遊び人、バベルに向けて歩く道中・2
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昔のことを夢に見た。明晰夢とまではいかないものの『夢』である自覚があった───離れた3人との旅の記憶故にだ
◆【昔の話】
「喰らいなさい、私の最強魔法───火炎球」
『見習い魔法使い』
───アイーザ・ディ・インザーギ
『火炎球』───魔法の基礎を学ぶ上で最も最初の魔法『小火灯』の上位に当たる魔法である
彼女が連発していたそれは、魔法の中でも『連射が効き』総合的な手数と『与える被害』は全体を通して見ればある意味で『最強の魔法』だ
しかし、連射が効くということはそれだけ『魔力』を失うことになる───それを『道具』で補うのが定番となっていた
「平民が私に触れるな!」
気絶した彼女を背負う。何度行っても改善されず、戦線を離脱し、気絶から起きればキレ散らかす
◆【起きる】
夢の続きは彼女がした『平手打ち』によって目を覚ますことになった
「朝か…」
鳥の鳴き声で更に意識が引き上げられた『黒い布』を剥ぎ取り、朝日に身を晒す
◆【揺り起こし】
「ティナ、起きな。食事にするよ」
彼女は目を擦りながら彼女が起き上がる。装備を外し、無防備な姿の彼女に『顔拭きの布』を手渡した
「眠気を覚まして、準備を」
「ふぁ〜い」
顔を拭いた後、徐に装備を改め始めたので目を逸らす
「パーティの中に異性がいるなら
その手のことに気をつけてください」
いきなり服を着替え始めるなんて、親は何で教育をしていたんだ
「…あ、すみません
変なものを見せてしまいましたよね」
「【別に変ではありません
劣情を掻き立てたなら人攫いの悲劇が
また起こりかねないと言っているんです】」
◆【くどくど】
人前で肌を晒すことの危険性について彼女に説く、まだ幼い彼女が『戦士』として成熟する上でも『女性』として『成る』上でもこの『問題』には幼い時から『説明』する必要がある
「…ディランさんは大きな胸の子は好きですか?」
何を藪から棒に聞いているんだこの子は
「【人並みには】」
おい、答えんじゃねぇよ【職業柄】
「よかった」
「はぁ〜…
もう、いいから、速く支度をしなさい」
「はぁ〜い」
「だから恥じらいを…」
◆【支度を終えて】
食器を片付け、出発する───今日の行動方針は近くの街で『財産』を下ろすことだ。この娘は危う過ぎる。兎にも角にも装備の新調を進めないことには身体が持たないだろう。それにはバベルに行く必要がある
「近くの街で転移魔法陣を使いましょう」
「え?このまま私は、歩いて行っても」
「俺もこのまま行くつもりでしたが
昨日のことで方針を変更せざるを
得なくなりました」
「うっ…」
「パーティ行動が初めてな上
野営に不慣れ、暗闇が怖いことは分かりました」
「ぅうっ…で、でも。アレは」
「でも"も"何もありません
一文惜しみの百知らず
転移魔法陣でバベルに戻ることを優先しますよ」
「でも、お金は…?」
「俺が出すので気にしない」
「そんな悪いです!…もしかして」
「その分働いて返してくれればいいから」
「むぅ…」
◆【シャメル・クライ】
便利屋時代に訪れて以来の街だ。ここでも『傍若無人』の限りを尽くし、散財したことを思い出し、とても申し訳ない気持ちになる
「さて、行こうかな」
「え?ディランさん。ギルドはそっちでは…」
「あぁ、俺が使ってるのはギルドじゃないからね」
「へ?」
◆【古びた預かり所へ】




