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第20話 勝利を告げる明日~余暇~

初めまして、こんにちは、見に来てくださってありがとうございます、是非最後まで読んでいってくださると嬉しいです

  3人を寝かせ、国王と王妃に報告に向かう、事態の完全な終息を伝えに


「おぉ! 目覚めたか! 」


 顔を合わせるなり、とんでもなく喜ばれた、たった一日ではあったものの

 怪我も酷く、脈も不安定だったとの事


 レナイト様やルーシア様が、付きっきりだった事を聞かされた


「本当に、ご迷惑をかけたようで」


「いや、むしろ謝りたいのはこちらだ、お前にあそこまでの負担をかけてしまうとは」


 控えていた騎士団長が、言葉を遮る


「我が国を救ってくれたこと、いくら感謝してもしきれない」


 国王にすら感謝されてしまった、嬉しいやら照れくさいやら


「助けになれたなら良かったです」


 はにかみながらそう答える

 付け加え、付いていてくれた3人は部屋で寝かせたことを伝える、一先ず国王と王妃は安心なされたようだ


「して、リリーのことだが、今は容態も良く、起きているとの事だ、教会に行けば会えよう」


「容態がよくということは、何かあったのですか? 」


「うむ、聞いたところではお主の持っていた武器を手に、戦ったそうだ、一騎当千と言うにふさわしい働きだったそうだ」


「ええ、ただその後パタリと倒れてしまい、容態が悪かったのですが、ラナンさんが処置をしてから、容態が良くなったようです」


「ラナンさん...」


 つくづくよく分からない、助けてはくれていた、ほんとに

 ただ、目的があまりにも正反対すぎる、この違和感やズレは、一体何なのだろう


「一先ず、リリーのもとにも行ってやれ、起きてからずっとお主とラナンの事ばかりでな」


 そう言われ、軽く会釈をし、扉をくぐる、閉まってからすぐに、走り出していた

 無事だとわかっているのに、焦る気持ちが足に伝う


 ~王都内教会にて~


 いつ帰ってくるだろう、無事なのか

 倒れてからずっと、胸の奥がギュッと握られるように苦しくて


 バタン、と教会のドアが開いた音がした、いつも振り返っても、知らない人で

 でも、どうしても、その度に、振り返って


「リリー! 」


 私の名前、あの人がつけてくれた名前が、教会に響いて


「! リーベルさん 」


 その人の名前を呼んだ頃には、もう抱きついてた、

 ずっと聞こえなかった声、ずっと見てなかった優しいその人が


「ボロボロ、大丈夫ですか? 」


「痛むが、大丈夫だよ」


 そう言って、頭を撫でてもらった、暖かい手は、傷だらけで、それでも帰ってきてくれた


「ラナンさんは? 」


 撫でていた手が止まった、嫌な予感がした、けど目の前のその人は、優しい表情を崩さなかった

 それを見て、またなんでか、胸が苦しくなった


「一度部屋に戻ろう、そこで話すから」


 そういい手を引かれる、教会から出て、ふとその人の横顔を見た

 なんでか、目は開いていたのに、どこも見ていないように見えた


 ~王城内、リーベル(永守)の部屋にて~


