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3話「進む者」

この作品に興味を持っていただきありがとうございます!

第3話です!

 ダンジョンに入ってから俺達は

 討ち漏らされた魔物を片っ端から掃討するため剣を振るっていた

 討ち漏らされた魔物とはいえ、生き残ってるんだ

 倒された魔物よりかは賢いはず

 気ぃ引き締めていかねぇと

 ……そこの横穴、なんかいるな 

「ミフュ、横穴から!」

 次の瞬間右側の横穴から飛び出てくる魔物がいた

 ゴブリンか……!

 ヴェインの合図と同時に魔物目掛けて大剣を振り

 岩壁に向けてなぎ払う

 グシャッと音を出し勢いよく岩壁に突っ込むゴブリン

「わかってるぜ、けど合図ありがとな!」

 なんで1匹なんだ?

 今しがた倒したゴブリンを観察しながら考える

 このゴブリン、入り口から近いからかそこまで強くねぇな

 だが、ならなんで先陣切ったやつらに倒されなかったんだ?

 考えに浸っているとヴェインが疑問を呈した

「どうしてこんなに弱いのに残ってたんだろうね……」

 …………

 隠れる知能はあるってことかもしれないな

「仮に知能があるなら、ここから先も気をつけるぞ」

 早く前戦に追い付かないと

 そうこう考えてる内に音の元と距離が離れちまった……

「ヴェイン、急ぐぞ」

「早く合流しないとね」

 洞窟を道なりに走り、前戦を目指す

 もちろん魔物に奇襲されないように気を張りながら

 前戦はまだ先か?

 道がぐねぐねしてて、どこら辺かわからねぇ

 戦闘音のする方向は、右だな

 それに近くからまた気配がする……数が多い

「ここを右だ!」

「了解」

 音のする方向に曲がった、瞬間

 バサバサバサッ

 天井に空いた穴からコウモリ魔物が続々と出てきた

 上だったか!

 大剣を振り回すが、空中にいるからなかなか当たらない

 せいぜい、2回に1回くらいか……

 くそっ!ちょこまか飛びやがって

 一体、何体いるんだよ、こういう時火が使えれば

 けどここは空気が通ってない

 火は酸素を消費する、自殺行為だ

 時間かかるが、地道に……なのか?

 するとヴェインが槍を巧みに使い、岩壁に飛び乗る

「援護するよ」

 凸凹(でこぼこ)した岩壁に走って飛び乗り

 コウモリ魔物を槍で斬る

 あんなに身軽に岩壁って登れるんだな……

 まぁ、それは置いといて

「助太刀ありがとな!」

「どういたしまして」

 槍って空中にいる標的にも届くのか……

 俺の大剣だとあそこまで素早くは動かせない

 そうこう思っている内にコウモリ魔物が、後数匹になった

「これで、最後!」

 ふぅ、やっと終わった……

 すばしっこかったな

 ちょっと疲れた、けど早く合流しないと

 前戦の音の位置が止まったから追い付けるはずだ

「……次だ、行くぞ」

「うん、早く向かおう」

 ダッダッダッ

 周囲に気を付けながらも、なるべく速く走る

 早く前戦に参戦するために

 キィン

 ドカァン

 音が近づいてきた、後少しか

 って言っても、その前に、もう1匹気配が……はぁ

「ヴェイン、1匹どっかにいる、気をつけろ!」

「わかった」

 1匹なら走ってるついでに斬り倒して行けるか?

 なにかにもよるが

 まぁ、なるようになれ

 横穴から見えたのは……針?なんのだ?

 次の瞬間出てきたのはサソリの魔物だった

 サソリかよ

 まぁいい、地に足つけてるやつだ

 シュバッ

「一刀両断じゃないか、見事だねミフュ」

 これくらいなんてことねぇよ

 1匹だったしな

 逆にさっきみてぇな空飛ぶやつだったら

 イラついてたかもしれねぇ

 前戦まで後少しだ、すごく近い

「そこを左に行ったとこが最前線のはずだ」

「そうみたいだね、僕にもすごい音が聞こえる」

 それにしても、戦ってるわりには叫び声的なのも聞こえる

 一体前戦では何が起こってるんだ?

 俺らはつきあたりまで走り、左を向いた

 …………は?

「なんでこんなことになってんだ……?」

 目の前には魔物と戦う戦闘班……だけではなかった

 地面に倒れるハンター

 負傷者を応急処置するヒーラー

 散乱する剣

 そして、鉄っぽい臭い

 そこは、阿鼻叫喚で溢れ返っていた

 あまりの惨状に唖然としていると

 ヴェインの言葉が聞こえ、我に返る

「加勢しよう、ミフュ、呆けてる場合じゃない」

 そうだな、呆けてる場合じゃない、今出来ることをしないと

「加勢するぞ、ヴェイン」

「あぁ!」

 前戦に飛び入ると、声をかけられた、応急処置をしているヒーラーに

「そこの君!今来たのか、見ての通り負傷者が多すぎる!手伝ってくれ!」

 そのヒーラーの傍には痛みに悶える負傷者がいた

「痛いっ……」

 なんて傷だ!早く外に運ばないといけないじゃないか

 けど、この戦況だとそう簡単には離脱できそうにないな……

「ヴェイン、お前は負傷者を後ろに下げてくれ!」

「わかったよ」

「後、そこのヒーラー、動けるやつに言っといてくれ『ここまでの道の魔物は全部片付けたから安心しろ』ってな」

 ここに来るまでの魔物は片っ端から倒した

 だから、安心して負傷者を外に運べるはずだ

「俺も魔物を倒しに行ってくる」

「頼んだよ、ミフュ!」

 おうよ!と返事を返し、戦闘に参加する

 今にも魔物に飛び掛かれそうなハンターが目に入った

 まずはあれから!

