などとは口が裂けても言えない。

  だがはぐらかす気すら無いのも問題である。

  リィナは更に詰め寄ろうかと思ったが、瞬時にその行動を諦めた。

  迅が既に次の行動に移ろうとしていたのである。

  川の水で喉が潤ったのか、自身の相棒が戻ったからなのか、ブリューナクの切っ先を森に向けて左右させている。

  リィナは不思議に思い、質問を飛ばしてみた。


「ジン…? 何をされているのですか?」


  その質問に即座に答える。


「ダウジングだ。 仕留めた獲物の方角を探ってる。」


  そんな事を言い槍をプラプラさせているが、ある方角にのみブリューナクが反応した為、その場に勢い良く立てる。


「よし判った。 あっちだ。」


  川の上流よりやや森側を指差し、自信満々にそう言う。

  当然リィナからすれば奇行以外の何物でもない。

  まして槍が方角を指し示すかの様に反応したなどと言われて信じる訳もないだろう。


「あの…、本当にそれで判るんですか…??」


  もっともな意見であったが、迅は大きく頷き肯定する。

  ハァ、と大きな溜息を吐いたリィナであるが、自分に行動の拒否権は無い事を知っている。

  水筒に水を補給し、諦めて迅の背中に着いて行くのであった。


  空は夕暮れに差し掛かろうとしていた。



 ーーーーー



  再び森に入った二人であったが、進入して間も無く迅の仕留めた獲物を見つけた。

  想像以上の大物に、迅は満足そうに頷き言葉を繋ぐ。


「でけぇ熊だな。 我ながらイイ腕だな。 まぁ、道具がイイから当然と言やぁ当然だな。」


  ブリューナクを地面に刺し、腕を組んでうんうんと頷く。

  全長4メートル近くはある、地球ではまず存在しないサイズの熊である。

  特徴的なのは、前足の付け根辺りから細い触手状の物が幾つも出ている点である。


「リィナ。 コイツぁ何て熊だ?」


  振り返りながらリィナに問うと、顔を真っ青にしているリィナがそこに立ち尽くしていた。

  何かマズい事をしたのかと不安に思い、更に詰め寄る。


「オイ、大丈夫か? コイツを仕留めたのが何かマズかったか?」


  不安が迅の脳内を駆け巡るが、リィナの口から出た答えは全く違っていた。


「…この熊は『デッドベア』と言います。 出会えば死が確定する様な熊で、非常に凶暴な上、個体によっては魔法を使うとも聞いた事があります。 ですが、何より驚いたのは…こんなサイズは私が知る限りで、未だかつて見つかった事も討たれた事も記録にありません。」


  よく判ってない迅であったが、凄い獲物を仕留めたという事だけは理解した。

  それ以外の説明は正直興味が湧かないのである。


「よし、判った。 んじゃ今日は此処でキャンプだな。 先ずはコイツを解体しちまうか。 血抜き出来て無さそうだから食えねぇかなぁ。」


  全く判って無い素振りで淡々と自分の作業に移ろうとする迅をリィナは静止する。


「待って下さい、ジン! これ程の個体を我々の一存でどうこうは出来ません! 先ずは街の冒険者ギルドに報告しないと!」


  リィナが訴えるのは、この世界この国の理である。

  だが我らが主人公である真田迅には、そんな事は微塵も関係無い。

  うんうんと笑顔で頷きながら、黙々と解体作業に取り掛かってしまう。

  当然リィナは大慌てである。


「あーー! ちょっと、ジン! 駄目です! もぅ、あーーーー!!」


  一度解体用ナイフが刺さればお終いである。

  あっという間に皮が剥がされ、着々とバラさらていくデッドベア。

  頭を抱えてうずくまるリィナは御構い無しであった。

  ザクザクだのバリバリだのという解体音が止むと、迅がリィナに声を掛けた。


「よぉ、リィナ。 血抜きは当たりどころが良くて運良く出来てるみてぇだから、コイツは食えるぞ。 エルフって肉食えるのか?」


  マイペース野郎からの言葉を無視しようかと考えていたリィナであったが、空腹と自身の携帯食料の差分を考えて無視出来ない事を知っていた。


「…はい、食べる事は可能です。」


  どんよりとした雰囲気でそう答えるも、理由を全く判ってない迅はズケズケと物申す。


「何落ち込んでんだよ。 とりあえず川まで戻ろう。 肉はイイとして、皮はコレ使えそうだからな。 洗って使える様にしたい。 ほれ、ジメジメすんな。 あぁ、川までの道で香草とかあったら摘んでくれな。」


  何処までもマイペースな迅に呆れる事しか出来ず、リィナは共に過ごす初日から不安が大きくなってくる。

  だが頼れるのは己では無く、目の前の熊皮を几帳面に畳んで運ぼうとしているこの自由人なのだ。

  その事実に再度落ち込むが、時間は夕暮れ時に差し掛かっている。

  早く本日の行動を終えないとマズい時間になりつつあり、リィナも焦り始めた。

  迅はそんな事は当然スルーであり、今は熊の皮を洗う事と夕飯の事しか頭に無い。

  最悪夜になっても、今迄の経験でどうとでも出来るだろうと考えている。

  そうこうしていると皮が漸く綺麗に畳め、近くの蔦で括り纏める。


「よし、待たせたな。 んじゃ川まで戻るか! 暗くなってきやがったから、チャッチャッと済ませて此処に戻ろう。 クソッ、しっかし重いな。 幾つかに分割したら良かったな畜生。」


  呑気なキャンプ好きは適当にそう言うと、川へ向けて進軍し始めた。

  呆れるのも程々で、リィナも後に続く。


  川までは目印を付けていたのか、其れ程時間も掛からず到着する。

  迅はすぐさま川に皮を投げ入れ、丁寧に洗っていく。

  その姿を黙って見ていたリィナに疑問が過ぎる。


「私、この人と一晩過ごして大丈夫、なのかな…。」


  日中、男に酷い目に遭わされたばかりである。

  最悪の出来事は避けられたものの、酷い経験であった事は間違いない。

  しかも目の前で川いっぱいに熊皮を広げて暴れている男に、あられもない姿も見られている。

  急に恥ずかしくなるが、今更どうにもならない。

  一人でこの森を動き回る方が数倍危険である事は重々承知の上であり、そんな気は全く起きない。

  などと思考を巡らせていると、迅から声が掛かった。


「悪い。 この皮濡れてんだが、魔法で乾かせないか?」


  何処までも(略)である。

  大きく溜息を吐き、リィナも答える。


「出来ますから、広げてもらえますか? …何やってんだろ、私…。」


  そんな事をボヤいていると、皮を広げながら迅が言葉を発する。


「何って、皮を乾かして寝床にするんだよ。 さてはお前、キャンプした事ねぇな? ったく、だからイイ所のお嬢さんは。」


  神様お願いです。 このトンチンカンに天罰を与えて下さい。

  そう虚空に向けて、リィナは祈るしかなかった。

御覧頂き、ありがとう御座いました!

ブックマーク8件目ありがとう御座います!

頑張っていきます!

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