「リリーちゃん! 」


 レナイト様は、無事なリリーに抱きつく、リリーは困ったようで、嬉しそうだった


「せめて起こして、私にもなんか言ってから教会いけよ」


 ゲシッと、後ろからすねを蹴られる、振り返ると

 ふくれっ面なルーシア様が、腕を組んで立っていた


「あまりにも心地よく寝ていたもので」


 そう言いながら、窓の近くの席に座り、窓からの町を見る


「で、とりあえずここの皆んなに、話しておきたいことがある」


 風が後ろから吹く、あの人の風とは全く違うのに、何故か後ろを振り向きたくなる

 居ないことはわかっているのに


「ラナンさんは、別の道を歩んだ、もう傍にはいない」


 端的に、そう語る、どんな顔をしていたのか

 自分では分からないが、目の前の4人は、たったそれだけで何かを察したように、黙したままだ


「帰ってこないの? 」


 リリーが服の裾を引っ張る、その目には涙が浮かんでいた

 きっと帰ってくるよ、なんて、あのラナンさんを思い出すと言えなかった


「おそらく、最後まで会わないかもしれない、旅の途中、会っても共にすることはない」


 静かな部屋に、風の吹く音が微かになる、数秒の沈黙

 しかし、その部屋に風が運んだ数秒は、全員にとってラナンさんとの数日を思い起こすのに、充分な時間だった


「リーベルさんはどうするのですか? 」


 沈黙を破ったのは、レナイト様だった

 どうするも何もない、目的が増えたというだけ


「少ししたら、旅に出ますよ、目的や、やることこそ増えましたが」


 感慨もなく答えたように聞こえただろうか

 カーテンの影が、レナイト様の顔に影を落とす


「ここに残るっ、てことは考えないのか? 」


 ルーシア様に聞かれる、正直元の世界に住んでいたぶん、そちらの方が何かと楽だろう

 考える、振りをする、もう決まっていたから


「それも悪くないのですけどね、どこかに留まると、目的が果たせません」


 今回わかった、災が残り3人、それがどこに来るかも、あるいは既に活動しているかもわからない

 そんな状態で、どこかに留まろうものなら


(おそらく、力が付いた頃に情報が耳に入る、なんてことになりかねない)


 今回でもギリギリなのに、そんな状態になれば勝算が薄まる


「あと、もう一つ話しておきたいことがあります、王様や王妃様にも話しておきたいので、3人で呼びに行ってください」


 半ば強引に、ルーシア様、レナイト様、リリーを外に行かせる

 まぁまぁ納得のいってない3人だったが、渋々行ってくれた


「さて、と貴女は残り3人の災に関して、教えて貰っても? 」


 黙りこくっていた、白髪の少女に聞く


「ルナ」


「? 」


「私はルナ、みんなにも教えたけど、あなたには言ってなかった」


「そうでしたね、ではルナさん、3人の災に関して、教えてください」


「残り3人は、それぞれ、"戦争"、"沈黙"、"忘却"、いつもこの順番で世界に来る」


「順番決まってるんですね」


 ルナいわく、この順番が一番世界を滅ぼせて、かつ自身にいちばん力が溜まるためらしい


(なるほど、増長した恐怖を、最後に使えばどっちにしろ世界は滅ぶと)


