5. 其々の見方
こんにちは!
今回短めですが、宜しくお願いします!
水場まではほんの数分で到着し、本当に何であそこで休憩したのか意味不明であった。
それ程近くに水があったにも関わらず、自分が気付かなかった事に迅は違和感を覚える。
「なぁリィナ。 この森って何か変な事ないか?」
極めて大雑把な表現だが、そういう表現しか出来ない違和感であった。
質問に対しリィナは即座に返答をくれる。
「ええ。 だって、平人族がエルフに危害を加えましたからね。 森とエルフは仲良しなので、他種属が森でエルフに危害を加えると、森はエルフの仇討ちの様な事をしてくれます。」
要約すると、自分はリィナに暴行を加えようとした奴らのとばっちりを食った訳であった。
助けた所も見とけよ、と言いたい迅であったが、グッと飲み込む。
今はブリューナクが優先だ。
再度グッと言葉を飲み込み、頭を冷やす。
そんな脳内作業中には、不思議と無駄な事を考えてしまう瞬間がある。
正に今の迅がそうであった。
戦地から国に返ってきた後、戦後給で生活しながら暇を持て余していた頃に色んな漫画を読み漁った。
その中に妖怪退治の槍を操る少年と、その相棒である大妖怪の話を思い出した。
アレ面白かったよなぁ、などと思い返していたが、ふと考える。
あの槍も意思を持ってたし、ウチのブリューナクも意思を持ってる節がある。
その結論に達し、恥を忍んでその漫画の主人公の真似を試してみる事にする。
「多分、ただの奇人変人だよな…。」
やる前から落ち込むが、取り敢えず何でも試してみる事にする。
幸いこの世界には身寄りは無い。
親族一円には迷惑は掛からない。
しかも目の前の女性も街までの付き合いと限定された関係である。
腹を括り、迅は手を前に差し出し掌を開くと大声で叫んだ。
「来い、ブリューナク!!」
迅の声が森に響く。
リィナの唖然とする表情からの、死んだ目による視線が痛い。
だがそんな事は想定内である。
どうせ街までの付き合いだ。
そんな事ばかり考え、必死に自分が折れない様に心を守る。
だが、時として他人は非常に残酷である。
「プッ…。」
吹き出されては流石の迅も心が折れる。
ガクッと膝から崩れ落ちた、正にその時だった。
森の奥から物音が聞こえる。
甲高い音と草花を搔き分ける様な音の二つが聞こえる。
新手か、と崩れた体勢を立て直し、腰の解体用ナイフに手を遣る。
二つの音が徐々に近付いてくるのが判り、少しづつリィナに背を向け守る布陣を敷く。
後幾許か、といった距離に近付いた事を察し、覚悟を決めた瞬間の事であった。
目の前の茂みからブリューナクが飛び出し、迅の足元に突き刺さり止まった。
御覧頂き、ありがとう御座いました!
前書き通り今回短めでした( ;´Д`)
次回更新は3〜4日以内に行いますので、どうかご容赦を…(o_ _)o))




