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ファイアアロー1発じゃゴブリンを1撃で即死させられないのかー。魔法が弱いのかなぁ、ゴブリンが強いのかなぁ。そんな場違いな考えがケイの脳裏に浮かんでいた。


ギーギー!

ゴブリン達が騒ぎ、統率というものは無くなった。逃げ出す者、ケイに襲い掛かろうとする者。ゴブリン達はぶつかり合い、互いの邪魔をしあっている。ゴブリン達が混乱に陥ったなか、ようやくケイは現実へと帰ってきた。

魔法を使っている時間も距離もない。刀を構えてケイから前へと踏み出した。刃先が左下から右上へと軌跡を描き、光と共に血飛沫が舞う。返す刀で別のゴブリンの首を飛ばす。身体の左側に来た刀を右足を踏み出しつつ刺突。そして身体を時計回りに回転させながら別のゴブリンを斬り伏せた。身体は自然と動いてくれる。これこそがスキルの力なのだろう。


ザクッ


刀が木にめり込んだ。周囲に気を配れない余裕の無さ、敵だけを見て地形を見ない付け焼き刃の強さ。圧倒的に戦闘経験が足りていなかった。刀を力任せに抜こうとするが抜けない。パキンという甲高い音と共に刀は折れてしまった。

「ノーー!!」

ゴブリン達は構わずに襲い掛かってきている。

「ちょっ、ちょっと待った!!」

刀を持っていなければスキルは発動しない。鍛練でスキルを手に入れたわけではないので、体捌きなどできるわけもない。ゴブリンの攻撃を大袈裟に避け、逃げ回る。スキルから刀を取り出そうにもゴブリンの攻撃を避けるだけで必死なのだ。転がりながら倒したゴブリンの剣を拾う。今度は剣スキルが発動する。

「スキルが発動していない時間が課題だよなぁ。」

ゴブリンの攻撃を剣で受け止めてから嘆く。そこでようやく腰に片手剣を提げていた事を思い出した。

「こんな事も忘れるなんて、余裕が無さすぎだ。」

受け止めていた攻撃を弾き、剣を突き刺した。残っているゴブリンは3体。いや、彼らも逃げ出した。戦闘は終了である。

「6体倒してレベルアップは無し。ゴブリンって経験値少ないのかな。」

決して弱くは無かったはずだ。ゴブリン達が混乱していたからこそ容易く倒せたのだろう。

「そうなると割りに合わない強敵、って事?」

ゴブリン達が逃げた方向は分かっている。しかし、準備不足である事は実感できた。弓矢や槍も必要だ。今日は戻ろうか。

そう考えて油断していた。気配が読めるわけでもないのに敵がいないと何故判断したのか。見えていなかったからだ。


ザクッ


草を踏む音は聞こえていたはずだ。だが、それが危険だとは思っていなかった。気付いたのは痛み。革鎧の上から短剣で刺されていた。攻撃に成功したと喜んでいたゴブリンを殴り飛ばす。

「痛てぇ。」

短い剣は刺さったまま。緊張感などなかったのだ。心のどこかで主人公になったつもりだった。選ばれた者だと思い込んでいた。そのツケがこの一撃となって還ってきたのだ。どれくらいのダメージを受けたのか確認するためにステータスを確認する。

「何じゃ、こりゃーー!!」

ケイの絶叫が林に響いた。


名前:ケイ

性別:男

年齢:16

レベル:34

HP:1270/1280

MP:860/890(最大MP-400)

体力 156

筋力 162

速度 154

魔力 158

精神 160

運 149


オリジナルスキル

生鮮百貨店

夢幻キッチン

万能教室


スキル

限界突破

成長促進

魔の核

降魔の支配

英雄憑依

薬草の知識

薬学の知識

手当て

修復魔法

刀 レベル2

剣 レベル2

短剣 レベル2

槍 レベル2

弓 レベル2

聖魔法 レベル2

火魔法 レベル2


所持品

片手剣

刀 6

革鎧(上)

ハイポーション

ポーション

高級傷薬 2

傷薬 2

女神の羽 3


所持金

金貨10枚、銀貨6枚、銅貨20枚



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