890【分隊仮登録】
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今話は、少し短めです。
お昼前に、ようやくキヨミとエイジとハルキが戻ってきた。キヨミはルンルン、なぜかエイジとハルキはグッタリしてる。
何も聞くまい。
「三人でパーティーを組みます」とキヨミ。
「わかった。それで?」
「屋敷までを、護衛依頼や討伐依頼を受けながら、旅します。たぶん、冬まではたどり着けないので、どこかの町で冬越しするかもしれません」
「宿屋で耐えられるのか? 屋敷が温泉地だってことは覚えているよな」
あー、という顔をするキヨミ。
「そんなんじゃ、許可できないな。まずはお試しでやってみよう。明日から先行して、サナル村まで行くんだ。そこで合流する。エイジとハルキは不満かもしれんが、雪が降れば、動けなくなる。これが春ならば、存分にやってくれって言えるが、冬を甘く見ちゃいけない」
三人は、不満げではあるが、渋々うなずいた。
「よし。ならば、まずは装備の確認をしておこう。その都度、補充はしているが、確認は大事だ」
うなずく三人。
***
装備が確認でき、少し多めに補充させた。
それから、町へと向かう。
もちろん、冒険者ギルドへだ。
冒険者ギルドに入ると、昼過ぎなのもあって、閑散としている。
まずは、カウンターで相談する。
「実は、この三人が独立したいと言ってね。だが、パーティーから出すつもりはないんだ。その代わりに、一時的に三人のパーティーを組ませて、依頼を受けさせたいんだが、できるかな?」
「それでしたら、“分隊”という形になるかと思います」
「“分隊”?」
「はい。本来は、なんらかの依頼を受けたが、全員で対処するような依頼でない場合に行なわれます」
「なるほど」
「分隊したパーティーは、臨時パーティーとして、仮登録することになります」
「依頼は?」
「別にあとからでも構いません。もちろん、依頼受注できるかは、等級次第になります」
そこで仮登録を済ませておく。
三人のパーティーは、C級パーティーとして認められることになった。
ここからは、三人に任せる。
オレは、食事処でエールを頼んで、ようすを見る。
「ゴウヨーク国側への護衛依頼とかはありますか?」と受付嬢に尋ねるキヨミ。
「明日出発の商隊があります。ちょうど、ひと組のキャンセルがあって、人を探していました」
詳しく話を聞く三人。
話を終えると、オレのところに来た。
キヨミが口を開く。
「隊商を護衛する冒険者パーティーのリーダーが戻ってくるので、待機するようにと」
「そうか。話的には、いい感じか?」
「はい。護衛パーティーのひとつが、食中毒らしくて、キャンセルしてきたそうです。それで、追加を求めてきたと」
「食中毒か。いくら衛生管理がずさんだからって、全員がなるなんてな」
「あまり聞かないですよね」とエイジ。
「それでもあり得るからな」
三人がエールを頼む。
当初は飲めなかった若者たちだが、次第に飲めるようになっていた。
こうしたところにも成長が見られるようになって、うれしいやらさみしいやら。
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