第一話 転校生 マジでヤバいねんてっ!
――1年前 4月
ジェイ先生が一人の少女を連れて教室へと入ってきた。
少女を見たユキがタケシに話しかける
「なぁなぁ、あの子めっちゃ可愛いなぁ、ヤバい頭撫でたくなってきてしもたわ」
「アカンて」
席を立とうするユキを止めるタケシ
「おうおう、お二人さん、仲がええねぇ……」
「そんなんとちゃうわ!」二人同時に言葉を発する
「ほら、息ピッタリや(笑)」
顔を赤くした二人をクラスメイトの笑いが包む
ユキは腕を縦に振りながら
「だから、ちゃうって言うてんのに……」
「オイオイ、もういいかな?お二人さん。
そろそろ、転入生を紹介したいんだが。」
しばらくして担任のジェイ先生が割って入った
「じゃあ、
早速、自己紹介を」
「……です」
「ん?もうちょっと大きい声で言おうか」
ちょっと困った顔でジェイ先生が促す。
「……アイです、よろしく……してほしい。」
「まぁ、いいか。アイ君だ。
お父さんの転勤の都合で転校してきた。」
「見てのとおり、人付き合いがちょっと苦手なんだが、仲良くしてあげて欲しい」
ジェイ先生がフォローする。
ふと見ると、教室の廊下側の窓の外になんだか厳ついおじさんが立っている。
「え、誰あの人?大丈夫なん?」
クラス内でヒソヒソと声が上がる。
「あ、あの、窓のところにいるのは父だ。
驚かせてすまない。悪い人ではない。自慢の父だ。
でも、あの覗き方は良くない。反省」
アイがぺこりと頭を下げる。
「ええでええで、気にせんでいいよ。
ウチはユキ、こっちはタケシ、よろしくなぁ」
「よろしく……」
一瞬、ニコリとしたが、
そのまま下を向いてしまった。
◇
――昼休み
「アイちゃん、一緒にお昼食べようか」と声を掛けるユキ、その後ろをタケシが付いてくる。
「いいのか、私は喋るのが苦手なんだが……」
「ええよええよ、一緒に食べるだけで楽しいやんか!なぁ、タケシ」
「そうやで、アイちゃん、これからは一緒に食べような」と微笑みかけると、アイは少しだけ笑って続けた。
「そうだ、私を呼ぶ時「ちゃん」は要らない『アイ』でいい。その方が効率的」
アイは照れくさそうにそう言って、また下を向いてしまった。




