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第4話 在りたかった過去は次の今へ

こんにちは初めまして、本作を開いて下さりありがとうございます、物語としてはまだまだ序盤なのですが面白くかけるよう頑張ります、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。

今日も竹刀を打ち込む。

学校、稽古、学校、稽古...娯楽の挟まる余地なんてない。

中学まではこんな感じだった。趣味と言えることすらなく、学校でも塞ぎ込んでいた。

小学生になってから握らされたそれ(竹刀)は自身を象徴するひとつでもあり、呪いでもあった。

現代において、刀工なんて昔と比べれば需要と言えるものは限られる。

父は刀匠であり、日頃刀を鍛え続けていた。

腕はいい方だった、素人目にもそうわかる、学んでからはより、父の研鑽がよくわかるようになっていた。


ただあれが無ければ父は変わらなかっただろう。強盗だ。腕のいい父はやはりそれなりには稼げていたもので、

また時代が経てば名刀と言って差し支えない刀もいくつかあった、そりゃ的にはなるだろう。

幸い刀やお金を取られる前に、気づいた母が通報し父が気絶させ無事逮捕の流れになった。


しかし父は金よりも大事なふたつを失った。目だ、抵抗した犯人はそばに置いてあったまだ未完成の刀を振り回したのだ。武術の心得があっても刀相手は苦労をした、結果として目をやられてしまった。

幸い目だけですんだと警察は語るが、父にとってはそんな話ではなかった。

これが小学5年生の頃だった。


以来父は変わってしまった、温厚だったのが一転し厳しく怖い、日頃家族みんなが顔色を気にする程度には、

私もこの頃から剣術、武術を習った、刀工に関してはもう無理だと言う具合で語る程度であった。

目の見えない父はそれでも強かった、剣術の試合では竹刀が相手の竹刀にすら当たらず、

武術であれば一つ一つの打撃が重く速い、防御や回避など言ってられない、

負ければ情けないと言われ自主練を言い渡され、その時間は小6の頃では3時間かかっていた、中学でも2時間であった。

中学に上がるとよりトレーニングはきつくなった、正確には父の当たりが強くなったのもある。

父は夜目が見えなくてもと刀を鍛えようとしていた、知っていたのは私くらいかもしれない、


「くそっ、わからん、腕も、指も体も覚えている、なのに見えないのだ、それだけでここまで...」


怒号、慟哭、嗚咽、何もかも入り交じった声が聞こえる度に胸が痛くなる、だから期待に応えようと己を鍛え続けた。

そしてこの頃は父を止めようと考えなかったのだ。父は見えていなかった、何も、無論、そんな父を見ていた私も。


いつしか毎日のように響く父の声は、やがて私の思いを侵食し、しかし静かなものへと変貌していく



嫌な夢、記憶、それを思い出しながら目を覚ました、あまりに豪勢な天井、寝具。

あの食事会が終わってすぐ宿の部屋を探そうとしたが、王様は


「部屋は貸そう、数日ここ(城)にいるのだろう?」


という勘違いがされ、あれよあれよと部屋を借りてしまった、悪くはないが少し場違い感が否めない。


「zzz...zzz...」


さて昨日、明日の予定もありますから寝ますよと言ったのに、結果爆睡し続け布団すら寝相でとってったこの人、をどう起こしてやろうか、


「確か、変換してイメージ、構成、放出でしたっけ?...ウォーター・ヴェール」


イメージし唱えたそれは彼女の頭上に現れる、できたことに感激しながら、操作をとく、

バシャァ、それなりの量の水が落とされ衝撃と冷たさで目を起こす、


「!?冷っっめたいなにこれ!?」


実験したらできましたと笑顔で言うと、ポカポカと音がなりそうな具合でこちらを叩く。



「今日はどうするんだっけ?」


「決めてたはずなんですが、ひとまず観光とみんなには言ってあります、ワイバーンがでたところに行きなにかないか探したい、そういったのはラナンさんなんですけどね...」


てへっ☆といいながら歩く彼女をそれとなくスルーしながら、現場へと向かう。


(やっぱり残ってる、残滓という感じか)


