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合流を果たした第2分隊であったが、カルナを殿にした事で重い空気が漂っていた。仕方ないと分かってはいても、感情は別なのだ。
「私が知っている『戦闘鬼』なら問題ないでしょう。500や600のスケルトンで殺せるなら、すでに我が国が彼女を殺しています。」
ニーナが淡々と話す。
「問題は、迎えに行けば私達が足手まといになる事でしょう。相手が人やゴブリンならやりようはあるんですが。」
ニーナの意見に第2分隊の面々は頷く。
「すいません。1つ、いいですか?」
ケイがおずおずと手を上げる。こんな空気だ。発言しにくい。
「霧が晴れています。まだスケルトンはいるんでしょうか?」
・・・。
「お兄さん、それを早く言いなさい!」
「わかってると思ったんだよ!!俺に戦況判断が出来るか!!」
「ケイ様は元気だなぁ、無事で良かった。」
「あぁ、カルナさんも無事で・・、あれ?」
いつの間にかカルナも合流していた。
「あいつらが引いて行ったから道を登ってきたんだが、大声が聞こえたから場所はすぐに分かった。」
みるみるケイの表情は崩れた。
「よがっだ。よがっだよ~。」
ケイが号泣してカルナに飛び付く。カルナは困ったように頬をかくのであった。
峠を無事に越えると栄えた町へとつながっていた。小高い山には城があり、2本の川が城下を流れる。河口は港になっていて交易船や漁船も停泊していた。城から海岸まで城下が広がる発展した町がそこにはあった。日が沈むまでにはまだ時間はある。
「アタシ達はする事があるからお兄さんは自由にしてて。」
宿が決まると第2分隊は皆いなくなった。カルナは第2分隊に連れて行かれた。カノンは宿屋で剣の手入れをしている。する事がないので銀貨14枚を握り締めて城下を1人で散策する。見つけた武器・防具屋にフラりと入った。
「おぉー。」
しっかりとしたお店だ。刀や槍も丁寧に飾られ、客1人に対して店員1人が付いて応対をしている。
「手前の店に何か?」
商品ではなく店を見ているのがおかしかったのだろう。奥からしっかりした身なりの人が出て来て話し掛けてきた。
「良いお店だなぁ、と。刀や槍を扱っているんですね。」
「手前共は武具や防具、必要に応じて異国の物も取り扱っております。今日はどのような御用でしょうか?」
「最近、刀を手に入れたんですが。」
「それはそれは。手に取っても?」
まずは数打ちを2本見せる。
「こちらは・・・束物のナマクラですな。こっちも束物ですが物は良い。実用には耐えられるでしょう。」
「束物?」
束物とは初めて聞く。
「一束いくら、として売られる刀の事ですよ。良い刀もあるんですが、だいたいはナマクラです。領主様が購入されて、農民兵に貸し出すんです。使い捨てと言うお侍様もおられます。」
今度は名刀を渡してみる。戦場で手に入れたという刀だ。
「これは・・!長船、ですか。銘からして注文打ち。長光の名品ですな。手前の『鑑定』ではどれ程の業物なのか、どのようなスキルが付いているのか分からぬのが口惜しい程です。」
「スキル?」
「ええ、注文打ちは身を清めて神事として刀を打ちます。そのせいか刀自身がスキルを持っているんです。いや、良い物を見させて頂きました。」
「あっ、もう1本あるんですが。」
一条の殿様からの拝領品を見せる。
「・・・。宗近?いや、馬鹿な。しかし。・・・。申し訳ありません。手前には分かりかねます。都の御公家様か大大名が持つような品に見えてしまいました。手前も疲れているようです。」
「いえ、色々と見て貰ったのが悪かったようです。ところで、安くて実用的な刀を探しているんですが、お薦めはありませんか?」
「安くて・・。この同田貫は剛刀と言えますな。注文打ちですが刀匠はあまり名を聞かない方です。業物ではありませんが上物です。付いているスキルは「対魔」と「発火」。銀貨10枚でお買い得です。
こちらは高田。注文打ちですが刀匠は不明。良品止まりでスキルは「対魔」のみ。銀貨4枚までお下げします。
最後は高田の束物。良い物ではあります。銀貨2枚。もちろん全て手入れは行き届いておりますし、鑑定書もお付けします。」
どうしよう、どうしよう。刀は買ってくれと言わんばかりに輝いている。
「お買い上げ、ありがとうございました。」
気が付くと3本の刀を持って店を出ていた。やってしまった。3本で銀貨14枚。おだてられ、値引きされ、気付いたら買っていた。
残金は0。どうしよう。
この世界での日本刀のランク付け。神刀等は除く。最上大業物、大業物、良業物、業物、上物、良品、普通(良い、普通、劣る)、なまくら、になります。普通の中にも3ランクあるので10ランク存在する事になります。




