第9話 一時の休息
こんにちは初めまして、本作を開いて下さりありがとうございます、ぜひ最後まで読んで言ってくださると嬉しいです。
また嫌な夢を見た、連日の疲労が出ているのだろうか
「トレーニングでもして気を紛らわすか…」
窓を開けすぐ下の何も無い広場に飛び降りる、だんだんこの体、と言うより神秘にも慣れてきた。
騎士団に貰った木剣で素振りを始める、一振するごとに不安や、悩み、先程の不快感を断ち切れている、気がする。
もう認めて欲しい人も始めたきっかけの場所すらないというのに、それでも前からこの習慣だけは抜けない。
しばらく振っていると窓からレナイト様が手を振り声をかけてきた
「朝からせいが出ていて何よりです、朝ごはんができていますのでこちらへ」
そう呼ばれ窓辺による
「おはようございますレナイト様、ラナンとリリーは起きていますか?」
「ええ、先程すごい髪で降りてきましたので、リリーちゃんのは整えていたところです、ラナンさんは器用に魔法で...」
苦笑いしながらそう話す彼女は、前のように年相応に見え、安堵感を覚えた。
城内に戻り食卓に着く、まだ眠たげなリリーとおそらく目の前の食事で眠気が飛んだラナン、賑やかな団欒の元、食事はゆっくりと明るい雰囲気で短い時が過ぎた。
席を立ち、リリーとラナンさん、レナイト様とルーシア様と街へ出る、できていなかった観光と、街の人たちのケアが目的とのこと、
「レナイト様に、ルーシア様!?第1第2王女様たちが来ているぞ!!」
優しく手を振るレナイト様と、ぎこちないながらも笑顔に手を振るルーシア様、しばらくは前に進めなかった。
今日最初に案内されたのはレナイト様とルーシア様がよく通うというアクセサリーショップ、との事だった。
「綺麗、こんなにあるのを見たのは初めてです!」
リリーの目は移すアクセサリーによってより一層輝いていた
「ほんとに凄いね〜高そぉ〜」
ラナンさんは慣れていると言った感じだが、それでもかなり視線がと言うより既に色々見始めていた
「お金あるけど、あんま高いのは買えませんよラナン」
えぇ〜と言った具合に頬を膨らませるラナンさん、溜息をつきひとつだけと約束をした
「私も一つ買おうかと思いまして、ここは品揃えも質も良くて」
レナイト様もラナンさんと一緒に品を見始める、リリーはルーシア様と一緒に、私は
「見るものないなぁ...」
もとよりアクセサリーには興味がなかったが、ラナンさんとリリーは興味津々だったので、楽しんでくれるならと、
「ねぇこれどう思う?リーベル」
薄い枝葉のような金色のブローチ、真ん中には青い三日月型に加工された宝石、それを服の左胸につけてみせる。
「綺麗ですね、星屑みたいな宝石で」
「そこじゃないんだけど」
また頬を膨らませてそっぽを向かれてしまう、ルーシア様はくすくすと笑い、リリーは、ガラスの中のアクセサリーに目を奪われていた、レナイト様は、何故かラナンさんと同じ表情をしている...
(のどかと言うか楽しいというか、こういう時間が無くなるのは、やっぱり嫌だな)
ラナンさんが先程の気に入ったブローチ買い、左の肩下あたりにつける、先程とは打って変わって嬉しそうにブローチを撫でる。
肩を叩かれ振り返ると、リリーがブレスレットを持ってきていた
「ん、」
それだけ言うと手渡しレジへ連行、流れで買い、腕に通す、銀色と緑色金属を風を模して加工したシンプルなブレスレットだったが、付けるとリリーもブレスレットもとても綺麗に見える、気づくと妹のように頭を撫でていた。
ルーシア様は特に買う物ないな、といい店の外にリリーと出ていき、外で待っていると言った、
ラナンさんも後を追う、ひとり決まらないと言った感じに悩み店内を練り歩くレナイト様のそばにいく
「まだ決まりませんか」
唐突に声をかけたせいか、ひゃっ、と驚き2、3歩程後ろへ下がる
「すみません、急でしたね、中々決まらないように見えたのでどうしたのかと」
「こちらも大きい声出してすみません、この2つで悩んでいて...」
そこにあるのはネックレス、デザインは双方同じ雫のデザイン、色は銀と薄い緑、裏葉柳という感じの色だった。
「どちらも好きな色なのですが、両方も買うとお小遣いに響きますので...」
言われてみる金額に、目が飛び出る、なんてレベルで済む金額ではなかった
「現在の所持金、報酬で貰った内半分以上は消し飛ぶ...」
今更だがこの世界の通貨の価値は前とは結構違った、最初は物を買うのに苦労していた...
