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「これが食べ物の味なのよ~!!」
「生きてるって素晴らしい。」
「神様、この出会いに感謝します。」
乙女達からは食べ物への喜びの声が上がっていた。
「ウチらは狩る、切る。くらいしか出来ないからなぁ。隊長なんて生肉食べてたもん。」
「それで無事なのが隊長らしいというか。」
「何よー。何よー。アタシだって肉を食べたいのよー。」
彼女達はかしましい。鎧を着て、武器を携えていなければ普通の女性のようである。
カノンは治癒師の治療を受けた後に馬車で寝ている。若干拗ねているようでもあったが、今は穏やかな寝息をたてていた。
「それで今は何をしてるん?」
ケイは借りた鍋でウサギの骨から出汁をとり、ウサギの肉を煮込んでいるところであった。
「味付けは塩くらいですけど、ウサギのスープを作っているんです。」
「スープやて!?」
まるで怪物が現れたかのように叫ぶ。
「どうしたの?スープって聞こえたけど。」
ベラがヒョッコリと現れ、鍋の中身を見て摘まみ食いをする。途端、ワナワナと身体を震わせた。
「あれ?味付け、失敗した?アク取りも時間かけたのに。」
「お兄さん!!」
そう叫んだベラにガッシリと肩を掴まれた。
「アタシと結婚しよう!!毎日アタシのためにスープを作ってくれ!!」
「何を馬鹿な事を叫んでいるんですか。」
鞘に入ったままの剣で冷静なツッコミをする副官ニーナがそこにいた。ワイワイ言いながら皆も集まってきた。
そして皆で飲んで、食べていく。
「あれ?俺のスープは?」
素朴な疑問は無視された。
「スープだ。スープだ。久しぶりのスープだ。」
「あぁ、暖まる。」
「神様、これは悪魔の誘惑です。」
「あかん。ウチは第2婦人でええわ。これからよろしゅう。」
そしてベラに掴まれたままの肩に副官ニーナの手が置かれた。
「合格です。飢えとは恐ろしいものですね。貴方が第2分隊に加入する事を許可します。」
「いや、軍隊に入るつもりはないんだけど・・・。」
「問題ありません。私が申請し、私が許可します。」
「いや、料理なんてこれくらいしか出来ないし。」
「充分です。街で美味しい料理が食べたいなら食堂に行きます。しかし、戦場でまともな物を食べられるなら悪魔にだって隊長を売りましょう。」
「え?そこは売るのは自分の魂じゃ。」
「私の魂は1つしかありませんから。それに隊長は悪魔に売られても平気な顔して戻ってきそうですし。」
妙に説得力がある。周りの女性達も頷いていた。
「さて、貴方が隠し持っている鳥の肉はどんな料理になるんでしょうか。」
ニーナが爆弾を落とした。
「私、初めて街で見かけた時から貴方の事が好きでした。」
会ったのは森の中だよね?
「神様の前で2人で誓いましょう。2人の愛は鳥肉を食べ続ける限り永遠だと。」
短いよ!!なんだよ、その愛は!!
「兄ちゃん、ウチの下着に興味ないか?今夜鶏肉料理を持ってウチのとこまで来てな。」
どんな夜這いだよ!!
「私、信じてるわ。私達の赤ちゃんのために鶏肉を持ってきてくれるって。」
もう勘弁してよ。
助けを求めてニーナを見る。
「え?私を求めるんですか?初めてですから優しくしてください。鶏肉で結婚を申し込まれるなんて。」
ニーナは顔を赤らめつつ呟やいた。
「なんでじゃーー!!」
ケイの叫びは月夜に響く。
「確かにからかうと面白いですね。」
無表情に戻ったニーナはどこか満足そうであった。




