第18話 紅茶の使い方絶対間違ってるよ!
「ねぇ、綾人くん、なんで黙ってるの?」
「小野寺さ……琥珀が静かにしてって……」
「それじゃせっかくのデートが台無しじゃない♡」
ウィンクする小野寺さん。
つまりは《《これ》》に関する発言はダメだけど、会話は続けて欲しいってことか。
果たして、そんな器用なことは俺にできるのだろうか。
小野寺さんの足、指が思い切り左右に開かれていて、それがもっとも俺の性癖を刺激する形になっている。
そして、俺のもっこりとしている部分を包み込むように、小野寺さんの足は丸められていた。
華奢なのに、美しい。
くるぶしは控えめに自分の存在を主張していて、俺の心をくすぐってくる。
視覚に触覚。
もはや脳が沸騰しそうになっていた。
「ねぇ、綾人くん♡」
視線を小野寺さんのほうに戻すと、彼女は楽しそうに笑っている。
「恋バナをしようか♡」
「え?」
突然の提案に、俺は思わず息を飲んだ。
恋バナ?
恋バナだと!?
彼女いない歴=年齢(しかも2倍)の俺に恋バナなんてできるわけがないよ、小野寺さん。
「あのね、一つクイズ出すから、当ててみて♡」
「う、うん」
でも、当然俺には断る権利がない。
なにせ、小野寺さんの足が俺のあそこを握っているわけで。
「わたしの好きなひとはだ〜れ♡」
「ぶふぉーっ!?」
「あら、綾人くんはこういう趣味もあるんだ♡」
俺の口から吹き出したアールグレイが、勢いよく小野寺さんのブラウスにかかってしまった。
少しだけだが、薄紫色のブラが透けて見える。
だが、それはいい。
俺はおっぱいにあんまり興味がないから、ここで動揺することはない。
でも、違うんだ。
小野寺さんが風邪をひいてしまわないか、それだけが心配だ。
「ごめん……ふ、拭かないと風邪ひくかも……」
「じゃ、綾人くんが拭いて♡」
「え?」
「はやく♡」
おしぼりを持って、ゆっくりと小野寺さんの胸に当てる。
上下に動かそうとした瞬間、手が沈んでしまっていた。
柔らかい。
腕に当たっていた時よりも鮮明に感じる小野寺さんのおっぱいの弾力。
けど――
「♡」
目をハート状にしている小野寺さんはくすくすと笑っているが、俺はせっせと濡れていた箇所の紅茶を拭き取った。
うーん、やはりイマイチだったな。
俺にはどうしてもおっぱいの魅力が分からないんだ。
小野寺さんのおっぱいに触れてもなにも感じなかった。
強いていえば、小野寺さんが全裸で土下座していた時の横乳は魅力的に見えたが、そんくらいだ。
それより、動く度に小野寺さんの足と擦れるから、股間に血が集まっていく。
「さっきより大きくなってるね♡」
「これは……その……」
「いいよ♡」
小野寺さんは足の指を閉じたり開いたりして、俺のあそこを刺激してくる。
それがくぱぁと開かれた時に見える足の形は、最高に俺を興奮させていた。
そう、俺は足の裏だけじゃなくて、思い切り開かれる足の指も大好きなのだ。
「ねぇ、綾人くん♡」
「うん?」
「ジロジロ見てないで答えてよ、わたしのす・き・な・ひ・と♡」
またきたか。
さっきはどさくさに紛れてうやむやにしようと思っていたのに、小野寺さんはこの話題を忘れていなかった。
正直、答えたくない。
それは自分のことだとは言えないけど、かと言ってほかの人の名前を出して、それで小野寺さんは「正解♡」なんて言ったら落ち込む自信はある。
おもちゃにされているけど、俺は小野寺さんとの時間は嫌いじゃない。
だから、ほかの人のことを好きになって欲しくない。
これはわがままなのだろうか。
きっとそう。
これは俺のわがままだ。
柏木さん、小野寺さん、それに白雪さんと話すようになってから、俺は毎日が少しずつ楽しくなってきた。
友達の少ない、というかいない俺には、彼女たちのことが友人のように思えた。
だから……。
「答え……たくない」
俺はそのまま正直に答えた。
「ふーん」
すると、小野寺さんは考え込んだ。
「いいこと思いついた♡」
でも、それもつかの間だった。
小野寺さんは弾んだ声で笑みを浮かべる。
そして――
「ふーふー」
と自分のアールグレイに向けて息をふきかけた。
「熱かった……?」
「ううん、《《綾人くんには少し熱いかなと思って》》」
意味が理解できずに黙っていると、小野寺さんは一口アールグレイを含んだ。
「いい感じ♡」
「えっ?」
小野寺さんの足は俺のズボンを掴んだ。
さっきより圧力が凄い。
今ならもう少し刺激を加えられたら俺はきっと……。
「ト、トイレ行かせて……!」
「だーめ♡」
俺を逃さないように、小野寺さんはさらに足の指に力を入れる。
このまま立ち上がったらズボンが引きずり下ろされそうなくらいだ。
「お願い! 小野寺さん―――ッ!?」
俺は小野寺さんの足をひっぺがそうと彼女の足を掴んだその瞬間――
股間を赤い液体が包んだ。
小野寺さんが自分のアールグレイを俺のあそこに注いだのだ。
さっきから限界を迎えていた俺のあそこに、突如として温かい紅茶をかけられた。
だから、俺は為す術もなく……。
「気持ちよかった?♡」
「…………」
「今度はちゃんと答えを準備しといてね♡」
「…………」
「それじゃ、またね、あ・や・と・く・ん♡」
一人取り残された俺は放心状態になっていた。
『だからお前さん、あれほど忠告していたのに……』
俺はズボンが乾くまでの間、店を離れることができなかったのだった。
二度あることは三度あるという。
だから、俺は薄々予感していた――
今度は白雪さんの前で出てしまうんじゃないかって……。
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