「他の3人は私よりも戦った回数が多い、死んだ回数もあの子達の方が多い」


「死んでも戻るのか?」


「世界が転生すると、あの子達も戻る、私が勝ち続けてるから、当然毎回戻ってた」


「ならつまり、今回の貴方は万全じゃない、更には他の奴らの方が実戦慣れしてると」


 力で押しつぶすルナさんに対し、他の奴らの方が実戦に対して強いという訳だ

 色々、絶望しかない、さらには戦力は減った


「なんかもう、どうすればいいやら」


「? 私もいるし、そこまで絶望的? 」


「付いてくる気ですか? 」


「私も、他の子達に会いたいし、あなたには恩がある、それに」


 先程から無感情に近かった顔が、初めて曇った、気まずくて窓の外を見る


「あの子達は、繰り返しで壊れてしまってる、私は支えになりたくて、必死に理性を保った、だからあの子達を取り戻したいんだ、最初の頃のあの子達に」


 そう話しながら、ルナは隣に来て同じ方向、窓の外を見る

 さっきまでは、置いていこうと思っていた、万が一ここに何かあった時の、対処として


「なるほど、目指すものは一緒ですか」


「災が世界を救うなんて、面白い冗談だけど」


 今度はクスリと笑う、それを見て確信を口にした


「どうですかね、災は死んで今はルナが残っただけに見えますよ」


 再び、窓を風が通り行く、風が吹き終わるまで、彼女は笑顔だった


 ~王城内、とある一室~


「内密にと言っていたからな、ここでなら外部に漏れ用がないだろう」


 国王、王妃、騎士団長、副団長、レナイト様、ルーシア様、リリー、そしてルナ


 一同が揃ったところで話を始める


「まずひとつ、この子、名前はルナと言いますが」


「うむ、そのものに関して、子細は聞きたいところだった」


「実はーー」


 一通り、しかし一部は隠す、敵の大将だったこと、しかし本人の意思ではなかったこと、今は違うこと

 そして、共に旅に出るということ


「うむ、そうか、大変だったのだなお主は」


 案外あっさりというか、ほんとにこの国王様は人がよすぎる、これでしっかり国自体はしっかり強いのだから

 天才と言うべきなのだろう


「しかし、やはり旅に出るのだな」


「ええ、ここは居心地がいいのですが、まだ目的が果たせていませんので」


 断言する、気まずさが残る、しかし嬉しい気まずさだ、この数日でそこまで仲良くなれたなんて


「それなんですけどね、実は折り入って相談がございまして」


 そう言いながら、ティナさんが服の裾を引っ張ったのは2人ほど


「リリーちゃんと、レナイト様が付いて行きたいそうで」


「無理ですね」


 反射的に答える、無理に決まってる、死ぬ、では済まない


「待て待て、リリーは聞いておったが、レナイト、お主もか!?」


 そこだ、第二王女を旅に、しかも何処の馬の骨とも取れない相手について行こうなど


「私は今回、己の未熟さが身に染みてわかりました」


 城壁上の騎士に、撤退を命じてしまったこと

 回復魔法で役に立とうとしても、全体的には、教会の足元にも及ばなかったこと

 国の士気に、何もかかわれなかったこと


「私は、私にできることを、そう思っていました、でも私にできたことは、ここの方々と比べて、ほんとに何も出来なくて」


 だから修行をと言いたいのか、しかし


「死ぬ、じゃ済まない」


 ルナさんが口を開く、その目はさっきの部屋の時と、あまりにも違って冷たく

 言葉には、嘲りや、試す感じが含まれていた


「今回の戦いを見て承知しています、それでも」


「見た? 聞く限りは後方にいたんでしょ君? 城壁から見たを、私たちや彼と同じ見たと同じだと思ってる? 」


 結構言葉の火力は高めなルナさんに驚く、しかしこう、なんでここまで言うのか、理解が及ばない


「ルナさんほど冷たくは言いませんが、私も反対です、国の第二王女を旅に連れ出すのは双方にとって、リスクが高すぎます」


 ですがと、なおも食い下がる、しかし易々と連れては行けない


「更に言えば私たちは、今回の敵と同等か、それ以上の者と戦います、言葉通り"死ぬ"ではすみません」


 しかし、ルナさんのように冷たい顔は出来なかった、不安や心配がどうしても先だって顔に出る、悪いことでは無いのだろうが


「わかっています、実力不足なのも、自分の立場も」


「ですが」


「待て」


 国王が静止する、鶴の一声とはこの事か、熱くなりかけたところを、冷静にさせた


「今回と同様の敵が来る、それではお主も危ないだろう、現に今回、お主は危険な状態になった」


「ええ、そうですね、だから」


「私も、娘を危ないところに行かせたくはない、だがな、お主自身はどうなる、お主に付いて回復魔法をかけ続けたレナイトの助力もあって、危機を脱した、だとすれば、わしは友を死なせたくはないという結論に至る」


「なっ! 」


 まさかの、国王様は賛成派だと、予想外だった


「正気? 王様、それに私がいる、今回のようにはならない」


「数的には、ラナン殿がいた時と変わらぬのではないかね? しかもレナイトは回復に関しては、教会の者たちと並ぶ才を持っている」


 神秘に関して、語る訳には行かない、ここで私たちが出せる事実で、反論することが出来なくなってきている


「ル、ルーシア様はいいのですか? 」


「私は私のできることをここでやる、こいつはできることをより広げたいからあんたらについて行く、筋は通ってるだろう? 」


 賛成、と、もう少しこう、葛藤があって良くないか


「だが、泣かせたり、そいつを守り損ねてみろ、訓練ですまないぞ」


 だったら置いていかせてくれ、とは言えない程の眼力だ


「リリーも今の話を聞いて着いてきたいのか? 」


 そうこちらもだ、本当にどうしたものか、せめて臆してやっぱりと


「強くなりたいから、あなたに弟子入りしたんですよ、勿論レナイト様も一緒です」


 事実は話せない、だが、災と戦う時に、この子達も守るとなると


(仕方ない、連れていこう)


