第21話 国の宝からの餞別
初めまして、こんにちは
本作を開いて下さりありがとうございます、ぜひ最後まで読んでいって下さい
結局、旅の仲間が増えた
リリーに、レナイト様、ルナさん
一方同性?なのは大剣という、改めてバランスの大切さをしみじみと感じた
「なんというか、肩身が狭いというか」
一通り報告を済ませたので、一人で散歩をしていた
道中、建物の修復を手伝いながら
「旅行く前に、受け取らなきゃ行けないのもあるしな」
そう言いながら、朝日が昇り始めた頃に
見覚えのある道を辿る、徐々に金臭さがしてくる
「レギンさん、注文したもの、もう出来ましたかね? 」
そういいながら入るが、既にカウンターには見事な鞘が置いてあった
「もうできてるさ、避難にも従わず作り続けたんだからな」
彼の腕には、傷があった、店内の武器もめっきり減っている
戦いに使ったか、壊されたか、床には切り傷や、剣が刺さっていたり、折れていたり
「頼まれたものを、頼まれた期間に仕上げる、ここまでが俺の仕事だ」
そう言い、腕を組み仁王立ちしている、そこら中にある剣を、ちっとも見ず
その笑顔は、なんでか、私にも刺さった
しかしほんとに避難していなかったとは
「教会の人から聞いた時は肝を冷やしましたよ」
ほとんどの人が、指定された所へ避難していた
だがこの人だけはそこにいなかったと、教会の人達が慌てていた
「国の宝がいないと、慌てふためいていましたよ」
「だろうな、だがここで避難すれば、俺はその"国の宝"なんて称号を突っぱねねぇとならんくなるからな」
ニカッと笑うレギンさん、ほんと、プロというのはすごい
「聞いたぜ、あんちゃんがここを守ったってな」
「私だけではないですよ」
「あぁ、だがな、お前はここと、この"国の宝"を守ったんだ」
「そんな奴に、旅に出る前に何も渡せんで、俺はどの面して国の宝なんて名乗ればいい」
そう言われ、どこかこそばゆさを残しながら、刀を渡す
明日の出立には間に合うらしい
「まだ発つには時間あるんだ、見ていけよこの国を」
そう言われ、ここを後にする
~王城前、広場にて~
噴水の広場には、多くの群衆が列を成していた
その列の先にたっているのは、第二王女
「どうかご無事で、帰ってきてください」
レナイト様が旅立つと知り、国の者たちはせめて見送らせて欲しいと、広場に集まった
それに一人一人相手をしているレナイト様、そんな姿を見て、この列にも納得がいく
(並ぶ人達も、護衛の騎士すら涙ぐんでるな)
それほど大事な方なんだ、国にとっても、民にとっても
「あ、リーベルさん」
手を振るレナイト様、振り返そうとした矢先、並んでいた人達の視線が、私に集まった
「英雄様、どうかレナイト様を頼みます」
そんな賛成的な者もいれば
「英雄様どうかここに残ってください、それかレナイト様を説得なさってください」
否定的な者もいた、個人的には、否定的な方が正論だと思う
「無理ですよ、私も何度説得したことか、それでも彼女の道を阻む権利を、私は持ち合わせていない」
(説得するのに、お茶がすごい速度で消えていきましたよ、もう飲めません)
だが出る言葉、感情は賛成的なものばかりなのだ
役目は、私に彼女を残すことを思わせる
だが私個人は、彼女の自由にさせてやろうと、そう高らかに謳う
まだまだ、私も、役目には未熟だ
(一生未熟でもいいさ、この際)
そんなことを考える、たとえ役目を真っ当にこなせても、内だけは未熟のままでいいと、そう思ってしまう
いつか、そうではどうしよもなくなる、その日まで
レナイト様が、この後の予定に関して、ある提案をしてくれた
今後の旅にも関わる、いいアイディアだった
あとの2人に伝えるのと、邪魔をしないよう、広場もあとにする、今は彼らの時間だ
私には彼らの募った思いを知ることは、おそらく一生できないのだから
~騎士団訓練所~
リリーとルナさんは、朝早いと言うのに訓練中だ、魔法の訓練らしいが
「集中、自分の魔力を変形させて、より想像しやすいものを選んで」
ルナさんが教えていた、リリーは手を前に、目を閉じながら魔力を練っていた
「あれ、ルナさんは使えるのか? 」
「使える、なめすぎ」
結構距離あったと思ったが、聞こえるのかと驚く
「ルナさんの魔法凄かったですよ! 」
リリーは、獣人だから聞こえるか、2人の元に行き水を渡す
疲れていたのか、リリーはすぐ飲み干してしまう
「どうですか? 魔法は」
「私は"地"がいちばん想像しやすかったです」
