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燃える焚き火の側に残ったのはベラとその副官ニーナだけであった。
「どう思いますか?」
「美味しそうな魚ね。待てるかな、アタシ。」
「彼、どう見ます?」
「素人よね、完全に。でも戦おうとしていた。」
「ええ、剣に手を掛けずに。」
「つまり、素人でも戦えるスキルを持っている可能性があるか。もしくは。」
「現実が見えていない可能性もある・・、と。」
「アタシは何かある方に賭けるわ。その方が面白いから。」
「貴女の面白いは当たるから嫌なんです。他には?」
「からかったら面白そう!!」
「オモチャ確定ですね。皆に通知して遊びましょうか。『騎士様』については?」
「こんな所で負傷しているのが気になるなぁ。寄せ集めで来たとはいえ、将軍と団長クラスはそれなりでしょうに。」
「想定外だと?」
「敵は『旧き堕ちた水神』。とはいえ今じゃ力を失ってドラゴン以下よ?水魔を産み出すでっかい水蛇でしかないの。」
「それが脅威なんですが。」
「倒すのはアタシじゃないから問題はないわ。問題はその『旧き堕ちた水神』がどうやってアタシ達の国からヒノモトへ来たのか、なのよ。名目は世界に借りを返すとか言ってるけど、あの水蛇の正体がバレる前に討伐する。それが派遣隊の本当の目的なのよねー。」
「派遣された者達は?」
「知ってるのは将軍クラスだけじゃない?」
「悲惨ですよね。」
「あら?アタシ達も変わらないわよ?ヒノモトの隣国、『紂帝国』と腐敗した貴族が絡んでる事まではわかったんだもの。でも証拠がないの。必要ならあの『紂帝国』に行かなきゃいけない。」
「死体が発見されれば幸運、ですか。」
「それでも行くのが『宰相の猟犬』の役割ね。今の平民騎士としての役割が好きなんだけどなぁ。」
「聞かなかった事にします。」
かしましい女達の声が聞こえてきた。
「裏の任務はあの娘達には教えられないわね・・。」
ベラは嫌そうに肩をすくめるだけであった。
移動前にカノンとベラの対談が行われた。
「『神聖任務先遣隊』第2分隊隊長ベラよ。任務内容は本隊が通行する許可を得る事と説明ね。貴女の所属と状況を教えなさい。」
「な、平民騎士が偉そうに!!」
「アタシは分隊長。貴女はそれ以上かしら?」
「くっ、『神聖任務青年隊』第37騎士団正騎士、カノン・ビールだ。」
「で、状況は?」
「第37騎士団が単独で行軍中に敵に遭遇し、敗走した。それだけだ。」
「遭遇した場所は?状況は?敵の規模は?」
「分からない。・・。もういいか?」
「ええ、休んでいいわ。馬車には治癒師もいるから安心しなさい。」
運ばれていくカノン・ビール。
「分かったのはあの騎士が無能って事だけですね。」
副官ニーナは辛辣であった。