(銅貨1つ 50円程
銀貨1つ 1000円程
金貨1つ 100万円程)
大体がこれくらいの感覚だった、金貨と銀貨の差でかくない? と思いつつも、その辺の勉強はしてなかったので前と違うな〜程度で済んでいる、中には月雫という特殊な貨幣もあると聞いたが、その辺でめんどくさくなって考えるのはやめていた。
報酬で貰った金額は金貨15枚、銀貨100枚。
ラナンさんとリリーの合わせて金貨1枚と銀貨85枚
対してこのネックレスの金額は金貨9枚と銀貨7枚...
(ふたりのを合わせてもざっと8倍くらい...)
「そういえばレナイト様、負傷した兵を治してたんでしたっけ」
「え、あ、はい、かなりの数でしたので、その後魔力切れで倒れてしまいましたが」
そういい照れくさく笑う、戦いが終わったあと、兵士の多くが傷を治してもらったと、彼女にお礼を言っていたのを見たが、魔力切れを起こすほどの数を...
薄い緑のネックレスを店員に頼みガラスケースより取りだしてもらう
「ならご褒美くらいないとやってられませんよね」
そういいじっとしていてくださいといい首にネックレスをかける
「どうですか?その色が似合うと思ったのですが」
「と、とても綺麗で、嬉しいです」
色が気に入らないなら銀色に変えてもらってもと言うが、これがいいと言いそれに決めた
「あれお金は」
「もう払ってます、どっちも同じ金額でしたので」
「そんな、悪いですよ、かなり高いですし」
「高いですが、ご褒美なのに自分で払わせる訳には行きませんし、報酬としてもらったお金ですのでみんなからのお礼と思って受けとってください」
そういい、でもというレナイト様をなだめ店を出る、
「おや?ようやくでてきたね〜、ってレナイト様すごい綺麗なの買ったね」
「ほんと、綺麗なネックレス」
「その、リーベルさんに買ってもらって」
それを聞いたリリーとラナンさんからなんとも言えない視線が向けられる、気まずくて目をそらす。
(怖い)
次に連れていかれたのは、ルーシア様の行きつけである酒場、だそうだ
「飲めませんよ?」
「わかってるよ、酒場とは言っても子供たちも普通に出入りしている、普通の食事処と何も変わらないよ、店主がお酒が好きだから酒場と言ってるだけさ」
看板に書かれていたのは"エーロエ酒場"
出された食事はパスタ、チーズ、のようなものが多く出てきた、お冷以外の飲み物も頼もうとしラナンさんがお酒を頼もうとするのを止めおすすめを聞く、
「ブルード・オレンジっていう果実のジュースがうめぇぞ」
快活そうなおじさんの店主がそういい、それを人数分頼んだ、ルーシア様の行きつけと言うだけあってとても美味しかった、王城で出される料理とは種類こそ違うが、行きつけになるのもわかるほど絶品だった。
途中、出された食事に目がいく、おにぎりによく似た料理、丸く塩味だった、無性に聞きたくなった
「店主さんこの料理はなんて名前なんです?」
「アスルト・ライスって名前だ、持ち運びにも楽だし腹持ちのいい穀物の料理でな、味付けも豊富だからここじゃあ冒険者や騎士団がよく買うよ」
「発祥はここの国なんですか?」
「へぇ〜鋭いのか?あんちゃん、これは東の国から来たって言う旅人が教えてくれたんだ、結構昔だな7、8年前位だったか、結構珍しいんだよ東の国の旅人は、服装もここらとは違うしな」
東の国、元の世界でもそう言われてたな、いずれ行きたいなと見た事のない国へ少しだけ思いを馳せる。
料理を食べ終わり、各々が頼んだ飲み物を手に取り雑談を始めた
「おふたりは相当強いですけれど、一体どこでその技術や力を?」
「私、私たちは父にですね、ルーシア様にもお話しましたが」
(ラナンさん話合わせてくださいね)
やれやれと言った具合に首を横に振るラナンさんを横目に話し始める
「父は剣術、体術、弓術、武術、魔法において全てが高水準でした、特に剣術と武術においては目がなくても私は1度も勝てたことがありません、同じ剣術、武術なのですが、膂力とスピードが勝っていても、練度でねじ伏せられましたね」
それを聞いたルーシア様とリリー、レナイト様ですら絶句と言った具合だった。
「目が無くてもですか、では目があればさらに強いと」
レナイト様のその問いに対し、少し悩みその部分の真実を話す
「強盗、盗みがはいりましてね、その時立ち向かうも目を潰され失明したんです、そのあと本格的に稽古をつけら