「なら、ストーンから、魔力は少なくないから、上位まで使えるようになる、時間はかかるけど」
やったー! と嬉しそうにはしゃぐリリー、ルナさんも優しそうな笑顔が、だいぶ自然になってきた
「えっと、地の上位は...」
「"グランド"から始まる、貴方も一緒に受ける? 」
「まぁおいおい、それより、二人ともこの後、昼は時間空けてください、レナイト様が出かけようと」
訓練にもどる2人に伝える、楽しみ (です! )と答える二人を見て、思わずこちらにも笑みが伝染る
最近、何かと彼女たちや、他の人につられることが多い、それがなんとなく心地よかった
約束まで、少し時間がある、忘れていたものを解除しに、国の真上に飛ぶ
「もう終わったし、永久に繋いでおくと、いざと言う時に私が危ない」
そう言い、真下にある国に手をかざす、指輪に終わりを告げる
「"終わりを告げる"」
そう呟く、ボロボロになって、それでも解けることなく最後まで約目を果たした結界が、
波紋が浮かんで、やがて小さい雫となる
瞬きを数度、その頃には、指輪の中に沈んでいった
無風の中、その光が沈んでいくのを見続けていた
期待していた風は、結界を張った時のように軽く、吹いてはくれなかった
~約束の時間、街道にて~
「で、出掛けるって、どこに」
4人で集まって、歩きながらルナさんが疑問を問う
「まずは武器です! 自衛のためにも必要ですから! 」
やけに張り切るレナイト様、広場でのしんみりとした感じはどこへやら
旅に向けての期待に、心が踊っているらしい
「まぁ必要ですよね、特にレナイト様とリリーは」
「私は、あの剣じゃ」
「リリー、あの剣は恐らくもう君じゃ抜けない、それに抜いてはいけないよ」
父が消える前に少し教えてくれた、見込みのあるものとはいえ、過ぎた力を使わせてしまったと
そして自分が消えれば、刀は本当の意味で、私にしか使えなくなると
「あれは特例だ、いつ抜けるか分からない珍品より、しっかりしたものがあった方がいい」
「はーい」
残念そうに、むくれながら返事をする、まぁまぁと宥めるレナイト様
いいパーティになりそうだ
「とはいえ、今朝言った時レギンさんのところ、酷い状態でしたけど」
「ああなることを想定して、ある程度いい品物は隠していたそうですよ」
ホッとする、あの人の武器すべてがああなった訳ではなくて、本当に良かった
~武器鍛冶屋~
戻ってみると、店内は片付いていて、数こそ減ったが、前と同じようにいい武器が並んでいた
剣と一緒に、何かが店に戻った気がした
「まだ出来てねぇよ、せっかち」
「違いますよ、旅に出ますんで2人ほど武器を見繕っていただきたく」
「あれ、ルナさんはよろしいのですか? 」
「いらない」
「おいおい嬢ちゃん、旅に出るのに武器の1本もないなんて、危ねぇぞ? 」
そう言われ、ルナさんが虚を開こうとする、それを慌てて制止する
(露骨には使わないでくださいよ! )
(でもあるし、いくつも持っていても、邪魔だし)
(他の人たちの前であの月の弓使う気ですか!? 普段用にもうひとつ買いますよ)
「、わかった、私にも武器、見繕って」
そう言われ、あいよと、作業を一度止め、レギンさんが3人に武器を色々試させた
途中、要領得ないルナさんを時々制止しながら、3人の武器を決めていく
...正直見てるこっちは冷や汗が酷かった、主にルナさんがここを吹き飛ばさないかで
「わたし、これにする! 」
以外というかなんというか、リリーはシンプルな短剣を選んだ
「お目が高いなリリーちゃん」
「いいのか? 前に教えてた剣と、大分違うが」
「わたしは足が速いし、小柄だからこういう武器の方がいいと思う、威力とかは地の魔法で上乗せできるし」
「コントロール出来ればね」
ルナさんが釘を刺す、が本人が自分をよく見た上で出した答えだ
反論する理由はない
「お買上げひとつ、ありがとな」
「私も決まりました」
レナイト様は杖を持ってきた、よく磨かれた木材に、杖の上には透明な石が輪の中に嵌められていた
「それもいいやつなんだ、俺の作ったやつじゃねぇけどな」
「違うんですか? 」
「そいつは、メイジギルドから来たやつが交換で渡したもんでな、そいつも杖を作る仕事をしてたんで、交流の記念ってことで、互いに交換したんだ」
メイジギルド、ティジェルの森とか言うところにある、魔法使いのギルドだったか
