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翌朝、ケイが宿に戻るとカノンだけがいた。
「伝言です。ベラ隊長とニーナ副長は挨拶のために城へ行くそうです。サラさんは1日謹慎。神様に祈って反省するそうです。その他のメンバーは引き続き買い出しに。カルナ団長は武器の手入れに出掛けてます。」
また自由行動のようだ。再び城下へと戻る。この城下町は栄えている。商いの店が幾つも並び、屋台まで並んでいて活気に溢れている。着物を売る店や質屋、道具屋や鍛治屋もある。
その中に『スキル書、魔法書有ります』と張り紙をしてある商店があった。店内は本屋のようだ。全ての本は奥に置かれていて『●●在庫あります」の紙があちこちに張っているのだが。
「いらっしゃい。まぁ、見て行ってくれ。都の工房から仕入れてるから偽物は置いていない。」
いかにも頑固親父といった風貌の店主が1人だけ店番をしていた。
「工房から、ですか?」
そもそもスキル書がわからない。
「神社や寺はお布施次第だ。そんな有難いものは扱ってねぇ。」
それっきり店主は黙ってしまった。困った。煩雑な張り紙のみが商品の種類を教えてくれる。
「えーと、火魔法レベル1、金貨100枚って書いてあるんですが。」
金貨100枚。ケイでも分かるくらいに法外な値段だ。
「あん?MPさえあれば努力・知識・魔法適性をすっ飛ばして使えるようになるんだ!!文句があるなら出て行け!!」
怖い。怖いよ。何か知らないけど怒ってる。でも良いことを聞いた。魔法が使えるようになる、と。
「す、すす、凄い魔法はないですか?」
噛んでしまったよ。
「自分で探しな!」
相手にもされない。頼りは張り紙のみ。聖魔法レベル2、金貨400枚。火魔法レベル2、金貨200枚。刀レベル2、金貨20枚。剣レベル2、金貨20枚。槍レベル、金貨20枚。弓レベル2、金貨20枚。短剣レベル2、金貨20枚。併せて金貨700枚なり。
「冷やかしなら帰れって言ってるんだ!!」
店主の目の前に金貨の入った袋を置いた。これでどうだ。袋の中の金貨を確認した店主が謝罪をしてきた。
「悪かったな。冷やかしが多いんでな。一般的なスキルならレベル3までは存在すんだ。この店はレベル2までは売ってる。レアスキルや上位スキルは書物はねぇ。刀や槍には流派がある。習うか思い付くしかない。売ってたら偽物だ。騙されるなよ。」
謝罪として情報をくれた。ツンデレというのだろうか。こんなツンデレは嫌だ。これにて残金は金貨10枚、銀貨6枚、銅貨20枚。買えるだけ買った結果である。
さっそく購入したスキル書と魔法書を使用した。本に書いてある内容はわからない。だが本は次々と捲られていき、勝手に閉じると光となって体内へと消えていった。効果はすぐに理解した。魔法は使える魔法と呪文が頭に浮かぶ。刀や剣は扱い方がわかるのだ。ただし剣や刀の技などは1つもない。それこそが流派で教わる事なのだろう。
そして弊害が1つ。スキルが発動している間は体がスムーズに動くのだ。しかし、スキルが発動しない状態では今まで通りに素人のままだ。刀を持っていれば避けられる攻撃も、普段なら避けられない。正しく付け焼き刃である。
「努力って大事だなぁ。」
時は未だ昼にもならず。雲1つない夏の空は暑かった。




