212.丸投げかよ!
本作では、HPはハレンチパワーを意味します。
「それって、ラージェスト王国軍の報告ですよね?」
「はい、そうですが」
「なんで、軍本部ではなく私の方に来るんですか?」
「ある程度以上の危ない輩が相手の場合は、国家を越えて至急アキさんに報告し、対応して頂くよう軍の中では教育されておりますので」
「はぁっ?」
そんなの初耳だけど?
って言うか、私に丸投げするつもり?
「ラージェスト王国、アデレー王国を始め、この周辺国家の軍では、ドコでもアキさんに頼るよう教育されていると聞いておりますが」
「そんなこと、今初めて聞いたけど?」
「そうなんですか?」
「そうなんだけど!」
「でも、来て頂けないと困ります。と言うことで、転移!」
モランダーが、転移魔法を発動した。
そして、その直後には、何故か私は見知らぬ場所で立っていたよ。
この男に強制的に連れてこられたってことだ!
目の前には、訳の分からない服に身を包んだ女性達がいるし。
「あの趣味の悪い服を着ている女性達って?」
「ゴーランド軍です」
「マジ?」
「はい」
普通、軍隊が着ている服って言うと、迷彩柄とかをイメージする。
でも、ゴーランド軍の女性達が着ているのは、何故か金ピカとかドピンクとか真っ赤っかとか、ムチャクチャ目立つ服だったよ。
しかも、何気にデザインがダサい。
ある意味、ゴーランド女性軍の存在感が強かったんで、視界から外れていたけど、周りにはモランダーと同様の軍服を着た多数の軍人達……つまりラージェスト王国軍の軍人達が血だらけになって倒れていた(ウンチだらけじゃないよ!)。
しかも、ステータス覗きスキルで確認したところ、彼等は既に全員死んでいたよ。
「これって、モランダー少佐と同じように銃で撃たれたってことですよね?」
「銃? ですか?」
「つまり、ゴーランド軍が持っている、見たことの無い武器ってヤツ」
「そうです。その武器からパンと音が鳴ると同時に、我々の誰かの身体から血が流れているんです。まさに死の魔導具です」
魔導具か……。
銃の存在を知らない世界の人達からすれば、そう思えるんだろうね。
「ってことは、まあ大体予想はしていたけど、ここって?」
「カパミネアですけど?」
「どうして、私がカパミネアにいるのよ?」
「私が転移魔法で連れてきたからですが」
「そうじゃなくて、何で私が連れてこられなきゃならないのってこと!」
「そりゃあ危ない輩が攻めてきましたので、アキさんにご対応頂きたいと思いまして。勿論、代金は身体で払いますので」
それって、コッチには一切の利益が無いんだけど!
ヴァナディス以外に使わせるつもりは無いし。
それに、何で私が解決しなきゃならないわけ?
「労働対価は、後程ラージェスト国王陛下に正式に金品で請求しますからね」
「はい。ヨロシクお願いします」
ヨロシクって……。
完全に丸投げだね、これ。
この時、女性兵士達は、凄く殺気立った顔で私の方を見ていた……と言うか、ガンを付けていたよ。
そりゃあ、コッチはHP100設定だからね。
ビナタの連中は、男女共にHP100には慣れているけど、普通は女性達の完全なる敵だし、即刻、息の根を止めたい対象なんだろう。
彼女達が、横に広がって前後に列になった。
そして、前列の兵士達が座ると、全員が一斉に私に向かって銃を構えた。
モランダーの言うとおり百人くらいか?
取り囲まれるかと思ったけど、取り囲んで発砲したら、全弾が私とかモランダーに当たらない限り、流れ弾が私達を挟んで反対側の誰かに当たるだろうからね。
さすがに同士討ちは避けるか。
そして、一斉に私達……と言うか、私に向かって発砲してきた。
今時点でのコイツ等の敵は私だけってことだ。
高HPだからね。
しかも連射してきたよ!
でも、私の身体はレッドドラゴンの血を被って強化されているからね。
私の身体に当たった弾丸は、全部、弾き返されたよ。
当然、私の身体は無傷。
たださあ。
なんでか分からないけど、モランダーのヤツは私の後ろに隠れて、座ってやがったよ!
私を盾にしやがったからね。
コイツは被弾ゼロだったよ。
まあ、もともと狙われていなかったし……。
「さすがアキさん。噂通りですね」
「女性を盾にするってヒドくないですか?」
「スミマセン……。でも」
「でも?」
「ああ、ダメだ。吸い寄せられる……」
こう言うと、モランダーのヤツは、座った状態で私の下半身に抱きつき、そのまま私の尻に顔を埋めやがった。
そして、思い切り私の身体のニオイを嗅いでやがるし。クンカクンカって音が聞こえてくるレベルだよ。
しかも、下半身は、相変わらずギンギンになっているし。
いきなり押し倒されないだけマシだけど……。
ただ、こんなことをしている間に、敵軍の女性兵士達は銃に弾丸を詰め直した。
そして、再び私に銃口を向けた。
ちなみに、モランダーの銃口は剥けていた。
ただ、このままじゃ動けない。
「転移!」
仕方なく、私は敵軍から数キロ離れたところに転移した。
勿論、モランダーも連れて。
そして、そこで女王様モードを発動した。
「このブタ野郎! 離れなさい!」
「はい!」
モランダーは、私から手を放し、その場に正座した。
ただ、例の如く、妙にハアハア言っていたよ。
どうせHな命令でも期待しながら興奮しているんだろうけどさ……。
「イイコだから、ここで待ってなさい」
「はい!」
モランダーには悪いけど、銃が相手じゃ、彼の存在自体が足手まといになる。
私は、念のため物質創成魔法でロープを出すと、ソッコーで彼を縛り上げた。
勿論、亀甲縛りだけど。
毎度の如く、両手首足首を背面で一纏めにして縛るってオマケが付いているけど!
そして、この場に彼を放置プレイして、女性兵士達の前まで再び転移した。