れました、それで全く勝てませんでしたね」
自分の父親の話をするとみなが想像に顔を真っ青にする。
「それ、ほんとに人間かよ...」
ルーシアさんなんか絶句である、言ってて私もおかしいと思う、でも事実だ、怖い父である
ラナンさんが気になったことに関して聞きたいとルーシアに質問する
「さっき店主が冒険者って言ってたけど、私たちみたいな旅人は少なくないのかな?」
「いやお前たちみたいな無所属の旅人は多くないな、冒険者っていうのはベンチャーギルド所属のヤツらのことだ」
「ベンチャーギルドは冒険者が所属するギルドです、主に新天地や新種の魔物、植物の調査、報告。地図の作成、更新と言った、地域や土地の調査が主の団体です、あとよくあるのは行商や国家間の移動の案内ですね」
「たまーに戦闘が得意な奴もいる、一応魔物の多い場所に行く任務もあるからな」
「なら冒険者にも防衛を手伝って貰えないの?その言い方だと強い人もいるんじゃ」
そう言うと、ルーシア様もレナイト様も難しい顔をし話す
「まず、騎士団のトップ層と同等の強さの旅人はかなり少ないんだ、戦闘や討伐系の依頼は基本騎士団に回される、あったとしても騎士団のトップ層と合同で行う余程危険なものくらいなんだ、階級もあるが上げるには調査報告の内容での昇級がほとんどで討伐系は危険度がトップレベルで高いものじゃないとさして上がらないんだ。数こそいるがそのほとんどは騎士団員と同等の奴らがほとんどだ、そして冒険者は国に留まらない、冒険者ギルドは国や村にも点在し、専用の宿屋もあるくらいに、だから今この国に冒険者の誰がいるかはしょっちゅう変わるのさ、あっち行ったりこっち行ったりだからな」
「さらに一番の理由は冒険者ギルドは国ではなくギルドそのものに加盟する、全ての国と中立である、これがあるため肩入れにならないか検討中なのはありますが、つい最近肩入れにならないとギルド全体の総意により次回の防衛戦では戦闘員が動員してくれると思います」
「ベンチャーギルドか〜面白そうだね、他にもギルドはあるの?」
ルーシア様が興味あるか、と少し食い気味に話す
「ナイトギルドもある、これはやることはあまり多くないギルドだけどな、各国の騎士団のサポート、路頭に迷った騎士なんかの保護が主な役割だな、戦争で滅んだ国の騎士なんかをな、あとはさっき話したベンチャーギルドで発見された魔物の大群の討伐や殲滅の依頼をギルドに提出する、その依頼を一国、あるいは複数の国がギルドから依頼され向かう、あとは国家間の移動の警護の際、出る先と行く先での騎士団同士の連携の連絡とかだな、各国の騎士団の活動を円滑に進めるギルドだよナイトギルドはな、一応階級も一つだけ各国すべてで制定されているものがある、クラウンナイトの称号だ、国で1人から3人まで選ぶことが出来る、この国だと団長と副団長の2人だな」
メイジギルド
「メイジギルド、魔法使いのギルドです、ティジェルの森というところに本部があり、ベンチャーギルドと同じく国家間の闘争などには基本干渉しません、個人での干渉は認められていますが、主に魔法や神術に関しての研究、開発、発見が主な活動です、依頼などで他ギルドと同じく討伐の依頼もあります、武器や道具への魔法の付与、魔術的碑文の研究などですね、研究者も多いギルドのため依頼報酬とは別に定期的に所属金というものが配布されます、ただし定期的に研究の発表か、依頼の達成をこなす、一定期間の内決められた分のノルマをこなすなどしないと、他のギルドとは違いギルドの除隊が命じられます、階級は研究でも依頼でも同じくらいの上がり幅だそうです」
「詳しいんだね2人とも...」
リリーはもう何が何だかと言った具合だ
「すまんすまん、ともかくこの3つは三大ギルドとされているんだ」
みなのグラスも空いたところで、ひとまず店を出る、穏やかな日々ゆっくり進むこの時間を、この時間を過ごさせてくれる友人とこの国が、永守は好きになってきていた。
最後まで読んで下さりありがとうございました、コメント、評価、感想などしてくださると嬉しいです、
今回は日常回、と少し説明的なものを入れました、
次回はとある人物に関してです、彼が何者なのか、なぜいるのか。
ぜひ次回も読んでくださると嬉しいです、