 ルナさんの声が頭に響く、ラナンさんと似たようなことを


(しかし、守りながらなんて、目的が遠ざかりますよ)


 そう返すが、以前余裕そうな顔をしていた


(どうせ守る、大事そうにしてるなら、近くにいた方が守りやすい時もある、それに)


("この子達も守れないで、ほかの災達からこの世界は守れない")


 正論ではないが、もっとも、と思ってしまった、この時点で、反論を諦めた


「わかりました、リリー、レナイト様、よろしくお願いしますね」


 溜息をつき、そう告げる、そういうと、ルナさんと私以外皆がハイタッチをし始めた


「いやはや何とかなったな」


「どういうことでしょう? 」


 なんと、前々から相談していたらしい、最初こそ猛反対されたが、レナイト様と、リリーの気迫に押されたらしい

 話の運びも、前もって作ったとか、ルナさんは想定外だったはずだが


(だから、あの場で国王様静止に入ったのか)


「負けました、まさかそこまでするとは」


「でもさっきのあたしのは演技じゃねぇからな?」


 木刀を担ぎながら、ニコニコ笑うルーシア様、なんだろう、より一層気が引き締まった


 ~永守自室にて~


 夜、みんなが寝静まった頃、ルナさんを起こさないように、布団から起きる


(なんでルナさんここにいるんだよ)


 確かレナイト様とリリーと同じ部屋じゃなかったか...


 そう思いながら、大剣を起こす

 虚を開いて、大剣を叩く


「なんだなんだ、こんな夜中に」


「いや困りましてね、私に彼女たちを守り切れるか」


 何度見直したか分からない、窓の外の町を見る、安心からではなく、ずっと不安から見ていたことがわかった


「何を今更、数日でここまで結果を見せたんだ、不可能なものか」


 表情こそ分からないが、嘘は付いていないだろう、暖かい言葉だ


「それに、両手に花どころか、四肢全てに花が付いているようなものじゃないか、男としては鼻の下伸ばして喜ぶものだろう、だらしな」


 くだらない事を言い始めたので、虚に放り投げる


「、ははっ」


 ベッドに腰掛け、またここから先の旅に期待を抱く

 おかしな話だ、危険な旅なのに、こう思うのは間違いだろうか


「進めばわかるか、どうせ進むしかないんだ」


 本当に安心しきったような表情のルナを見て、また笑みがこぼれる

 そうだ、これも進まないと守れないんだ


 布団をかぶり眠る、ようやく、様々な疲れが抜けていった気がした

 やや狭いのは、この際気にしないことにした、寂しがり屋なんだろう、おそらく


「いや狭い」


 ルナさんを部屋に戻しに行くと、レナイト様やリリーがどこか嬉しそうな顔で寝ていた

 本当に嬉しかったんだな、内心嬉しくて、今日はこの部屋の窓近くの椅子で座って寝ることにした


 その方が、疲れが取れる気がした

 窓からの風は、昼間と違い優しかった、月は綺麗で、自然と笑みがこぼれた


 久々だこんなに口元が緩む日は、こんな日々も、守りたいもののひとつなんだ


 横目に映る3人を見る

 彼女達の笑顔も、口元を緩ませてくれるこの日々も、


「そりゃ、この子達守れないと、これも守れないか」














最後まで読んでくださりありがとうございます


ようやく主人公に仲間が増えました、最初の方はラナン、後にルナのみの2人旅で固めようと考えていました


しかしそれだと最終的に主人公の目的が果たせないことに気づきまして、仲間を増やす展開にしました


とはいえ、死ぬよりも酷い、というように死ぬような展開であればおそらく私もキャラを殺すでしょう


執筆活動をしていて始めて、展開への辻褄と書いたキャラへの愛着がこうも湧くんだなと思いました


まだ仲間の展開や行方、結末は決めていませんが、ぜひ追っていってください


それでは次回は金曜日になります、ぜひ読みに来てください

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