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第43話 令嬢からの挑戦状

お待たせしました!

モチベが下降気味だったので更新が遅れてしまいました。申し訳ない。


だけどモチベも復活致しましたので、これからはなるべく間隔を空けないで更新していきたいと思います。




前回のあらすじ

目標を定めた

 

「はあぁぁぁ……」


 アレンがわたしに無許可で、クラスのみんなの前でわたしが勇者だと暴露した日の翌日。


 わたしはとても深い溜め息を吐いていた。

 何故かというと……。


「さぁ、覚悟なさい!!」


 金髪縦ロールの少女が、わたしを指差しながら大声でそう言う。

 彼女の目には、わたしを負かそうという強い意思が宿っていた。

 そして彼女の取り巻きも、やる気に満ちた表情をしている。


 わたしは今、彼女―フランに決闘を申し込まれていた―――。




 ◇◇◇◇◇




 時間は少し前まで遡る―――。




 昨日と変わらずに教室に行くと、入った途端に腕を組んで仁王立ちしているフランと出くわした。


「あ……お、おはよう、フラン」


 昨日のこともあるので、少し気まずい。


「ええ、おはようございますわ、アリシアさん」


 するとフランも挨拶を返してくれた。

 少なくとも、わたしのことは嫌っていないようだった。


 フランの脇を通り抜けて自分の席へと向かおうとすると、彼女がわたしの進路を塞いでくる。

 仕方ないので反対側を通り抜けようとすると、また彼女が進路を塞いでくる。


「え〜っと……わたしに何か用?」


 理由もなく妨害するとは考え難いので、そう尋ねてみた。

 するとフランは、わたしにビシッ! と右人差し指を突きつける。


「ええ、オオアリですわ!!」

「その……用件は?」


 何とはなしにそう尋ねると、フランは左手をスカートのポケットに突っ込む。

 そして何かを取り出すと、ソレを勢いよくわたしに叩きつける。


 ポスン、とわたしの貧相な胸に当たったソレは、力なく床に落下する。

 ソレの正体は、真っ白な手袋だった。


 ソレの意味するところは理解しているけど……。


 ……こんなことする人って、今もいるんだ……。


 わたしは謎の感銘を受けていた。


 そして一応、手袋の意味をフランに尋ねる。

 もっとも、わたしの想像と変わらないとは思うけど……。


「え〜っと、コレは?」

「貴女に決闘を申し込みますわ!!」


 フランは大声でそう宣言した―――。




 ◇◇◇◇◇




 とまぁ、こうなった経緯でした。


 フランに決闘を申し込んだ理由を尋ねると、わたしが本当に勇者かどうか確かめるためらしい。

 そんなに認めたくないのか、わたしが勇者だということ……。


 決闘するにしても、教員の立ち会いがないと出来ないので、クラス担任であるマリーベルさんに立ち会いをお願いした。


 そしてわたし達は、学内にある訓練場で決闘することになった。

 どこかから決闘の噂を聞きつけたのか、ギャラリーが大勢いた。


 ちなみにアレンとフレイルは、決闘に参加せずに傍観者となっている。

 二人の言い分は……。


「アリシア個人に申し込まれた決闘じゃん。僕が出るのはお門違いだよ(アレン)」

「私は、アリシアさんの戦いぶりを客観的に観たいなぁ〜って、あはは……(フレイル)」


 ……とのことだった。ヒドイ。


「それではこれより決闘を開始します。双方、準備はよろしいですか?」

「……はい」

「ええ!」


 わたしは脱力気味に、フランはやる気に満ちた声音で返事をする。

 その後、マリーベルさんから軽くこの決闘について再度説明がされる。


 勝敗は相手を完全に打ち負かすか、相手が降参を宣言するか。

 致死性の攻撃は全面的に禁止。その攻撃を繰り出そうとした時点で、その人は強制的に失格となる。

 そしてわたしは一人で、フランは取り巻きの二人含め三人で決闘に臨む。


 説明が終わると、マリーベルさんは手を高く上げる。

 アレが開始の合図になるのだろう。


「それでは…………始め!」


 マリーベルさんの手が勢いよく振り下ろされ、決闘が開始された―――。




 ◇◇◇◇◇




「行きますわよ! レフティ、ライティ!」

「「はい、フランシスカ様!」」


 フランの掛け声に、取り巻きの二人がそう返事をする。


 取り巻き二人の顔は瓜二つで、双子の姉妹かな? と推測する。

 そして二人共黄土色の髪をしていて、フランの右側にいる方は右サイドテールに、左側にいる方は左サイドテールに髪を結っている。

 たぶん右サイドテールがライティで、左サイドテールがレフティだろう。


 それから二人は、槍と斧が一体化した武器であるハルバードを構えていた。

 二人は取り巻きというよりも、フランの従者と言った方が近いのかもしれない。


 そして当のフランは、杖を構えていた。


「覚悟! 《メガファイア》!」


 フランは火属性中級魔法を放ってきた。

 それと同時に、レフティとライティがわたしを左右から挟み撃ちにするように接近してくる。


 正面からは魔法が、左右からは武器を構えた少女達が接近する。逃げ場はない。

 そんな状況でも、わたしは至って冷静だった。


「はあっ!」


 気合い一閃。

 鞘から引き抜いた愛剣で、わたしに迫って来ていた火球を真っ二つに叩き斬る。


「え……えええぇぇぇ!?」


 フランが、目の前で起きたことが信じられないというように声を上げる。

 だけどそれを気にすることなく、わたしは右側から接近してくるレフティ―たぶん―に、逆にこちらから近付く。


 近付いて来たわたしに驚くけど、すぐに気を取り直す。

 彼女はハルバードの槍の部分で、突きを繰り出してくる。


 わたしはそれを剣で軌道を逸らし、彼女に接近して胸元に手を軽く添える。


「《サンダー》!」


 そして至近距離で雷撃を喰らわせて、戦闘不能にさせる。


「レフティ!」


 するとわたしの後ろから、レフティを心配する声が掛けられる。

 後ろを振り向くと、ライティがわたしに接近して来ていた。


 そして彼女は、ハルバードの斧の部分を振り下ろしてくる。

 その攻撃を、剣を横にして防ぐ。


「フランシスカ様、今です!」

「ええ! 《ギガファイア》!」


 ライティが声を掛けると、フランはさっきよりも大きな火球を放ってきた。

 わたしはハルバードの攻撃を受け止めつつ、フランの方に向かって魔法を放つ。


「《ギガサンダー》!」


 わたしの放った雷撃は、フランが放った火球を相殺した。


「「なっ……!?」」


 フランとライティが驚いている隙に、意識をわたしから逸らしているライティにも《サンダー》をお見舞いして、戦闘不能にする。


 そして身体強化魔法を使って脚力を強化して、フランに最短距離で急接近する。


「きゃっ!? 《メガファイア》!」


 彼女は驚いて後ろにコケつつも、わたしに向かってまた火球を放つ。

 それを斬り捨て、尻餅をついたフランの首筋に剣を宛がう。


「え〜っと……降参してくれると、わたしとしても助かるんだけど……どうするの?」


 わたしがそう尋ねると、フランはコクコクと首を縦に振る。


「こ、降参致しますわ……」


 フランがそう言うと、審判を務めていたマリーベルさんが勝者であるわたしの名前を声高に宣言した―――。






三対一だったら、普通「三」の方が勝つんですけどねぇ……。

勇者の名は伊達じゃなかった。




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