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馬鹿馬鹿しい内輪揉めも終わり、第2分隊とケイとの交渉が行われた。

①日給銀貨5枚。

②行軍中はケイの安全を最優先にする。(ケイが負傷すると食事問題が発生するため)

③空き時間にケイに剣・槍・弓の基礎を手が空いている人が教える。

④街や村で買う食材費は第2分隊が負担する。

⑤食堂とかがある場所では調理はしなくて良いが日給は払う。

以上の破格の内容である。

「良かった。ダメだったらお兄さんと駆け落ちしようかと思ったんだよ?」

「そこに俺の意思は?」

「大丈夫。アタシの(しょくよく)があれば、全ての困難は乗り越えられるわ。」

「いや、可憐な乙女風に言っても・・。」

わずか数日だが、この隊に馴染んできたのだろうか。このやり取りも楽しく感じる。


そして無銭ニート騎士カノンの待遇だが。彼女は本当にお金を持っていなかった。普通は隊からはぐれた時のために銀貨1枚は持っておくものらしいのだが。

彼女と第2分隊の交渉は決裂した。途方にくれるニート。哀れすぎたため、ここで救済が行われた。

①カノンはケイに1日銀貨1枚で雇用される。

②第2分隊に寝食を提供してもらうかわりに銀貨1枚を支払う。

③ケイはカノンの躾をし、カノンが第2分隊に迷惑をかけないよう努力する。

④カノンは雇い主であるケイに誠実に仕える。

⑤第2分隊内では家名持ちとはいえ特別扱いはしない。

⑥負傷後から今日に至るまでの費用としてケイに銀貨50枚を支払うこと。


①と②はカノンを第2分隊に置くための詭弁である。③は仕方なく置いてやるからケイが面倒を見ろよと。④は雇われるという自覚を持って働けと。⑤は身分持ち出して厄介事起こすな。⑥についてはベラからの追加であった。

「アタシらと離れた時の保険があった方が良いよ。それにお金であっても繋がりは繋がり。あの穀潰しはお兄さんとの繋がりまで無くなったらダメになる。気付いてる?あの『騎士様』は常にお兄さんを見ている。お兄さんを意識している。お兄さんに依存している。本人も気付いてないみたいだけど。」

珍しく真面目なベラからの発言だった。

「あの穀潰しが立ち直るまでは『借金』させてあげてね。立ち直らなかったら・・・、うーん。たぶん堕ちるとこまで堕ちるね。お兄さんのモノにする?アタシの全テクニックで協力するよ?」

余計な蛇足もあったのだが。


こうして第2分隊にケイ、カノン、カルナを加えた一向は館を中心とした村落へと向かったのであった。

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