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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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894/913

894【アキタ村料理のお店】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、少し短めです。

 冒険者ギルドを出て、まずしたのが、自警団を見つけることだった。

 声を掛けて、店の場所を尋ねた。

 店の特徴を教えると、微妙な表情をする彼ら。

「マズいのか?」

「温かい泥水がなぁ。ほかも何が材料なのかもわからんし」「味は悪くないんじゃないかな」

「わかった。とりあえず、行ってみるよ。自分で確かめる」

「そうしてくれ」


 店を探しながら歩く。

「どう思う?」とマリア。

「彼らの感想か?」

 うなずくマリア。

「まぁ、妥当かな。変わった料理ってのは確かだから。まずければ、奢るよ」

 それを聞いて、安心するマリア。


 ***


 歩くこと、十五分ほど。

 商店街の奥の一角に、その店はあった。

 時間帯もお昼を過ぎたからか、並んではいない。

 もとからかもしれないが。

 店構えは、ふつうの店だ。

 開いた窓からは、美味そうなニオイ。

 そのニオイをクンクンと嗅ぐマリア。

 その顔が輝く。

 思わずといった感じに、ドアを開けるマリア。そのまま、入っていく。

 えっ、と思いながらオレも続く。

 中から、いらっしゃいませと元気な声。

 ふたり組がふた組、テーブルに座っていた。

 オレたちもテーブルに座る。

 店内は、小料理屋を彷彿とさせる見た目。

 町民と思われる女性スタッフが、メニュー板を差し出す。それとお茶を出してくれた。

 メニュー板には、三つの定食があった。どんなものが提供されるのかがわかる。値段は三つとも同じだ。

「説明が必要ですか?」とスタッフ。

「三つともくれ!」とマリアが叫ぶ。

 それに驚くスタッフとオレ。大声にも驚いたが、まさか三種を同時に頼むとは。

「オレは、これを」とメニュー板のひとつを指差す。

 スタッフが我に返り、うなずくと、奥へと注文を出す。

「味も知らないのに、食べれるの?」

「あぁ、ここなら、奢らせる心配はないぞ」とニコニコだ。

「初めての店だよな?」

「ああ」

「なのに、どこから来るんだ、その安心感は?」

「オレの知ってるメシとよく似てるんだ」

「似てる?」

「だから、マズいってこたぁない。もし、マズかったら、オレが奢る」

 ここのって、アキタ村の食事だから、こっちの人間は、眉唾物のはずなんだけどなぁ。

 疑問に思いながらも、お茶を啜る。


 しばらくすると、テーブルが料理で埋められた。というか、一食ごとに四角いトレイに食事が載せられ、それでテーブルが埋まったのだ。

「おい」とスタッフに尋ねるマリア。「ハシはないのか?」

 キョトンとするスタッフ。

「たぶん」とオレ。「この町で店を出すにあたって、カトラリーにお箸を入れなかったんだと思うぞ。貸そうか?」

「おっ、あるのか? くれ」

 二膳のお箸を出して、片方を渡す。

「用意がいいな」とニコニコだ。

「今、宿泊している村の料理だからな」

「そうなのか。いただきます」とナマステすると、メシにぱくついたマリア。

 嫌な予感がして、鑑定してみた。

 アイタッ! またかよ。

 ぱくつくマリアを放っといて、オレも食べはじめた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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