第20話 ハイレグのあの部分ってセクシーだよね
「お、小野寺さん……お、落ち着いて……」
「綾人くんが見てきたんだよ♡」
「それはそうだけど、小野寺さんが――」
「わたしがなに?♡」
うちのクラスの出し物はメイド&執事カフェに決まった。
そして、迎えられた文化祭の準備期間。
俺は劇の練習以外に、なぜか執事に選ばれたから、今は空き教室でほかのメイドと執事と一緒にプレオープンをしている。
空き教室は、簡易的にカフェの形へと整えられていた。
並べられた机には白いクロスがかけられ、即席とは思えないほどそれらしく見える。
クラスメイトたちも、それぞれメイド服や執事服に身を包んでいて、普段とは違う空気が漂っていた。
「綾人くん、こっち手伝ってくれる?」
名前を呼ばれて振り返ると、小野寺さんがにこりと微笑んでいた。
その笑顔は、いつも通り柔らかい。
……はずなのに。
なぜか、嫌な予感しかしなかった。
「な、なにすればいいの?」
「簡単だよ、お客様役、やってほしいの」
「お客様?」
「うん、わたしがちゃんと接客できてるか、見てほしいなって」
そう言いながら、小野寺さんは俺の手首を軽く掴んだ。
そのまま、空いている席へと引っ張っていく。
断る隙なんて、最初からなかった。
「はい、ご主人さま、こちらへどうぞ」
椅子を引かれて、半ば強制的に座らされる。
周りにはクラスメイトもいるのに、不思議とこの一角だけ切り取られたみたいに静かだった。
「……小野寺さん、これ練習だよね?」
「もちろん♡」
にこり、と。
完璧な笑顔。
でも――
その目だけが、まっすぐ俺を捉えて離さなかった。
「ご注文はお決まりですか?♡」
ゆっくりと身をかがめて、顔を近づけてくる。
距離が近い。
近すぎる。
甘い匂いがふわっと漂ってきて、思考が鈍る。
「え、えっと……おすすめで……」
「ふふっ、じゃあ、わたしのおすすめにしよっか♡」
意味深に笑う小野寺さん。
そのまま、テーブルに手をついて、さらに距離を詰めてくる。
「ちゃんと見ててね、綾人くん♡」
耳元で、囁かれた。
ぞくり、と背筋が震える。
「これも、練習だから♡」
その一言が、やけに強く響いた。
「―――ッ!?」
次の瞬間、小野寺さんのスカートがたくし上げられた。
そして、見えてくる白いパンツ。
しかし、それは普通のパンツじゃなかった。
いわゆるハイレグのような、脚の付け根より上が丸見えの布地。
ノーパンよりいやらしい。
「お、落ち着いて……小野寺さん」
急いで辺りを見回す。
幸い、誰もこっちを見ていない。
「ねえ、触って♡」
またにんまりとした笑顔を浮かべた小野寺さん。
「ど、どこを……?」
「綾人くんの好きなとこ♡」
好きなところ?
ハイレグを履いてる女の子の触りたいところと言ったらあそこしかないだろう。
俺は足、尻に続いてパンツが好きだ。
それもサイドが細ければ細い方がいい。
腰のラインにかかる部分は、パンツの生命線と言っても過言じゃない。
それほど、それは完成された美学なのだ。
しかし、ハイレグとなると話は別だ。
普段パンツに隠されている鼠径部。そのちょい上が丸見えになっている。
それは俺の性癖のど真ん中だ。
すこしぷくりとした肉がたまらない。
言うなれば、いつも靴に隠れている足よりも貴重だ。
ノーパンよりも、少し布地に覆われているからこそ、エロさが強調される。
「いやんっ♡」
だから、俺は小野寺さんのそこをつついた。
指が沈むのに、跳ね返してくれる。
指先に伝わる、柔らかさと弾力。
思わず息が詰まった。
こんなところ、触っていいはずがない。
分かっているのに、指が離れない。
「ふふっ……♡」
小野寺さんはくすぐったそうに笑いながら、じっと俺を見下ろしている。
その目は、やっぱりどこか楽しんでいた。
「どう?♡」
「ど、どうって……」
声がうまく出ない。
頭がぼんやりして、何を言えばいいのか分からなくなる。
ただ一つ分かるのは――
この状況が、まずいってことだけだった。
「綾人くん、顔真っ赤だよ♡」
「そ、それは……!」
言い返そうとして、言葉に詰まる。
その間にも、小野寺さんは距離を詰めてくる。
そのたびに、指が小野寺さんのあそこにめり込んでいく。
「もっとちゃんと触って?♡」
囁くような声。
でもその一言で、体がびくっと反応してしまう。
「これも練習なんだから♡」
またそれだ。
都合のいい言葉。
でも、それを否定できる理由が俺にはない。
だから――
俺は今度は反対側のほうに手を伸ばした。
触れた瞬間――
びくり、と。
さっきよりもはっきりとした反応が、指先に返ってきた。
「んっ……♡」
小さく漏れた声に、心臓が跳ね上がる。
やばい。
ほんとにやばい。
さっきまでは、ただの悪ふざけだと思っていた。
でもこれは違う。
完全に一線を越えている。
分かっているのに、手が止まらない。
むしろ――
もっと確かめたくなってしまう。
「ねえ、綾人くん……♡」
上から落ちてくる声は、さっきまでより少しだけ甘くて。
でも、その奥にあるのは変わらない。
「わたし、ちゃんと感じてるでしょ?♡」
「……っ!」
言い返せない。
だって、小野寺さんの反応は事実だから。
頭の中がぐちゃぐちゃで、まともに考えられない。
ただ、目の前の感触と――
小野寺さんの視線に、全部持っていかれている。
「もっと、綾人くんも感じてよ♡」
くすっと笑いながら、さらに距離を詰めてくる小野寺さん。
逃げ場はない。
最初から分かっていたことだけど。
それでも――
もう、戻れないところまで来てしまった気がした。
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