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サラがケイに対する怒りを撒き散らしている中、ターニャが神主と交渉を行った。

「魔を払うために、聖水・・御神水と、護符が、欲しいんです。ご迷惑に、ならない、範囲で、どれくらい、売って、貰えますか?」

親しい人以外と話すのが苦手なターニャとしては頑張っている。未だにケイとも2人きりだと話せない。第2分隊という中にいるケイに対してなら多少は話せるのだが。

「近いうちに祭祀がございます。その際に護符はお配りいたしますので今はお売りできません。御神水でしたら7樽程お売りいたします。」

護符が手に入らないのは痛いが御神水は手に入りそうだ。なんとか良い報告を出来そうであった。

「良い仲間をお持ちになられましたな。」

神主の言葉はターニャには意味が分からず、怒りに燃えるサラの耳には届く事はなかった。



境内の茶屋で、ケイは未だに怒りが収まらないふりをしていた。

「自分が悪いのに、自分は悪くないとか!!あぁ、皆さん申し訳ありませんでした。せっかくの参拝だと言うのにケチをつけさせて。」

それとなく謝罪も含める。

「大変だなぁ、兄ちゃんも。」

「うちのカカアもそうだ。絶対に非を認めねぇ。」

「お前んとこは、お前が悪りいんだろが!」

「いけね!そうだった!!」

皆が笑っている。

「皆さんのお代はこれで。」

銀貨1枚を置いて店を出る。はぁ、難易度が高いクレーム処理だった。手当てが欲しいよ。


「隊長、ケイさんを追い出してください!今すぐに!」

「ど、どうしたの?サラ、何かあったの?」

帰ると同時にケイの追放を訴えるサラにベラは困惑する。

「ケイさんが私の任務を邪魔したんです!御神水と護符を買えるだけ買えるはずだったのに!ケイさんのせいで御神水が7樽しか買えなかったんです。あの人は任務の邪魔です!!」

サラは神社での出来事をサラ視点で訴える。

「そうなの?ターニャ。」

一緒に行動していたターニャにも確認を取る。

「私達は、その、神社で揉め

「揉めてないわ。ケイさんが邪魔をしただけです!それを見かねた地元の人がケイさんを叩き出すくらい酷かったんです!!隊長もケイさんを今すぐ叩き出してください!!」

「でも最後に神社の人から『良い仲間を持った』って言われたんです。」

ターニャが神主の言葉を思い出す。

「それは私の事ね。あの神主も私の正しさを分かっていたのよ!」

その場はサラによるケイの非難大会と化していった。


夕方に宿近くでベラと出会った。

「お兄さん、どういうつもり?サラが怒ってたけど。」

ベラの問い掛けである。何の事かはすぐに分かった。

「神聖帝国にも神殿があるんだよな?地元から愛され、領主の庇護と信仰を受ける神殿がある。そこで問題を起こしておきながら、責任は神殿責任者にあると騒いで流血沙汰にまでなった。それをした犯人が泊まる宿は分かっている。神聖帝国なら領主や信者はどうする?犯人は無事にその街に滞在し続けられる?生きて街を出れる?」

少し大袈裟な例えをする。

「無理ね。その日のうちに神殿兵か領主が動くわ。その前に狂信的な信者に襲われると思うけど。」

「サラさんが御神水と護符を買い占めて、その問題の責任を神主様、神殿長みたいな人に押し付けようとしていた。地元の信者とも一触即発だったよ。今回はうやむやにしたけど、サラさんから喧嘩を仕掛けたら戦争が始まると思う。」

「それは本当?サラからはお兄さんが地元の人と揉めたって聞いたけど。」

「サラさんは買い占め、とか全部買えたはず、とか言ってなかった?俺は地元の人と話をしただけだよ。その際にサラさんの間違いを指摘したけど。」

「あっちゃー。言ってたわ、そのセリフ。責任感が強すぎるのよね、あの娘は。他人を助けようと必死だし。全部が裏目に出たかぁ。」

「自分は悪くない、って言い張ってた。揉めた漁師達にはご機嫌で帰ってもらったけど、サラさんは納得してないと思う。」

「サラは白黒はっきりさせないと気が済まない性格だからねぇ。自分が正しいと思って行動してるし、アタシからも話しとくよ。」

ベラには納得して貰えたようだ。

「自分がいるとサラさんとは話しにくいでしょう。時間も掛かるでしょうし、今夜はどこかで一泊してきます。」

「悪いわね。じっくり話す事にするわ。」

ケイは街中へと消えていった。

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