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第8話 偽りの凱旋

こんにちは初めまして、本作を開いて下さりありがとうございます、今回も最後まで読んでくださると嬉しいです。

騎士団員一人、団長、副団長による一体、旅人2人による2体の未知の魔物の討伐、騎士団全体による魔物の軍勢の撃破の情報は瞬く間に王都中を駆け回った。王都の民達は門の外から帰ってきた団長と副団長、ルーシア様を迎え歓声を上げ、城壁上の騎士たちも3人に敬礼をし迎える。


外から来た旅人と偽る守護神とその補佐は倒した敵が塵となった後、その神秘の行く先を観察していた


「やっぱり森だね、ただ森の中に行った時、そこから本体の場所は分からなかった、森に神秘が入ってから一切の痕跡が消えた、ここを解決しないとか〜」


「次敵がどう動くかも分かりません、倒しきれなかった以上は王都に留まるべきかもしれませんね」


そう意見を交わしていると、以前ここで見た、黒いウェディングドレスを着た女性が現れ、鎌を振るう。

すんでのところでラナンさんの神秘によって後ろに吹き飛ばされ事なきを得る。


「外しましたか、やはりこの者は強いのですが、強すぎですね、操作が難しい...一体私が知らないうちにいつこんなものと戦ったのですか?」


そういいその女性は聞いたことのある声でラナンさんに問いかける。


「ラナンさんそいつが恐怖の災いの本体の声です」


「そうだろうね、強い神秘、前回と違いある程度操作できてる」


「随分と焦ってるのかな、私の恐怖を使って不意をつき、早々にケリをつけようだなんて、さっきまで見たく軍勢でのゴリ押しは諦めたかな?」


「あれは人を殺すための軍勢です、あなたたちを殺すのには足りないでしょう、それに標的がテリトリーに来たのなら殺すのは当然でしょう?」


そういいながらも手に持つ鎌を消してまた口を開く


「とはいえやはり今の私では貴方達は倒せません、なので別の国を襲うことにしまし、」


「それが出来ないのもわかってるよ、この周囲にあるのはせいぜいが小さい村、まぁ今はそこの人達も王都に避難させてある、別の国の位置も教えてもらったけど、ここより大きい、あるいは同等の他の国はかなり遠い、そんな遠方まで能力を維持させられるのかな?」


「そこまでバレてるのですね、なら隠すのも意味はありません、3日後また国を襲います、いえ次は確実に滅ぼします、嫌でしたら守って、私を殺すことです、では」


そういい、声と一緒に女性は軽く手を振る、顔はもちろん、その声すら感情の起伏が分かりずらい。


霧が立ち込め、気づくと森の外に出されていた、少ししてラナンさんも森の中から出てくる。


「私だけ外に出されましたが何もありませんでしたか」


「何もされてないよ、ちょこっとからかって来ただけだよ」


悪戯に笑ういつもの彼女だ。王都から歓声が聞こえる


「ひとまず戻りましょうか、報告内容が増えましたし、あと」


そういい、引っかかっていた疑問を共有する


「ノイズがこちらにいると言っていましたが、なにか分かりますか?」


そう聞くとおもむろに首をかしげ、すぐに回答を出す


「私"達"のことだと思うよ、相手からすれば人滅ぼそ〜してたらめちゃ強い人来たんだから、ノイズというか想定外だったんじゃない」


そうかもしれない、拭いきれない疑問は残るも、分からない以上、それは漠然とした不安となった。


王都に戻ると、辺り一帯が歓迎ムードだった。騎士団のトップクラスと一緒で、強力な魔物を単独で倒した英雄、

民からの握手やら抱擁やら、プレゼントが絶え間なくラナンさんと私を襲った…

やっとの思いで城に着き団長たちと合流する、そこで先程話した事、3日後、また襲ってくると、次はさらに手強いかもしれないこと。

しかしそれを聞いても、緊張こそすれ、絶望しているようには、誰も見えなかった


「今回で終わらなかったのは残念だが、こちらの今回の損害はほぼ無いに等しい、おぬし達もいるなら恐れるに足らんだろう」


団長含め、副団長、ルーシア様も任せろと言わんばかりに不敵な笑みを見せ、敬礼する。


部屋に戻るとリリーが勢いをつけラナンさんに抱きつく


「巨大な魔物が見えて、怪我はありませんか?」


「心配してくれてありがと、だいじょぶ私たち強いからね」


そういいリリーを高い高いしながら部屋に入るラナン、ついて行こうとすると、裾を引っ張られる


「レナイト様、何かありました?」


「少しお話がありまして、よろしいですか?」


ラナンさんの方を見ると小さく頷く


「わかりました場所を変えましょう」


庭に咲く綺麗な花々、その中にあるテーブルと椅子に腰をかける、ハーブティーを出され少し飲む、穏やかながらも、緊張した面持ちのレナイト様を見て、少し気を入れ直す、


「それで何かありましたか?この様に話すのは初めてですから」


「そこまで重い話ではありません、ただ聞きたいことがありまして」


何かを勘づかれたかもしれないなと思い自然と表情が強ばる、深呼吸をしレナイト様が聞いてきたのは


「リーベルさん達はここでの戦いが終わったあと、ここには残らないのですか?」


思ってた話と違い、素っ頓狂な顔をしそうになった、寂しさだろうか、馬車でよくラナンと話してたし、王都に着いてからもお茶を少ししていたと聞く、歳が同じように見える分、友達が欲しかったのだろう


