第24話 星の降る道中は村に
初めまして、こんにちは、本作を開いて下さりありがとうございます
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〜ベンチャーギルド、重要記録より〜
およそ数年前まで、ベンチャーギルドの最高ランクはゴールド、その中で楷位があった
だが、7年前、とある1人の男が偉業を成し遂げた
本来なら、条件が揃わない限り通ることの出来ない、迷いの森を、たった一人で通り抜けた
これを聞き、森の管理者たる女王は、森の魔法を強化したものの、再度通り抜けられる
また、一時彼の魔法による、ガイドや案内は、最短最速の移動であり
それはどこにいても、たとえ新天地であっても変わらなかったらしい
道中の魔物や敵に対しても、本人のみで対処しており、戦闘向きでは無いと語りながら竜を殺して見せた
さらに、これら全ての功績が、およそ2年のうちであったこと
ベンチャーギルドは並外れた彼を、ゴールドの楷位から外し、特殊なプレートを渡す
以降特殊プレートは合わせて三枚作られている
星の旅人、ウェイスタープレート保持者、アースディー
ベンチャーギルドで語られる、星のように輝く生きる伝説である
〜以上、星の旅人の記録〜
「この先の村まで行くのか? 」
「そうです、アースディーさんも? 」
まあな、馬車の後方に乗る
「一応この先の村に、前の被害がないか確認だ、報告がないから最後に回されたとこだけどな」
「被害報告が無い、と? 」
「そうだ、近辺の村は少しばかり被害が出そうだったからな、俺やほかのギルドのやつが護衛に行っていた」
知らずのうちに、そこまで手を回していたとは
というかルーシア様が、ベンチャーギルドの人があまりいないと言っていたのはこの為か
「知らず知らずのうちに、随分と助けられていたみたいですね」
「気にするな、そもそも浮浪者のお前より、騎士と俺たちが本来対処すべきことだ、礼を言うのはこちらだ」
互いに頭を下げる、またそれを互いにみて、苦笑する、案外親しみやすい方のようで、安心だ
「しかし、お前馬車も扱えないのか? 」
「あはは、まだ勉強中です、でも、そろそろ変わりますよ」
そういい、レナイトから手綱を貰い受け、引き続き前へ進ませる
ずっと隣で見ていたのだから、いい加減できなくては
「レナイト様も、話には聞いていましたが、旅に同行とは、同じ旅をするものとして、嬉しいですが不安もありますね」
「私こそ、伝説の星の旅人に会えるとは、思っていたよりお兄さんでした、おじさんかと」
「はは、よく言われます、まだ25ですよ、俺」
後ろでの他愛ない話を聞きながら、馬車を走らせる、しかし
「少し気になりましたけど、星の旅人とは? 」
「アースディーさんは、固有魔法の使い手なんです、確か、」
「星空を歩く者、ただの道標のようなものですよ」
そういうと、馬車全体に、星空が薄く浮かぶ、見たことの無い魔法、見たことの無い星空
「すごい、これが、魔法とは」
「いいもんじゃないさ、これのせいで俺は元素系の魔法は使えないんだ」
デメリットともあるのか、しかし伝説と言われる以上、とんでもない代物なのだろう
「今日の夕方には、村に着きますかね」
「そうだな、あと数時間もすれば着く」
動いていた星空が、気づけば静止し、より輝いていた
「村の名前とかって? 」
「辺境の村だからな、基本ないさ、まぁ小麦が有名だったかな、確か」
小麦、なら料理が美味しそうだ、買ってきたパンも少なかった
在庫の補充やら、多少の贅沢品はあった方がこれからのためになる
「しっかしここは、多いですね」
ゴブリンの足音、出して少しもしてないが、群れの斥候だったか?
