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約束した宿に付いた時には既に夕方になっていた。ゲッソリしたケイ、艶々して満足そうなカルナ、痛そうに内股で歩きながらもウットリとしたカノン。そして汗や色々な体液の臭い。
さっそくベラに見付かった。カルナとカノンは宿へと消える。
「うわっ。2人相手?どこにそんな体力あるの?お兄さん、実は凄い人?」
「した事は隠しようもないけどさ、蹂躙された。吸いとられた。」
「その話は後で聞かせてね。乙女ってそんな話が大好きなの。」
「誰が乙女だ。誰が。」
「え?アタシだけど。それより第2分隊の娘に手を出すなら最後までしてよね?」
「ん?普通は手を出すな、じゃないのか?」
「アタシはそんな野暮は言いません~。出すならしっかり出して、子供まで作っちゃいな。」
「おい。出すものが違うとかは突っ込まないぞ?」
「ありゃ?不発?つまんないなぁ。でもね、アタシ達は今を生きてるの。こんな仕事をしていれば戦闘で明日はいないかも。だからこそ未練は残させないで。手を出すならしっかり出して。第2分隊の全員を孕ませてやるぜ!!って言うならしっかり孕ませて。お兄さんが取るべき責任は中途半端に手を出さない事。わかった?」
「あっ、ああ。」
「ハーレムエンドを狙うならアタシは強敵だよ?ニーナ以上だよ?あれ?ニーナ異常だよの方が楽しいかな?」
「誰が異常なんです?」
氷の女王様の登場である。
「ベラ隊長、ゆっくりと、おはなしをしましょう。」
「お兄さん、ニーナが怖いよう。」
自業自得である。
「ケイさんは裏の井戸でしっかり汗を流してください。部屋は3人部屋にしてありますから、ごゆっくり。それから第2分隊の娘に手を出すなら覚悟してください。」
「ニーナさんが立ち塞がると。」
「簡単に逃がす娘達じゃないですよ。あぁ、手を出さなくても覚悟してください。すでに私達の胃袋はケイさんに捕まれていますから。」
「結婚には3つの袋を捕まえろってヤツですか?ニーナさんの国にもあるんですね、そんな話が。」
「結婚・・ではなく男を捕まえるなら、ですが。」
「怖い、怖い。じゃあ、今度簡単な料理を教えますよ。では汗を流してきます。ベラさんの折檻はほどほどに。」
立ち去ったケイの後ろ姿を眺める。
「お兄さん1人で豪傑と穀潰しが釣れたねぇ~。」
「1日銀貨5枚では格安ですね。穀潰しはいりませんが。」
「おまけってのは、付いてくるからおまけだしね。じゃ、また後で!」
「どこに行くんですか。今からお話しの時間です。」
第2分隊は今日も平和であった。
夜、第2分隊の面々は館へと招かれていた。領主への挨拶と、領主からの夕げの持て成しであった。領主に会えるのは隊長であるベラ、副官ニーナ、団長カルナだけであり、ケイ達は広間で簡単な食事の提供を受けていた。ケイは膳を運んでくれるおばちゃんに色々と聞いていた。
「稗と粟と・・赤米かなぁ。その雑炊に、味噌汁。これは漬物?」
「山菜と瓜を塩漬けしたもんさね。」
「あれ?この味噌汁は・・。」
「焼き味噌をお湯で溶かして、里芋のクキを入れたんよ。」
「昆布とか鰹節は?」
「あんな高いもん使えんよぉ。昆布は陣中食用だし。鰹節もお偉い方のもんだよぉ。三好様とか一条様の御城下なら違うんだろうけどさ。こんな山奥じゃねぇ。」
「そっかー。」
「兄ちゃん、昆布とか鰹節が食えるくらい裕福なのかい?異国のお人と一緒だし。羨ましいねぇ。アタイなんて、今回の配膳を玄米1升で引き受けてさ。」
「玄米で?」
「お武家様は玄米のおまんまを食べられるんだろうけど。アタイらはお祝い事の時しか食えないからねぇ。」
アォーーン!
遠吠えが聞こえる。
「あれは?」
「山犬か犬神様だろうさ。」
「犬神様って?」
「小さなお犬様だとか、公家装束纏ったお犬様だとか。アタイは見た事ないからねぇ。人や家に憑いたりもするらしいよ。でもここ数日なんだよねぇ。あんなに吠えだしたのは。」
やっぱり会話は大事だ。知らない事を知るのが、こんなに楽しいだなんて。学校での勉強はあんなに嫌だったのに。
まだまだ楽しい会話は続く。