 ハンターと魔物の間に割って入り、魔物の攻撃を弾き返す

 ガキィン

「お前、大丈夫か?」

 助けたハンターがまさかの出来事に固まる

 死ぬところだったしな……無理もねぇ

「ぼーっとしてんな!早く立て!」

「ぁ、あぁ、すまない」

 そのハンターは近くに落ちていた剣を拾い

 また、戦おうとしたのか走り出した

 いや……あいつそこまで戦う余力あるのか?

 応急処置や負傷者運び出す役に回った方がいい

「お前はヒーラーの補助をしてくれ、ここは俺に任せろ!」

「あ、わかった、お前も頑張ってくれ!」

 後ろにいる負傷者を全員運び出すまで……

 1匹も通せないな

 大剣を前に構え、握り締める

「こっから先は、通さねぇぞ!」

 その宣言とほぼ同時、飛び掛かってくる狼の魔物が前方から3匹現れた

 一気に3匹もかよ

 まぁいい、かかってこい

 3方向からこちらに向かってきた

釜居太刀(かまいたち)!」

 疾風が俺の周りを渦巻き、飛び掛かってきた魔物に傷を付ける

 キャイン

 魔物が吹き飛ばされ、少し離れた場所に着地する

 ガヴゥ

 ……奥に、まだ2匹いたのかよ

「かかってこいよ、魔物共!」

 ガルゥ

 と鳴き声を上げ、一斉に飛び掛かってきた

 一気に5匹もさばけるか……?

「スロウへイズ!」

 その声と共に背後から飛んできた水の槍

 ヴェインの魔法か、助かった

「大丈夫?ミフュ」

「ありがとな!負傷者の退避は済んだか?」

「済んだよ、代わりのハンターも来たからあっち預けてこっちに来たんだ」

 退避は済んだのか……良かった

 魔物も倒されてきたからか、周りも少し余裕が出てきたようだな

「お邪魔だったかな?」

「そんなわけねぇだろ」

 ヴェインも冗談言えるくらいになったか

 とはいってもここはまだ戦場だぞ?冗談言ってる場合かよ

 ヴェインと魔物の前に立ちはだかる

 この山場を越えれば……一休みできっかな

「さて、行こうか、ミフュ!」

「あぁ、戦おうぜ、相棒!」

 ドカン

 ドカン

 魔物を俺の大剣でなぎ払い空中に打ち上げ

 ヴェインが魔法を命中させ倒す

 を繰り返し、ボス部屋に向かった


 ……やっと、倒しきった

 うなだれるように膝に手をつき、肩で息をする

 呼吸を整えた後

 顔を上げるとすごく広い空間に俺は立っていた

「ついた、のか?」

「やっとだね……」

 ワァァァ!

 一緒に突き進んでいたハンター達が一斉に歓喜の声を上げ

 静まり返る、皆、疲労困憊だもんな

 本当に……着いたんだな、着けたんだな

 あとはボスか、目の前にある扉の向こうにボスがいるのか?

 それもそうだが……まず、休憩してぇ

 足の力が抜け、地面に座り込む

 ほんと……疲れたなぁ

 目を瞑って休んでいるとマスターの声が聞こえた

「これより先はボス部屋だ、行くか行かないか決められるのはここが最後だぞ!行かないものは引き返してもらって構わない」

 まだ声張り上げる元気あるのかよ

 よくやるぜ……

 少しずつ周りから声が聞こえてきた

「俺はもう無理……体力限界」

「武器も、ボロボロ」

「私ももう、ヒールは……」

 そうだよな、あんな惨劇になっちまったんだ

 武器や体どころか心もズタズタだろう

 少し経った頃、少しずつ帰っていくハンターが現れ始めた

 帰っていくハンターが口々に呟いていた

「遺物、欲しかったけど……」

「これ以上命を賭けられない……」

 それにつられてかぞろぞろと踵を返していく

 これ、ボス部屋行くの何人になるんだ?

「なぁヴェイン、これ何人残るだろうな」

「そうだね、ほぼ残らないんじゃないかな……」

 しばらく経つと帰るものはいなくなった、残ったやつらは覚悟を決めたみてぇだな

 ダンジョンに入る時はあんなにいたのに……今は10数人かよ

 大体半数がこの広場に着いたはずだ

 半数近くの死傷者が出たってことか……

 その中に死んだやつもいるだろうな

 これで行けるのか?

 考えに没頭しているとマスターが皆に声をかけた

「30分程休憩の時間を設ける!休むも良し、干し肉を食うのも良いだろう、だが準備はしておけよ!」

 休憩か

 やっと本気で休めるのか……まぁ、30分だが

 何して過ごそうか、干し肉、そういえばあったな

「ヴェイン、干し肉食うか?」

 ヴェインに干し肉を差し出す、こいつもお腹が空いてるだろ

「貰ってもいいの?ありがとう」

 俺らは壁際に行きもたれ掛かり、ひとときの食事をすることにした

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(*´▽`)

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