892【三人組とマリア】
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今話は、少し短めです。
スクライスと三人は、明日の朝に町門での待ち合わせをして、別れた。
「独特の雰囲気だったな」とオレ。
オレの声に反応しない三人の背中を叩く。
三人がびっくりして、オレを見る。
「呆けてるな。必要なものを買ってこい」
三人が大きくうなずいて、ギルドを出ていく。
三人を送り出し、エールを飲み干す。
出ていこうとすると、止められた。
「すまない。少しいいか?」
三人の冒険者が、立ちふさがっていた。中堅どころのように見える。
「何か?」
「今の話は、本当か? つまり、三人が抜けるというのは」
「抜けるんじゃなくて、一時的な別行動だ。いずれは戻ってくる」
「そのあいだ、追加は?」
これは、パーティーに加わりたいって話かな。
「入れる予定はないし、入れる余裕もない」とピシッと答える。
「入れてもらえないだろうか?」「オレたち、あんたの指揮下でやりたいんだ」「頼むよ」
「今も言ったとおり、入れる余裕はない。それともなにか? オレを倒してでも確約させるつもりか?」と冷たく返す。
「三人相手に?」「それは無理だろ」「やめた方がいいよ?」
オレは、人間撃退用装備を一瞬にして身に着け、すぐさま威圧する。
三人が威圧に腰を抜かして、床に腰を打ち付けた。
突然、装備が現れた上に、威圧を受ければ、ダラケた冒険者には対処はできまい。
「このくらいの威圧に負けてるようじゃ、うちのパーティーには入れられない。わかるか?」と見下してやる。
三人は、忙しくうなずいて、転がるように逃げ出した。
オレはため息を吐いた。
すると、パチパチと拍手の音。
振り返ると、テーブル席に座っていた女性冒険者が笑顔で拍手していた。あちこちにキズのあるガッチリ筋肉質の冒険者だ。
いつのまにいたんだろう?
「ここでケンカがはじまるもんだと、楽しみにしてたんだが、格が違ったな」
「悪かったね。楽しみを奪ってしまって」
「いいさ。B級冒険者のマリアだ。一杯奢らせてくれるかい?」
「もらおう。飲み直さないとやってられないよ」
「だな」
彼女がカウンターに声を掛けると、すぐさまスタッフが運んできてくれた。
「B級冒険者のサブだ。よろしく」
木のジョッキをぶつけた。
ひと口飲む。
「あの三人が言ってたけど、パーティーから三人抜けるんだって?」
「あぁ、若い――といってももう大人――なんだが、パーティーを離れて自分の実力を知りたいって言い出してな」
「それで離脱か。戻ってくるようなことも言っていたな」
「ああ。同郷だからな。まぁ、親戚みたいなもんさ。こっちで頼れるのは、オレのところしかないからな」
「親から預かったのか?」
「似たようなものさ」
「そうか」
「そっちは? さっきまでいなかったよな? どこかからの帰りか?」
「いや、旅してるのさ。あちこちな。つい先ほど、この町に着いたばかりだ。そしたら、ケンカがはじまった」とエールをあおる。
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