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改めて倒れている女を見る。身長は180以上か。落ち着いてくると川の反対側に立派な金属鎧や剣が転がっていた。

「川を渡って俺から魚を奪うために鎧を脱いだのか?」

一応、自分を納得させれるような理由は考え付いた。しかし、これからどうするか。自分1人で皆がいる場所に彼女を運ぶ事は出来ない。鎧や剣の事もある。放置・・・、するわけにもいかないか。

「なにより、あのモヤが何をしたかが怖くて仕方ないんだよなぁ。」

頭を抱えたくなる。



「私はカルナ・ミラノ。ガルインの騎士にして『神聖任務青年隊』第40騎士団団長だ。」

気が付いたのだろう。体を起こしながら話し掛けてきた。先程までの半狂乱の女性ではない。

「先程はすまなかった。ケイ様の雌としてあるまじき事を。謝罪する。」

ん?今、おかしな単語が聞こえた気がする。

「今、なんて?」

「騎士に2度も謝罪を求めるのか!!ケイ様の雌としてあるまじき事をしたと謝罪したのだ。」

???

「ケイ様の雌?」

「そうだ。私はケイ様の雌だ。ん?私は何故ケイ様に襲い掛かった?・・・。私は裸でケイ様に襲い掛かった。」

女も疑問に思ったようだ。

「ケイ様に欲情し、ケイ様に襲い掛かったのか!!」

「違う!何故そうなる!!」

「わ、私は子種を貰えたのか・・・。雌として満足して貰えたののか・・。」

「いやいや。何もなかったですから!何も!!」

「しかし!!私は覚えている。ケイ様が優しく乳首を舐めてくれた事を!!何もなかったはずはない!!」

頭が痛くなる。

「あなたはいつ、俺のめ、め、雌になったんです?」

いかん。照れる。

「生まれた時に定められ、それを先程理解した。」

・・・。

「ま、まずは服や鎧を着てください。それから話しましょう。」


川向かいから戻り、鎧を着た彼女は圧倒的な存在感だった。大剣や鎧は汚れている。それでも輝いて見えた。

「これは、どういう状況でしょうか?」

そんなタイミングで、ニーナが近付きながら問い掛けてくる。

「ケイさんが遅いから探しにきてみたら、『ガルインの戦闘鬼』と一緒とは?」

「この距離まで私に気配を感じさせず、その足運び。あんた『犬』だね。密偵ごときが何の用?それとも『蛇』かい。」

立ち上がったカルナが大剣を片手で構えて威嚇する。

「私は状況を聞いているのですが。」

あくまで冷静にニーナは訪ねる。

「言う必要があるのかい?それに私の後ろに回ってどうするつもり?私を殺すなら数が足りないよ。」

「バレた?」

笑いながらベラも登場する。

「いちお、確認するよ?アタシは『神聖任務先遣隊』第2分隊隊長ベラ。お姉さんは?」

「私は『神聖任務青年隊』第40騎士団団長カルナ・ミラノ。これでいいかい?」

「今は味方、ですか。」

ニーナがどこか残念そうに呟く。


ガサガサガサ


草を掻き分け、何かか近付いてくる。現れたのは血塗れのオッサン。

「ベルドラン殿?」

カルナの知り合いのようだ。

「『剛槍ベルドラン』?あのベルドラン?」

ベラは興奮している。

「誰?」

思わず声に出してしまった。

「『神聖任務青年隊』第31騎士団団長ベルドラン・サーペント。」

「『剛槍ベルドラン』。10年前に御前試合10連覇を達成した神聖帝国の英雄だよ!知らないの?知らないの?」

「辺境の魔物退治でも有名です、神聖帝国では。ただ大貴族の馬鹿息子から女性を救い出した事が有名になりすぎ、大貴族のメンツを潰したとして書庫整理に左遷されたはずですが。」

凄い人らしい。

「ふう。寝させて・・くれ・・!何人逃げれたか、わかる・・か?」

倒れて寝てしまった。血は流れ続けている。どうやら千客万来、厄介事万来のようだった。

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