「そうですね、ラナンとの話では戦いが終わり次第、早々に旅に出ることになるでしょう」


「そう、ですか...」


表情が曇る、仕方ないとはいえ酷な話、か?あまり日数がないから分からない


「おふたりはなぜ旅を?」

話しづらいところをつかれどうしようかと考える


「深くは語れませんが、簡単に言うなら世界を知るためですよ、好奇心から来た旅です、まぁ旅に出た理由は聞いたようにそんな明るい話ではありませんが。」


「そうですか、すみません時間を取らせてしまって」


表情が明るく戻る、まぁ元気になったらいいかとお茶を飲み干して席を立つ。


「では、リリーとラナンをまたせてるので」


「はい、リリーさんもずっと心配なさっていたと聞いてますので、今夜は一緒にいてあげてください」

ではとその場を後にする


「お父様に、相談した方がいいよね」


部屋に再び戻るとラナンさんとリリーが遊んでいた、カードゲームだろうか?


「あ、おかえりなさいリーベルさん、一緒にやりますか?」


同じ絵柄を合わせるゲーム、神経衰弱とは懐かしいものをやってるな〜


「では仲間に入れてもらおうかな」


「ところでレナイトちゃんにはなんて?」


「後で話しますよ」


そういいしばらくカードゲームをして遊んだ、ババ抜きを教えたが、リリーは嘘が下手でほぼ全負け、逆にラナンさんはポーカーフェイスと嘘が上手すぎて全勝、わたしは2位と3位を行ったり来たりしていた、強すぎである


「今宵も宴になるとはな、だがめでたいことがあるのはいいことだ、騎士団の皆の衆も別の部屋だが楽しんでおる、私がいては羽目を外せぬだろうからな、まだ戦いは続く、しかし時にはそういう時間も与えねば」


部屋にいるのはローブスト団長、ティナ副団長、国王と王妃、レナイト様とルーシア様、


(毎回思うけどこのメンツの中にいるの心臓が持たない)


「す、すごいです、料理がすごく豪華、いつものもすごいのですが...」


リリーも目を見開き圧倒されている、ラナンさんは、いつも通りだった


「いや〜いつもながら美味しいね!ありがと〜シェフさんと国王様!」


気にするなと笑う国王様。


城外、街でも次の戦いがあるとわかって、祭り騒ぎ、聞こえてくる声には勝ったことへの騎士団への賛美、

次に向けて声高らかに次も我々が勝つと叫ぶ酒場の輩たち。

希望に満ち溢れていた。


ラナンさんとリリーはそれぞれ寝てしまった、リリーは満腹感から、ラナンはお酒を飲んでである、バレずにだが…

そんなふたりを部屋で寝かせ、席に戻る。


「2人は寝てしまったしレナイトも寝てしまった、ちょうどいい、少し話しがあるのだ」


王様が少し改まって話を始める、


「言うも無駄だとは思うが、この戦いが終わったあともここに残って欲しい、英雄よ」


もう英雄呼ばわりかとツッコミたくなる気持ちを抑え、意思を述べる


「以前にも申した通り、私たちは旅を続けます」


「だろうな、だが私たちも君たちには感謝し、叶うことならば共にこの国ですごして欲しいと願っている、民の声を聞いただろう、魔物を討伐し、君たちを英雄と、そして仲間だと、隣人だと認め、欲しているのだ」


「そこにあって欲しいと貴方たちが願うならそれは私が居なくても十分です、酒場の詩人が歌うような戦いが残るでしょう、過ごした短い時間を覚えていてくれれば十分です」


恥ずかしいと言ってから思うも表情を崩さない


「そうか、残念だ、だがこの国を去ってからも、たまにでいい、この国に顔を出してくれ」


もちろんといい、自分も部屋に戻る


既にベッドで寝ている二人を見ながら椅子に座り、窓辺にさす月明かりを見ながら目を閉じる、少し月が青く大きかった気がした。


思い出した記憶は、燃える家だった、中学が始まってから数ヶ月、家を失った、父が火を放ったのだ、自身の刀と工房、その全てを無くすために、だがその火は想像よりも大きく燃え盛り家全てを灰にした、母も消えてしまった


後悔した、私は父が何をしていたのかを知り、何もしていなかった、知れていなかった、見えていなかったのだ、

結果多くを失った、父も母も、帰る場所も、尊敬していた師、おおらかだった母、長年握っていた竹刀、その約束も。


手元に残ったのは父が目を失う前に最後に打った二振りの刀、しかしあの日以来刀が鞘を出て光るところは目にしなかった


以来怖くなった、大切な何かを喪失すること、関わるほどに人の見えないところ、知らないところができる、だから人と関わらなくなった、孤児院で不気味がられ続けていたが、関わりに来ることも減るので、好都合だった。


蒼い月はなおも輝く、窓辺からさす光は彼の記憶を照らし続けた。そしてその蒼い月はとある場所に横たわる少女をも照らす、仄かに優しくも冷たいその光は、2人の恐怖を照らし、少女により強く光を渡す。



「悲しい、冷たい、孤独、同じなのかな私と、でも関係ない、与えられた役目を果たす、」


少女は涙を流す、その顔には悲しさが籠っていなかった、与えられた涙のはずだったが、少女の心と体も、かすかに悲鳴をあげていた、それを少女は知らなかった、知れなかったのだ。








最後まで読んでくださりありがとうございました、コメント、評価、感想等くださると嬉しいです、

次回は凱旋が終わりひと時ではありますが、休息、日常を少し書こうかと思います、

次回も読んでくださると嬉しいです。

(こういうの書くの難しいですね)


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