「これを辿れば元凶がわかる、そう思ってるでしょ?」


「違うんですか?」


「もし元凶が姿をこの世界に出せてるなら既に攻めに来てるよ、何か足りないか、条件があるかで攻められていない、だから魔物の似姿を作り襲わせたんじゃないかな」


とはいえ残滓が残る以上、辿らなければ情報もない、


「行きますか、念の為」


そういい神秘の残滓を辿る、


しばらく走ると森までその残滓が続いていた、


「あの中、かもしれないと?」


ラナンさんはそうかもねといい走り出す、



入ってしばらく、残滓を辿るが、違和感たるものはなく収穫なしと思い帰ろうとしていた


「ないね〜なんにも、一旦戻ろうか、昼ごはん食べたいし」


結構な時間が経っていた、そうですねといい戻ろうとした直後、ラナンさんが固まっているのに気づく


「なんで、お前はあの方が始末したはずだ!?」


そう叫ぶ先にいたのは、巨大な鎌、黒いウェディングドレス、顔の前には漆喰のヴェールの女性、

感じたのは恐怖だった、得体の知れなささ、またかすかに纏う神秘、異質と言うにふさわしい物だった


「構えてあれは本気でかからないと、」

そう冷や汗をかくラナンさんに合わせ構える、しかし襲ってこない、動こうとする素振りはするが、痙攣レベルだ、


「全然来ませんが、」


「おかしいな、既に間合い、前ならもっと凶暴で私は殺されてても、」


私は歩いて近づく、ラナンさんが止めるが、死ぬという予想ができなかったのだ、恐怖だけであり命の危機ではなかった


「確認なんですが、今のこいつの状態は前と変わりませんか?」


「動かない以外でおかしな点、そういえば神秘が薄いかな、前はもっと多かったんだけど」


ラナンさんも呼んでよりよく見てもらった、すると彼女は焦ったような目をし口を開く


「違う、この神秘彼女のものじゃない、これは術だ、ワイバーンと同じ術で構成された物、」


「ワイバーンとおなじ、では襲ってこなかったのは?」


「この使用者では再現できなかったんだと思う、そうか何となくわかったよ」


彼女はそういいながら目の前の女性に手をかざす、突如光が溢れ、目の前の彼女は消えた


「で、わかったとは?」


「あれは人の恐怖で構成されたんだ、私の場合は彼女がいちばん怖かったから、そして動かなかったのは私の中の

彼女を再現出来る程の力がなかった、あるいは割けられなかったが正しいのかも、作ったのは間違いなく"災"でもそいつは復活のためにも使う力を集める力より多くはできなかった、これが予測だよ」


「集める力とは?」


「恐怖だよ」


"災(わざわい)""恐怖(きょうふ)"

彼女は覚えていた、恐怖の災い、それは人の感情の恐怖を想像から現実の世界に引っ張り出すことが出来た。


また、対象を複数にしさらに大きな存在を招くことも出来た。


酷く簡単でシンプルだったが、人間にとっては様々な面から見ても脅威であり恐怖だった、また生み出されるものが神秘がなくとも分け与えることが出来たそれ(災)は1人でも人や生物を殺し尽くすことが出来る存在だった。


