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第21話 パーティー結成

前回のあらすじ

前世と同じ関係になった

 

「なるほど……」


 アイシャから教えてもらった魔王の事をアレンに伝えると、彼は納得したように頷く。

 そしてわたしに尋ねてくる。


「それで、キミは魔王の居場所に心当たりはあるのか?」

「ううん、ない。だけど、ヒントがありそうな場所は知ってる」

「それは?」

「『竜人の里』……。もっと正確に言えば、『テウルギア大霊廟』……、かな?」


 竜人の里とは、北大陸西部にある大都市で、その住人の多くが魔族である竜人族だった。

 その中で、『ドラグナー家』と言う一族が、霊廟の墓守を代々務めている。


 そしてその里の隣にあるテウルギア大霊廟には、歴代の『魔王』が祀られている。

 そこには、魔王に関する書物が山ほどあるから、何かしらのヒントがあると思って、わたしはまず初めに竜人の里を目指すことに決めていた。


 わたしの言葉に、アレンは頷く。


「なるほど。あの里なら、何かしらのヒントを得られるかもしれないね。……だけど、遠いよ?」

「どれくらい?」


 北大陸の土地勘がわたしよりはあるアレンに尋ねる。


「馬車なら一ヶ月。徒歩だとだいたい……、三ヶ月くらいかな?」

「さん……!?」


 その移動期間に、わたしは絶句する。

 長くてもせいぜい二ヶ月くらいかと思ったら、それより長かった。


 そんなわたしにかまうことなく、アレンは続ける。


「それに、道中は危険な魔物が出る地域もあるんだ。とても女の子一人で行くような道のりじゃないよ?」

「そう、なの……」

「だから、僕も付いていく」

「え? いいの?」

「うん」


 わたしがそう聞き返すと、アレンは笑顔で頷く。


「僕もそろそろ活動拠点を移そうと思っていたところだったからね。旅は道連れって言うだろう?」

「……確かに、そうね」

「だからこれからは、同じパーティーとしてよろしく、アリシア」

「こちらこそよろしく、アレン」


 こうしてわたしは、アレンとパーティーを組むことになった―――。




 ◇◇◇◇◇




 わたしは今、困り果てていた。

 何故かと言うと―――。


「さあ! 剣を抜きなさい!」


 そう言って、セリアさんが短剣をわたしに向けてくる。


 わたしは彼女に、決闘を挑まれていた―――。




 今後の方針も決まり、次の町に着くまでにクリア出来るクエストを受けようと再びギルドに赴いた時に、セリアさんとばったり出くわした。

 彼女はわたし達の姿を確認するや否や、アレンに詰め寄る。


「ちょっとアレン、どういうこと!? アレンに彼女がいたって知らなかったんだけど!」

「だって今日出来たばっかりなんだもの」

「じゃあ、いつこの女と出会ったのよ!」


 セリアさんがズビシッ! とわたしを指差してくる。

 傍目から見ても怒り心頭なセリアさんに、アレンは冷静に受け答えする。


「『アリシア』とは、今日初めて出会ったよ」


 他人が聞いたら一目惚れのように受け取るけど、わたしだけは違う受け取り方をした。

 前世ではお互いに面識があって、転生してから出会うのは、アレンが言った通り今日が初めてだった。


「じゃあ、一目惚れってこと!?」

「まぁ、そうなる……かな?」


 アレンは照れながら、そう答える。

 するとセリアさんは両手で顔を覆い、天を仰ぐ。


「〜〜〜!! 納得いかない! アレンを好きになったのは私が先なのに!」

「いや、セリアのことは同業者としてしか見てなかったから。それに、僕の好みのタイプじゃないし」


 アレンはそう言うけど、彼の言葉が聞こえていないのか、セリアさんはわたしを睨み付けてくる。


「アリシアとか言ったわね! アンタに決闘を申し込むわ! わたしが勝ったらアレンと別れてもらうわ! アンタが勝ったらアレンのことは好きにしなさい!」

「えっと……」


 セリアさんの気迫に気圧されて口を挟む暇がなく、わたしは助けを求めてアレンの方を向く。

 すると彼は、苦笑いを浮かべる。


「セリアの気が済むまで付き合ってやって?」

「えっと……うん、分かった」

「私の目の前でイチャつくな!!」


 セリアさんが怒りを露にしてそう言ってきた。


 ……別にイチャついてないのに……。




 ……まぁ、そんな事があって。

 わたしとセリアさんは、ギルドの前の通りで対峙していた。


 わたし達の周りには、この騒ぎを聞きつけた冒険者達が見物にやって来ていて、中にはどちらが勝つか賭けをしている人達もいた。


 わたしは渋々、鞘から剣を引き抜く。

 審判役のアレンが、わたし達に軽く説明をする。


「それじゃあ決闘のルールを説明するよ。どちらかが戦闘不能になるか、降参したらそこで終了。怪我を負わせるのはいいけど、殺しは厳禁だからね。命の危険があると思ったら止めに入るから、そのつもりで」

「分かったよ」

「いいから早く始めて!」


 セリアさんにせっつかれて、アレンは溜め息を吐きつつ右手を挙げる。


「双方、構えて」


 わたしは剣を両手で持ち、正中に構える。

 セリアさんは右手で短剣を逆手に持ち、半身になって姿勢を低くする。


 数秒という、短くも長い時間の後に、その時は訪れた。


「始めっ!!」


 アレンの右手が勢い良く振り下ろされて、セリアさんとの決闘が始まった―――。






セリアの実力は如何程なのか?




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