「このまま走らせろ、俺が何とかする」
青空に、星が浮かぶ、異様な光景は見るもの全てを魅了した
陽の光を纏う青空よりも、輝く星は、散らばって、やがて気配の上で静止する
「"落ちろ"」
そうアースディーさんが指示をする
星は光の柱を、地に落とす、高密度の魔力放射は28匹を、わずか5秒で殲滅した
「これが、固有魔法」
足音はしたが、寸分違わず位置の特定をし、同時に攻撃まで行える
しかも本人は馬車から出ていない、自身で視認せずともいいということ
「なに、たかがゴブリンだ、このくらいは出来なければ、あとが大変だぞ」
リリーとレナイトが呆気にとられている中、再度馬車を前に進ませる
生きる伝説、それは風よりもより高い星にいるのなら、伝説にもなる
幾星霜も先、神話になるほどではないだろうか、そんなことを思いながら、空を眺めなおす、やはり星はない
日も落ちかけ、空の向こうが焼けるような赤になった頃、村の前に着いた
「はて、どちらさんで? 村になにか」
そういいで迎えたのは、老人だった、杖を着きこちらへ出迎えてくれた
「アースディーという、ベンチャーギルドに報告と、事情を聞きに来た、それから村長にもな」
「あぁ! あんたが、村長も言っていたな、この先、一番大きい家が村長の家だ、ギルドは村入ってすぐ右な」
そう案内され、一旦アースディーさんは別れる
「してお前さんら、は、レナイト様!? 何故ここに」
「えっと〜」
少しかいつまんで、事情を話す、老人はレナイトに無事を祈願したのち、宿を紹介してくれた
「村にはこの宿しかないが、それでもいい宿だ、店主はカウンターにいるからな」
そう言ってゆっくりと歩きながら去っていく、老人が見えなくなるまで見送ると、宿に入る
「いらっしゃいませ、ようこそ」
宿の店主は、意外にも若い青年だった、物腰柔らかそうな感じの青年は、丁寧にお辞儀し、迎えてくれた
「部屋を二部屋、三人と一人、で借りたいのですが」
「三人、はありませんね、二人二部屋か、一人一部屋ですね、一人一部屋の方が、少々割高ですけど」
しっかり説明をしてくれる、本当に丁寧だな〜、なんて思っていたが大きな問題、でもないか
「なら二人二部屋で」
えっ、と三人に視線を向けられた気がする、仕方ない、ネックレスと食材、あと武器で、実は案外素寒貧である
「かしこまりました、お二階上がって、204、205がお部屋です」
そういい、鍵? なのだろうか、紋様の刻まれた木のプレートを渡される
「これ、どう使うんです? 」
「知らないんですか? 魔力をプレートに流し、このドアの鍵のところに押し当てると」
魔力がドアに流れ込み、逆にドアにあった魔力はプレートに
「自身の魔力が、ドアにある時に開く、この宿の管理されている魔力がドアに行くと閉まるんです、部屋ごとに魔力が違うので、安全ですよ」
魔力、また変換しないとか、そう思いながら神秘をゆっくりと魔力に変え、ドアに流し込む
「開いた、へぇ〜結構いい部屋ですね」
王都の宿も少し見たが、同じくらいでも王都の方が割高だった、ありがたい限りだ
部屋に荷物を置く、ちなみに同室は
「わぁ〜いい部屋だ〜」
リリーだ、グーパーを教えてこうなった、これからもこれを使おう
「夕飯にでも行きますかね」
合流し、下の階に行くと、青年と、その母親だろうか? が料理を作っていた
小麦が有名な村の、宿のご飯果たして
「なんだか嬉しそうですね、永守さん」
レナイトに言われる、表情に出ていたのか、しかし楽しみなのは事実で
「できた、ゆっくり食べてってくれ、お客さん」
豪快な母親らしき方が持ってきたのは、王都で食べたものとはまた別物
ピザやら、パスタやら、ニョッキのような物、サラダにスープ、と宿のものにしては随分豪勢だった
「あんたらのことはここのベンチャーギルドの奴らが話してたし、それにアースディーさんも言ってたからね、特別コースだ」
噂とは風や馬より速いのか、もうこんなとこまで
「ではありがたく」
「「「「いただきます!」」」」
「俺も頂こう」
ふと横を見ると、アースディーさんも座っていた、音も気配もなしに
「報告やらは終わったんですか? 」
「まぁな、どうやら先に来た連中たちが、早馬で知らせに来てたんだと」
そういい、私たちの動作を真似てか、手を合わせる動作をする
「面白いなこれ、食べる前に食事に手を合わせるとは」
「感謝を伝える、私のところの文化ですよ」
そりゃいいな、と言いみんなで食べ始める
「そういや、お前たちこれからティジェルの森いくんだろ? 案内いるのか? 」
「もしかして、必要なんですか? 」
「当たり前だ、迷いの森は案内無しじゃ行けないぞ」
その場にいた、私たちのパーティ全員が唖然とした
「って、レナイト様も知らなかったのか、てっきりレナイト様もいるからわかってるもんかと」
やれやれと、溜息をつきこめかみを抑えられた、余程常識がないか、間抜けに見えたらしい
「どうすれば、」
神秘でどうにかなる話かも分からない、おまけにそも使えるような人数ではない、また詰みかけた
「仕方ねぇ、俺が着いていく、どうせティジェルには用があるしな、それまではフリーだ」
そういい、コップを突き出してくる、意図を察し自分のも突き出して、軽くぶつける
「よろしくな、リーベル、いや、他の奴らはさっき、確か」
「よろしくお願いしますね、私は鈴木 永守 ながもりでいいですよ」
「そうか、よろしくな、永守」
お互いのコップの飲み物が、息を合わせたかのように波打つ、また一人仲間が増えた
しかも生きる伝説だ、これは心強い
夜は賑やかだった、食器の鳴る音、話し声や笑い声、これも、醍醐味だろう
窓の外から見えた星空は綺麗だった、ただうかんで
分からないほどにゆっくり、星と同じように、時間も進んでいく気がした
最後まで読んでくださりありがとうございます
固有魔法について補足しておこうかと
基本的な強さの位置づけは、『魔法<固有魔法≦神術<神秘』
となりますね、魔法よりは明らかに格上ですが、神力を使う神術とは同等か、それより若干弱くなります
細かな設定は追々出していきますのでお待ちを
今作を読んでくださりありがとうございます、次回もまた投稿しますのでブックマークなどして待ってくださると嬉しいです
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