893【マリアのグリフォン討伐法】
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今話は、少し短めです。
マリアは、この町の冒険者ではなく、流れの冒険者らしい。
「途中で、グリフォンが襲い掛かるわ、ウルフやゴブリンが出てきてさ。手間ばかり掛かったよ」
「王都方向から?」
「ああ。サブは?」
「オレたちも。まぁ、森を突っ切ってきたから、小物は出なかったがな」
彼女が大笑いする。
「それは無理。グリフォンの巣窟だぞ。入り込んだら、エサになるだけだ」
「ま、なんとかな」
「へぇ」
彼女の顔は、“こりゃ、マジかも”という感じ。
「でも、こっちは十人だ。それに比べて、マリアはひとりでだろう?」
「番だったな。こっちは空飛んだから、びっくりしてた」ガハハと笑うマリア。
「おぉ、珍しいな。空中戦をやるとは」
そこで、彼女がピタリと固まる。彼女の笑いが止まり、ギギギと音がするように、こちらを見る。
「信じるのか?」
「ん? 空飛んだって話?」
うなずく彼女。
「ああ。オレたちも飛ぶからな、魔導具で」
「魔導具? そんな魔導具、聞いたこともないぞ?」
「非売品だからな」とエールを飲む。「そっちはスキル?」
「あ、あぁ、跳躍スキルだ。それを風魔法で押してる」
「なるほど。飛び上がって、風魔法か。いいねぇ」
「こんな話、誰も信じないぞ?」
「オレは信じるよ。オレは無理そうだが、魔力量の多いのが、できそうだ」
「本当に?」
「ああ。オレがやったら、身体強化でジャンプして、風魔法で落ちる速さを加減するくらいだな。それでもタイミングずらしには使える」
彼女はしばしキョトンとしていたが、やがて背中を反らして、大笑いをはじめた。
しばらくして、ようやく笑いが収まったマリア。
カウンターにエールをふたつ注文する。
「もう一杯、飲んでくれ」
「なんで? なんとなくわかるけど」
「オレの眉唾話を信じてくれた。それで気分がいい。だから、奢る。嫌か?」
「いいや」
スタッフが持ってきたジョッキをぶつけ合う。
お互いにグビッと飲む。
プハーと息を吐く。
「なあ」とマリア。「この町で、美味い飯屋はないか?」
「メシは大事だよな」
うなずくマリア。
「オレもこの町をそんなに知らないんだが……前から行こうかと思ってた飯屋があるんだ。一緒にどうだ?」
「味は?」
「話だと、オレの知ってる村の産物を使った料理だそうだ。その村の料理は美味いが、ここのはわからん」
「そうか……ものは試しだ。行こう」
「これを飲んでからな」
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