「杖は、持つとよく馴染むものとそうじゃないものが、持った本人がよくわかる、それを作ったやつはレナイト様と同じ回復に特化していたからな、気が合うんだろう」
レナイト様の武器も決まった、あとは
「ルナさん、どうですか? 」
「わかんない、弓を使うか、他を使うか、悩んでる」
そういいながら、店の中をぐるぐると回る
「剣か、弓、がいいけど」
多分お眼鏡にかなうものがないんだろう、戦った時わかったが、我流とはいえしっかり洗練されていた
「もっといいの、ないかな」
ルナさんがそうぼやく、レギンさんも首を傾げ、なにか悩んでいるようで
そのまま、奥へと歩いていって、すぐに古そうな箱を持って戻ってきた
「剣なら、前に渡した大剣と同じで、扱いに困ってた最高級品があるぜ」
そういい開けられた箱の中には
「レイピア、ですかね?」
柄は真っ白で、蔦が絡んだようなデザインが施されたいた
対照的に、刃の部分は真っ黒で、これといったデザインはなかった
「変わった見た目ですけど、レイピア? でもだいぶ長いというか 」
「持ってみりゃわかる」
そう言われ、ルナさんが持つ、難なく持ち上がり、特に変わった点はなかったが
「長さよりも、重い」
そういいながら渡される、すると、剣と腕が一瞬でガクッと下がる
「こ、れは、レイピアのように使うのは無理ですね」
どうやら、希少な鉱物で作ったはいいものの、素材の異質な特性から、レイピアのようにせざるを得なかったらしい
「最初は大剣にする予定だったんだがな、なんでか鍛えてる最中どんどん端から減っていきやがってな、僅かに残った中心で作ったんだ」
とはいえ、鉱物の特性は残っているらしい
岩を切っても鋼を切っても刃こぼれせず、重さも申し分ない
「レイピアにしちゃ重すぎるんだ、とはいえ普通のロングソードとかと同じように使うには、細すぎる」
なるほど、最高級の問題作、
速度、それを出すために必要な筋力が、重さのせいで、通常とは比にならない
視界の端で、ルナさんが笑っているのが見えた
「これにする、面白そう」
武器を選ぶのに面白そう、とは
流石というか、すぐに試し斬りに移るルナさんを、慌てて追う
「私にとっては、ほんとに最高級品」
そういいながら、ルナさんは、試し切りの的に向かい、構える
しかし構えが、刀で言う平正眼の構えだ、レイピアで?
(てか私ルナさんの前で、あの構えとってない、知ってたか学んだか)
そこがしれない、というかなにをする気だ
「、ふぅぅ、っ」
呼吸を切って瞬間、勢いよく剣を前に突く
風が突風かのように、的を穿つ、被害は後ろの壁にも及んだ
巻き起こった風は、突きよりも遅れて辺りに飛散し、こちらも踏ん張らないと飛ばされそうになる
「うん、これにする」
レギンさんは、開いた口が塞がっていない
リリーとレナイト様は腰を抜かしていたので、手を貸して立たせてあげた
「こんどから問題作は全部お前らにまわすかな、この数日で、一生お蔵入りかと思ってたヤツがこうもあっさり片付くとはな、嬉しい様な、拍子抜けと言うか」
そう言いながら、頭をポリポリとかき、店へ戻っていくレギンさん
(胸中お察しします)
何となく手を合わせてしまった
「支払い、しましょうか」
店内に戻り、支払を済ませる、三人とも武器を嬉しそうに眺めていた
刀を貰ったころ、表情こそ固かったが、多分内心、3人と同じだった気がする
「大事にしてくれよな、またなんかあったら何時でも来い」
言葉に詰まる、が旅をすることは行ってあったはずだ、なら
「えぇ、帰ってきますよ、何かあれば」
そう言って店を出た、3人も手を振りながら店を後にした
「大事にしてくれと言われましたけど、沢山使いたくなりましたね」
見せから出て数歩、レナイト様が振り返ってそう呟く
「そうですが、早すぎるともっと大事にと怒られそうです」
私は振り返らず、金臭さを胸いっぱいに吸いこんで前に歩く
着々と旅へと進んでゆく、あとは明日に進むだけになった、この国での最後の日常が、もうすぐで終わる
最後まで読んでくださりありがとうございます
王都編は一度終わりになります、これから戻るかもしれませんが
次は道中を書き、森へと向かいます
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした
最後に、感想や評価を頂けると励みになります、よろしくお願いします
また次回も投稿いたしますのでブックマークなどして待っていてくださると幸いです
それではまた次回読みに来てください