「来る災の種類はわかった、対策として1番思い当たるのは、やはり私達だけで片付けることだろうね〜、彼女に会い恐怖するだけで力は増す、そうなる前に速攻が妥当かな」


「力の性質的にはそうですね、問題として今も尚出し続けられているならある程度群れをなして攻めてくることもありそうですが」


「攻めてくる時間も分からないし、力の性質的に私たちかこの国を襲うかも分からない、留まるのは決まりかな」


「私たちだけで対処しますか?王や騎士団には伝え防御に徹しさせた方がいいと思いいますけど」


「そうだけどなんて伝えればいいかわかんないしね〜」


伝えるのは保留とし昼ごはんを食べて、ラナンさんは騎士団へと、私は少し気になることがあり宿を出た


「国王陛下、少しお頼みしたいことがあります、よろしいでしょうか?」


「どうした、何かあったのか?」


「はい、騎士団に襲いかかった盗賊でひとり捉えられた者がいたはずです、面会をしたいのですが…」


「構わない、牢屋までは執事が案内する、しかしなぜだ?」


「それについてもうひとつ、私が責任を持ちますのでお願いがございます」


牢屋の中にはあの時見た子供が寝ていた、違う寝たフリか、


「あとはこちらで話します、複数人では緊張してしまいますので執事さんは少し外にいて貰ってもいいですか?」


「承知致しました」


ほんとに親切だ、あちらからすれば、素性も知らぬ浮浪者であろう私に、ここまでする必要ないだろうに、そう思い牢へ入る。

少し近づくと瞬間部屋の隅へとその子は飛び退く、


「あの時は済まなかった、君の前でかなりショックなものを見せてしまった」


「、あの、時の?」


険しかった顔が少し緩み、目を合わせる


「そうあの時の旅人だ、君が怖がってしまったと思って、謝りたいと思っていたんだ」


「そう、ですか、気にしないでください、ああいうのは慣れてますので...」


そういうその子の顔は、笑っているものの目には感情が写っていなかった


「失礼を承知で聞くが、君はいわゆる奴隷ではないかい?」


「、何故それを?誰かに聞きましたか?」


「勘だ、君はあの盗賊共と違って襲う時躊躇していた、ナイフの持ち方も慣れていないし、足も手も震えていた、それだけだが」


「凄いですね、当たりです。私は確かに奴隷で、あの日ちょうど売り渡された後だったんです、何されるか分からず怯えていた矢先、王族の馬車を襲うぞとリーダーが部屋に入り命令し、向かった先で交戦、あとは知っての通りです」


「そうか、一応聞くがあれは本意ではないと、襲う気は無かったということか?」


それを聞きその子は少し不思議な目をし頷く


「わかった、なら君を無罪にするようかけあって正解だった、」


「えっ?私が?無罪ですか?」


「当たり前だ、仲間に確認させたが君が騎士団に出した直接的被害はゼロ、ならそこにいただけだ、そんなものに罪は問わなくていい、あとはその子が襲う気がなければ無罪でいいだろうと打診し、受け入れてもらった、」


「...」


不思議そうに、そして驚きながら目を見ているその子、もうひとつ知らせを届ける


「君さえ良ければ私たちがここにいる間は、私たちと暮らせるようにもしてもらった、とは言っても数日だが、監視の名目上私たちと暮らしてもらえれば、その後は自由だと聞いてる、どうだろうか?」


目に涙を浮かべ、何度も頷く、


「ではまず君にかかってる隷属の呪いから解かないとか、」


隷属の呪い(カースオービス)は対象者に対し自身と自身が許可したものへの服従を強制させる呪い、解けるのは術者本人と、許可を貰ったものが解くか、殺すからしいが、


(どうせ言ってもわからんだろうし、ここならいいか)


「"照清"(しょうせい)」


それは習った神秘の技能のひとつ、呪いを打ち消す神秘、ラナンさん曰く、呪い対し全く逆の術式であるために打ち消せるというもの


それを神秘として直接の行使のため基本この世界に対抗できる呪いはないらしい


彼女の首にある紫の光を、薄い日の色が飲み込んでゆくように包んでいった


程なくして、その子の首周りにあった文様が消えた


不思議な人だった、この国ではもちろん渡ったどの国でも奴隷の私にかける情けなんてなかった、ましてや獣人、魔物の類とさして変わらないと世間では言われ続け、場合によっては街中でも石を投げられ、それを国が容認するほどだ


(この人も、手を挙げるの?もう...)


そう思い近寄る足音から離れ部屋の隅へと逃げる、しかしなげかけられた言葉、声には優しさがこもっていた、

声色は暖かく、優しく、そしてどこか冷徹で、不思議だった。

告げられた言葉は私を許し、一緒にしばらく暮らそうとまで、


(親ですら捨てた私を?こんな化け物なのに使い物にならない私を?このひとは、)


涙が出た、嬉しかった、生きることさえ、国が否定し、世界が否定した気がしていた私が、


「ーーー」


知らない言葉、どの街でも聞いたことすらない言葉、それを聞いた瞬間、私の呪いが解けた、


「ありえない!私にかかってた呪い、殺してすらいないのに!?」


「まぁ腕のいい魔法使いとでも思ってくれ、これでひとまず自由だ、で付いてくるかの相談なんだが」


「行く、私も一緒に暮らしたいです、」


そういいその子は僕の手を取る、暖かなそれは、私の心まで軽くした、不意に自分の過去に照らし合わせてしまった、


自己満足に過ぎないとわかっても、笑みがこぼれる


(あの頃の私は結局)


手を取り返す、ひとまず部屋で休ませよう、その後のことは、ラナンさんと考えればいいか、

最後まで読んで下さりありがとうございました、評価、コメント感想の程宜しければよろしくお願いします。

次回は敵に対してどう立ち向かうのか、どのように戦うのかが示されます、ぜひ最後まで見守って行ってください

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